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1私が叶えたいこと、カウンセリングのこと

例えば自分が子供の頃から旅をしていたとして。
そのときはまだ幼くて他の国の見聞もなかったとして。

初めての旅、ある国に入国したとたん国民に急に竹槍を突きつけられた。

何故か彼らは怒り狂っている。
言葉は分からないけどなんだか「降伏しろ!」と言われている気がする。

無理やり地面に押し付けられて訳が分からないし自分は何もしていないけれど、とりあえず謝らないといけないように感じて「ごめんなさい!」と言った。
そうしたら彼らは何故か落ち着いて、その場は切り抜けられた。
どうやらこの国では、入国した人間は必ずひざまずいて身に覚えのない自分の非を謝罪しないといけないらしい。
そしてこの国で生活するには、他国の人間は「自分が迷惑をかけてごめんなさい」と1日3回唱えないといけないらしい。
それが何故か、国民への礼儀になるらしい。
習慣を欠かしている人を見ると国民は怒り狂って非難する。
おかしいと思いながらも、入国した人間全員がそうしている。
郷に入っては郷に従え・・・自分もこの変な風習に従わなければいけない。
そうしないと殺されてしまうかもしれない。
まだ次の国には行くこともできないのでどうしようもない。
辛すぎる。何もしていないのに。でも、この国の民にとったら、、
もしかしたら自分は迷惑な存在なんだろうか。

**********

ある日次の国へ行くときが訪れた。でもまだその国の知識はない。
恐る恐る国へ降り立った。
・・・ここでは竹槍は突き立てられないようだ。
でも、なんだか、人々は不愛想で怒っているような気がする。
なんだか怒って声を荒げている人がいる。その人が自分に向かってどんどん近づいてくる。
どんどんどんどん近づいて、自分に罵声を飛ばしているような気がする。

思わずまた「ごめんなさい!」と言って膝まずいた。
でも、その人は足早に通り過ぎて行った。
実はその怒っている人は、誰かと口論しながら、ただ自分に向かってきただけだったのだ。

何もなくてよかったと思いながら、とても緊張して沢山の汗をかいていたことに気が付いた。

そうしてこの国での生活が始まって、人々は不愛想だけれど、根は優しいこともだんだん分かってきた。
この国では1日3回謝ることはしなくていい。けれど初めの国の名残でつい謝る言葉を言いそうになる。
癖になってしまっているようだ。

そしてまたしばらくして次の国へ移るときがきて、また移動して・・・。
旅を繰り返している中で、入国のときにものすごく身体に力が入ってしまうことがわかった。
そして怒っている人を見ると緊張で泣きそうになるときもある。
それさえなければ、旅は楽しくて色々なことを知ることができるのに。

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#生き方
#幸せ
#心
#あたらしい自分へ

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