はちみつが溶けだしたみたいにキラキラ(2023年10月23日~10月日の詩)

きみが英雄だったこと
僕にとっても誰にとっても
きみはそんなこと知らなくていい


歌い出したら
わたしが零れてしまいそう
私の言葉がそのまま詩になる


踊り出したい
駆け出したい
握っていた手を離したい
わたしを脱ぎ捨て
見失いたい


あの日きみと一緒に作ったドーナツの
穴だけは今もポケットの中に


きみが優しくさせてくれた


見たことないもの見てみたいから
今から逃げてみようよ


少しずつほどけていくわたしの
確かにここにあった証が詩なのだとするなら
拙くてもいい
わたし歌っていたい


身体がだるくなるような
深く沈んでいくような眠り
舌を喜ばせる食事
滴り落ちるわたし
そこから生まれる軌跡のような詩



あの子が許されていない瞬間なんて
一瞬も無かったのに



言葉にしたら
見失ってしまいそうで
世界はわたしを知っているだろうか



見えないけれど確かにそこにあるのだと
誰にも言えない信仰のように
思っていてもいい?


どうして未来も知らないのにあんなに笑えていたんだろう


ここはプールがあって
おもちゃがあって
ずっとここにいても良かったけど
外に出てみることにした


西日の入るこの部屋は
はちみつが溶けだしたみたいにキラキラ


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