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フリーランスでテレワークを4年やって気づいた働きやすさ

決まった時間、決まった場所へ行き、そして、働くことができる。みんなが「当たり前」と思う働き方ができなくなることは、特別なことではなく、誰にでも起こることです。

私自身、決まった時間、決まった場所へ行くことができなくなって、初めて「働けるって当たり前ではないんだ」という経験をしています。今回は、私が体験してきたことから気づいた「バリアフリーな働き方」について、お伝えします。

突然失った「当たり前」

私が普通に働けなくなったきっかけは、子供たちの不登校、そして、私自身のメンタル面の不調からでした。しかし、不登校や体調不良よりもっと前。子供が生まれて育児休業から復帰し働いている時から、段々と働きにくさを感じていたのです。

仕事と子育てに追われる日々に、子供の成長をじっくり感じている感覚は薄れ、「このまま、あっという間に時間が過ぎていくのだろうか…。」という疑問がわき上がっていました。

恐らく、この積み重ねにより、私の精神状態は限界にきていたのだと思います。まるで、私がゆっくり考えるためのように、2人の子供たちは、学校へ行くことをやめ8年が経ちました。

子供たちの不登校をきっかけに、強制終了で今までできていた働き方ができなくなりました。そして、ひとり親ということも重なって、「このままでは生活できなくなる」と精神的にも追い込まれていったのです。

本格的に外に行って働くことができなくなったのは5年ほど前。当時は、在宅での仕事は、ちょっとしたお小遣いを稼げるくらいでしたので、「当たり前の働き方ができない=生活できない」という状況だったのです。

無理をして以前の仕事を続けることもできましたが、子供たちのサポートをしながらフルタイム。決まった時間、決まった場所へ行くしかできない公務員の仕事は不可能でした。

子供たちのこと、働き方のこと、さまざまなことを考え、約20年勤務した公務員を退職し、フリーランスでテレワークで働くことを選びました。

テレワークはセーフティーネットだと思う理由

フリーランスでテレワークで働くようになって、一番実感していることは、「どんな状況になったとしても生きることを諦めなくていい」ということです。

働き方に選択肢があること。それは、命を守ることに直結していると感じています。

とはいえ、テレワークだったらどんな働き方でもいいというわけではありません。今あるテレワークの大半は、場所が会社外に移っただけがほとんど。

知り合いからは「テレワーク増えてきたから仕事あるんじゃない?」と言われたことがあります。しかし、「決まった時間」という枠があるテレワークでは、私は今あるテレワークもできないのです。

きっと、決まった時間も難しいという人は、現実的に多いのではないでしょうか。ハンディがあればあるほど、まだまだ働きにくいテレワークなのではと思います。

ハンディがあってもこうすれば働ける!

テレワーク。つまり在宅勤務でハンディがあっても働きやすくするためには、何時から何時という時間の枠も選択、まはたなくなればと思っています。可能であれば、時給ではなく裁量労働制になるといいかもしれません。

なぜなら、病院や家庭の用事など、予測できるものだけではなく、突発的なことも起こりやすいからです。その度に、「お休みします」という連絡は、少しずつ積み重なることで精神的な負担が大きくなります。

ただし、フリーランスで働いて実感していることは、仕事を発注する側の経費負担の軽減のような裁量労働制が起きがちなことです。裁量労働制であっても、安心して働けるための環境と報酬を検討することが大切になってきます。

また、仕事の予定について「なるべく余裕を持って進める」ができると、さらに働きやすくなります。リアルな場で一緒の時は、お互い相手の様子が見えるので、急な依頼ができることが多いでしょう。

しかし、在宅勤務で突然連絡が届き「今すぐやって!」というのは、ハンディがある人だけではなく、ハンディがない人も、働きにくくなってしまいます。

なぜなら、急な依頼は、さまざまなスケジュールを崩してしまい、結果的にずっと緊張している状態を起こしてしまうからです。

依頼する場合は、急ぐ時でも期限は早くても翌日。という感じで、せめて24時間、または48時間は余裕を持たせることで、働きやすさは格段に変わってきます。

この2つが改善されるだけでも、在宅勤務の働きやすさは変わってきます。

他には、コミュニケーションの取り方です。文字だけのコミュニケーションは、相手のメンタル面や状況により受け取り方が変わってきます。同じ言葉でも、文字と音声では、受け取り方はかなり異なってくるのです。

単純な連絡事項やタスクの確認は文字だけでもいいでしょう。しかし、大事なことや注意しなければいけないことは、お互いの状況によって、文字ではなく、音声またはビデオ通話で伝えることも効果的です。

コミュニケーションの取り方は、お互いの時間の負担を増やさないようにしながら、気持ちよく仕事ができるための配慮が必要だと考えられます。

ハンディがある人の働きやすさはみんなの働きやすさ

私は、「雇用」という形でのテレワークではないことで、いろんな方の理念や働き方への考え方、そして、コミュニケーションの方法について触れることができています。

みんな得意なことが違うからこそ、「どうやったら歩み寄れるのか」を考えることが必要です。

どちらかが上か下かではなく、お互い対等な立場で働けるようになることで、ハンディがあっても働きやすいバリアフリーな働き方が実現できるのではないでしょうか。

そして、バリアフリーな働き方が実現することで、多くの人も働きやすくなる社会が実現できるのだと思っています。他人ごとではなく自分ごとで、いろんな人が考えてくださればと願うばかりです。

#日経COMEMO #バリアフリーな働き方

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