愛おしいものたちについて 10

連載エッセイ、最終回だ。有料マガジンの連載も二月末で終了するけど、note自体全然書かなくなる訳じゃなくて、お題など単発でちょくちょく書いていきたい。

今日は推しの話をする。私の推しは俳優だ。「推している」といってもゆるいお茶の間ファンなので、ドラマかせいぜい映画を観るくらいなんだけど、そのくらいのスタンスのほうが長年ファンを続けられていいと、舞台やイベントで上京しまくっていた過去から学んだ。

・山田孝之
山田くんを初めて見たのはデビュー作の『サイコメトラーEIJI2』で、あまりにも可愛らしい顔立ちにすぐに好きになった。苦手な作風のドラマや映画は見なかったけど、なんやかんや結構出演作は見ている。最近だと『dele』にはまった。お仕事選びへの信頼性は正直あんまりない。山田くんが出ていて私好みの作品って珍しいなーくらいの距離感。

・小栗旬
小栗くんを初めて見たのはたぶん『Summer Snow』だったと思う。その後に『ごくせん』を見て好きになった。経歴を聞くと十代の頃は下積みのような状態だったらしい。小栗くんが出ているドラマも映画も見たいものだけ楽しんだ。舞台のお仕事が順調に入っているらしく、好きなことをやれているのが自分のことのように嬉しい。

・藤原竜也
「蜷川幸雄の秘蔵っ子」と鳴り物入りで舞台デビューを飾ったことで、当時から知ってはいたんだけど、初めて藤原さんの出演作を見たのは『愛なんていらねえよ、夏』だった。『ST赤と白の捜査ファイル』で好きになったのでファン歴は浅い。やっぱり舞台の印象が強い俳優だ。ドラマも映画もたくさん出ているんだけど、あんまり見ていない。

・松田龍平、翔太
龍平さんを初めて見たのは、レンタルで借りてきた『青い春』だ。翔太さんはたぶん『LIER GAME』だと思う。ドラマに出ていればチェックするけど、映画はあんまり観ていない。『御法度』は何年か前、GYAO!で配信しているのをやっと観た。二人とも思いのほかコメディ演技の才能があるのが興味深い。もっと見たい。

・綾野剛
綾野くんを初めて見たのはデビュー作の『仮面ライダー555』で、その後もゆるく応援していた。『クローズZEROⅡ』など長髪時代が好きだったんだけど、役柄に合わせて髪を切ったことで売れたんだったらもう何も言うまい。デビュー以降、お仕事はあるもののぱっとしない時期が長かった。ブレイクしてくれて嬉しい俳優。

・岡田将生
岡田くんを初めて見たのは、小栗くん目当てで視聴していた『花ざかりの君たちへ』だ。可愛い子だなーと思ってすぐに好きになった。若い頃のお仕事選びへの信頼性はあんまりなかったけど、初舞台を踏んでからは多少は自分のやりたいことが見えてきた感じがする。推しに言いがちな「顔がいい」を体現してくれている俳優。

・田中圭
圭くんを初めて見たのは、山田くん目当てで視聴していた『WATER BOYS』だったと思う。ちょくちょくドラマや映画に出演するものの、いまひとつ同世代の俳優と比較して飛び抜けたところがなく、歯がゆい思いをしていたんだけど、『おっさんずラブ』で大ブレイクして良かった。いまの活躍ぶりは嬉しい。

・三浦涼介
りょんくんを初めて見たのは、2019年にYouTubeで配信されていた『仮面ライダーオーズ』だった。昨年のことなのでりょんくんのひととなりなどはよく知らない。藤原さんと同じく、この方も舞台俳優という印象が強い。毎週金曜担当で『あさステ！』というラジオ配信をやっているんだけど、めんどくさすぎて一回しか視聴していない。

・大杉漣
大杉さんを好きになったきっかけは『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』だった気がする。とにかく数多くの作品に出演していたので、私が見たことのある大杉さんは僅かなんだろうけど、いままで経験したことがなかった「推しの死」というものを初めて知った。二年経ってもまだちょっと信じられない。遺作の『バイプレイヤーズ』最終回録画は未だに見られずにいる。

特に好きな俳優を挙げたんだけど、ほかにも菅田将暉くん、三浦春馬くん、千葉雄大くんなどちょっと気になる俳優というのは多い。

推しに願うのは健康で芸能活動を楽しんでくれることと、あとは犯罪に手を染めないことだ（過去の推し二人は暴行事件を起こして、いまどうしているのか知らない）

「推しは推せる時に推せ」とよく言われる。全くもってその通りだ。推しと同じ時代を生きている、それだけでもう奇跡なので、躊躇わず推そう。推し方はひとそれぞれでいい。海外まで舞台を観に行くも良し、お茶の間で応援するだけでも良し。「推しが好き」という気持ちに上下などない。お金を使うファンが偉いとか、そんなことはないと思う。まぁお金を使えるファンはどんどん経済を回してくれればいいんだけどね。