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幸せの正体はFRUIT OF THE LOOM


80年代は角川映画とバイク映画の

ブームの真っただ中だった。

「ボビーは首ったけ」

「彼のオートバイ、彼女の島」

どちらも著者は片岡義男さん。

「読んでから見るか、見てから読むか 角川文庫」

というキャッチコピーも秀逸だった。

要は角川文庫から発刊された小説を映画化するという
今でいうメディアミックス商法の先駆けだった。


映画化されたと言っても、
貧乏学生なので、
ビデオでレンタルされるようになってから
ようやく見ることになるので、
劇場公開からは、周回遅れになるのだが。

大学時代、下宿暮らしをしていて
その下宿仲間の本棚に置いてあった

「幸せは白いTシャツ」

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こちらも片岡義男 著

当時、私は19才。

本のお金を節約するために、
仲間の部屋でパラパラと読んだ。


こちらは割と有名な小説なのに、
映画化はされなかった。

短大を卒業した20才の女性がバイクに乗って日本一周をするという
内容。

派手さはないが、
旅をしながら、人と出会い淡々と綴られていく物語。

こちらの本の中で
挿絵がわりに写真がいくつか載っているが
ホンダ CB450という大型バイクが登場する。

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そんな大型バイクに
乗っているのは、80年代の女性ライダーの代表ともいえる
「三好礼子」さん

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今でこそ、450CCはそれほど大きい排気量ではないが、
リリース時の1965年では国内最大排気量だったという。


女性のバイク乗りが珍しかった時代でもあり、
国内最大排気量のバイクを20才で乗ってしまうという
豪快さ。


アニメ(小説、漫画もある)「スーパーカブ!」に登場する
「礼子」とは、まさに
三好礼子さんからネーミングされている。


三好礼子さんは自転車に乗るようにバイクに自然体で乗られるのが
実にカッコいい。

イタリア製のAGVのヘルメットを被っていたり、
ゴツいリングブーツ(ハーネスブーツ)を履いていたりと
アイテムにもこだわりが見られる。

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作中、パックに入れられたTシャツが登場するが、

長らく、パックTシャツは「ヘインズ」と思っていた。

作者のあとがきによると
「フルーツ オブ ザ ルーム」を想定したと語られている。

ヘインズは今やどこでも見られるほど認知度は高くなったが、
フルーツ社は、ややマニアック。

コーラでたとえると、

ヘインズがコカ・コーラなら

フルーツはペプシという感じ?


そして、表題の「幸せは白いTシャツ」は、
ビートルズの作品
「Happiness Is A Warm Gun(ハピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン)」


から着想を得たという。

実は、淫靡な意味が込められていて

「温かい銃」

「射精したばかりの男性器」を差しており、
当時は、放送禁止でもあったとか。


ビートルズの【初期、中期、後期】
で分けると

初期はアイドル、ポップスっぽい路線。

中期は実験作も多くインドに感化されたりと
一筋縄でいかない時期。

後期はギタリストのジョージ・ハリスンがメキメキと才能を表しだし
個性的な作品が増えてくる。

この後期を好むあたり、ツウだなあと思わされた。

そんな私も、一番、最初に買ったCDは

「Happiness Is A Warm Gun(ハピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン)」

が収録されている
「THE BEATLES」という
白いジャケットの二枚組アルバムからだった。

ただ単純に二枚組だから、オトク♪って思っただけで、
もっとアイドルっぽい曲が入っているかと期待したら、

「ヘルタースケルター」やら「Revolution 9」など
癖のある曲の多かったこと。笑

CDもあったはずだが、涼しくなったら探そう。

8月19日は「バイクの日」でもあるので、
バイクにちなんだ記事を
19ロック年生まれの男が書いてみたという。

下宿先でパラパラと読んだ
「幸せは白いTシャツ」

令和時代に、

この本を30年ぶりに読むことになるとは、
まったく想定していなかったし、


原付小僧で、洋楽かぶれで

斜に構えてた自分が、
こんな中年になっても
まだバイクに乗ってることも考えてはいなかった。


ただ、この本をネットで取り寄せたり

CB450というバイクについても、いとも、たやすく検索できるようになった点では

やはり、あれから文明は進んでいるのだなという時の経過は実感させられた。


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