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なぜ今、居場所が必要なのか?

NPO法人ハートフル・ポート代表の五味です。

まちのカフェとして、子どもから高齢者まであらゆる世代の人たちが気楽に立ち寄れる場をオープンしたのは、今から約8年半前。

もともとは義母が住んでいた部屋です。

今の店内の様子


コロナの前は店内はいつも賑やかでした。しかしコロナとともにこの憩いの場はしばらく閉鎖を余儀なくされました。

この3年間、いろんな気づきと学びがありまた。
そしてわかったのは、「つながり」が断たれることによる弊害は、想像以上に大きいということ。

 居場所をなくしてはいけない。


人が健康でいるためには、人と人とがつながりは不可欠です。

まちの中にあるカフェ的空間。
人と人とがつながるまちの居場所。

ここには
偶然の出会いがあり、
新しい発見があり、
挑戦してみようという想いが集まり、
感動があり、
喜びがある。

大げさかもしれませんが、人生の扉を開かれた方もいます。
私自身もそのひとり。(笑)

 何もしなければ何もはじまらない

やりたいと思っても、どうせ無理…
と、あきらめてしまっている人は多いかもしれませんが、

やってみたいな、と思ったときに、
誰かが応援してくれたり、

背中を押してくれたりすると、
一歩が踏み出せるものです。

失敗を恐れずやってみようかな!
と思える環境さえあれば、一歩は踏み出せるのです。

ハートフル・ポートには、不思議とそんな空気が流れている気がします。
チャレンジしようとする人を応援する人が自然と繋がり合っているのかもしれません。

70代後半でウクレレを始めた方、
英語を習い始めた方、
はじめて肉まんやピザ作りに挑戦した子どもたち、
自分が欲しかった居場所をつくった人、
やりたかった企画を実現した人、

何かに向かってやってみようという気持ちと
それを応援する人たちの気持ちが重なると、
自然と幸せの輪が広がっていきます。

素敵なドラマが生まれる要素がここにあるような気がしています。

孤立化の速度が加速する今、人と人とがつながる場は、待ったなしに必要です。

多くの人がツナガル場を求める一方で、嬉しいことに、ツナガル場をつくりたい人もいます。


場が持つパワーとその魅力――その計り知れない魅力をお伝えしていきたいと思っています。

自分もこんな場をつくってみたい!という方が、このnoteを読んで一歩を踏み出していただけると嬉しいです。

住みたいまちは自分たちで創る。みんなで地域を盛り上げていきましょう。


これから、場づくりのこと、いろんな想いや心温まるお話も綴っていきたいと思っています。

お付き合いいただけると嬉しいです。


1.住み開きカフェを始めたきっかけ


ハートフル・ポートは、もともとは2世帯住宅の一階部分で、私の義母が住んでいた部屋でした。

60年近く住んでいた地で義母が天寿を全うし、その後主を失った空き部屋に命が吹き込まれ、多くの人たちが集うようになったのです。

人は必ず人生の幕を下ろすときがあって、できることなら住み慣れた地域でその時を迎えたいと願うのは、義母の最期を自宅で看取ってつくづくと感じました。

最後まで住み慣れたまちで住み続けたい。

遠くには行けなくなっても、近くに自分の居場所がある。
お茶したり食事したり、おしゃべりしたり、人と出会える場がある。
やりたいことができて、感動できる場ある。

そんな場を持つ人はいつまでも健康でいられます。
つながりがたくさんある人ほど健康長寿なのです。


2.まちのカフェから、まちづくりの団体へ


カフェとは、誰でもふらっと行ける場です。
カフェに行くと、ちょっとワクワクする方も多いのではないでしょうか。

私たちがこれまで運営してきたハートフル・ポートは、ランチを食べたり、お茶したり、地場野菜を買いに来たり、あるいはいろんなイベントを楽しみに誰でもふらりと来ていただけるまちのカフェです。

通常のカフェと違うのは、そこに行くと必ず誰かとの出会いがあり、ワクワクする何かがあり、自分でも何かやりたいことにチャレンジしてみたくなる場であること。そして、それが誰かのためになり、生きがいにもなっていくということ。


「作って食べよ!」
子どもたちが自分たちで食べたいものを作ります
(毎月第2金曜10時~14時)

職場や学校、家庭以外で自分の気持ちが吐き出せる第3の居場所。

独り暮らしの高齢者や、学校に生きづらさを感じている子どもたち、
子育てに孤立を感じているママたち――

そんな人たちがふらりと来て、ポロリと本音が吐き出せる場。
ありのままの自分でいられ、なりたい自分に向かって一歩進める場。
誰かに背中を押してもらって、新しいことにも挑戦できる場。

人には何かしら誰かの役に立てるものがある。
そんな賜物が集まって、力を出し合うことで、
まちはより住みよいまちになっていくのだと思います。


3.私たちが目指すこと

昨年12月に、カフェ ハートフル・ポートは、NPO法人として心新たにスタートしました。

法人化をした理由は、この活動をもっと広め、
いろんな団体ともつながって、ネットワークも作り、
小さな幸せの種をたくさん撒いていきたかったから。

地域にはいろんな課題があって、その解決には
今や公的機関には限界があり、もはや頼ってはいられません。
住みたいまちを私たち住民自身が担っていくことが大切だと思います。

増え続ける高齢者の数に比例して増加する要介護の方、認知症の方たち。
学校に行けない子どもたち、孤立する子育て世代の人たち。

生きづらさを感じている子どもたちも、
孤立を余儀なくされている高齢者たちも、
子育て世代の人たちにも、
安心して行ける居場所が必要です。

誰かに悩みを聞いてもらい、
その居場所で自分自身を取り戻すことで、
自信をもってまた大海原に漕ぎ出していくとができるのです。

そんな港をあちこちに増やしていきたい。

目の前の人の幸せを願い、そっと寄り添えるまちのカフェ。
小さな幸せが、大きな喜びへと広がっていく。
そんな関係をつくり、まちが喜びの花で満たされるように…

カフェには、素敵な物語がたくさん生まれます。
大きなことなんてやらなくてもいい、
そばにいる人の声に耳を傾け、一緒に歩いてみる。

人の温もりを感じられるカフェ。
カフェからはじまるいろんな物語。

そんな物語が紡がれる世界を、是非ご一緒にご覧いただけたらと思います。

これからもどうぞよろしくお願いします。


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