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ウルルへの旅3日目(キングスキャニオン)

今回どうしても行きたかったキングスキャニオン。
岩好き、渓谷好きの私にとって、ここは絶対に外せなかった場所。
キングスキャキャニオンはワタルカ国立公園内にあり、こちらもアボリジナルの聖地としてルリチャ族とアレンテ族が2万年もの間、故郷と呼び居住してきた場所だそう。

エアーズロックから約300kmの距離。レンタカーを借りた理由のひとつはここに来るためだった。
300キロの距離だが、なんせ法定速度が高いオーストラリア(の僻地)Googleマップでの見積もりは3時間。

サンセットのウルルを見るのは今日しかチャンスがなかったので、夕方までに戻ってくるため朝の4時に起きて5時に出発した。
リゾートから大型バスでキングスキャニオンまで行くツアーも出ていて大人大人約260ドルというなかなかの金額。(飛行機代より高い。この金額は予約したサイトによって多少変わる。)
ホテルの前でお客さんを乗せたバスを見かけたが、パッと見たところ満席だった。やっぱりここまできたらキングスキャニオンまで足を伸ばす人は多いのだろう。

曇りのせいか朝方は霧が深く立ち込めていて、全く先が全く見えない状態。街灯がない見知らぬ道を運転するのは野生動物がでてくるかもしれないという不安もあり、かなり神経を使って運転せざるおえない。
最初は夫が運転したが、怖い怖いと言って50キロ出すのがやっと。
本来なら100キロは出せる道路だから、相当ゆっくり進んでいたことになる。
途中で霧も晴れたりしたが、雨も降ったりしたので太陽が登るまでの1時間半はずっと低速で走行していた。

霧があって真っ暗闇

途中で夫が疲れ始めたので、私が代わりに運転することに。
助手席で寝る夫と、後部座席で寝る息子。
Spotfyで風くんと林檎を交互に聴きながら、運転していた。
野生動物は飛び出してこなかったし姿さえ見なかったが、目の前に牛が道路にはみ出て立っているのには遭遇した。
途中で家畜横断注意の看板が何回か出てきて、道路にたくさんの糞が落ちているのでわかる。
そういう意味でも、スピードを出しすぎないほうが良いだろう。

キングスキャニオン唯一のガソリンスタンドへ寄って、昨日のうちにIGAで買ってきたパンとポテトサラダでサンドイッチを作って食べた。
コーヒー党の私はガソリンスタンドのインスタントホットコーヒーで生き返った。
雨予報はなかったものの、空は曇っていた。
エアーズロックに滞在中は雲が多い日が続いたが、キングスキャニオンの天気も曇りだったのは本当にラッキーだったと思う。
曇りのせいで直射日光をまぬがれ、ハエもあまりいなかったからだ。
吹いてくる風が心地よく、体力を温存したままリムウォークを楽しめた。

6キロのリムウォークにチャレンジ

まず最初に入り口になる山を登りきらないといけないのだが、久しぶりに勾配きつめの登山をしたので、さすがに途中で何度も息が切れた。
汗もじわじわ出てくる。

最初の山

しかし事前に調べていた夫が、この山さえ抜ければあとは楽みたいだよと教えてくれたので頑張れた。
登頂後の景色がこちら。

写真だと迫力にかけるのが残念

この時点で、今来てよかったとつくづくと思う。
体力に自信がなかったり、足腰が弱っていては来れない場所だと思ったからだ。

ここは4億年以上前に形成された谷。
4億年前に堆積したメレニー砂岩の層がみられる。ウエハースかミルクレープみたいに何十もの厚い層になっている。
映画のセットはたまた地球を飛び出して火星にいるような。
今まで色々なところを旅したけれど、その大半がスキューバダイビングの為に島や海だったせいか、こうした地形の不思議な光景を目にしたことがなかったので私にとって始めてみる光景が続いていて、夢の中にいるような気分になった。

断崖絶壁

下を見るとボロボロ崩れた岩が大量に見える。
怖がりな夫に注意されながら、端から少し離れた場所で撮影するのがやっとだった。
途中で長めの休憩を取ることもなく、撮影に割いた時間以外は歩き続けていたので思ったより早くコースを終えることができた。
観光客もさほど多くなくバスで来た人々がまとまって行動していたくらいだろうか。
今度来た時はヘリコプターに乗ってみたいし、宿泊もしようと思った。
もっとゆっくり歩いて、この土地の持つエネルギーを思う存分味わいたいからだ。

私が天然石に惹かれているのはその美しさはもちろんのこと、天然石が作り上げられる時間と太古のエネルギーを保持しているのが理由だ。
天然石に触れていると宇宙を感じることができる。
キングスキャニオンも同じような感覚だった。
4億年前のエネルギーがそこにはある。
人工ではない地球のありのままの姿がそこにある。
土地のもつエネルギーは、そこにいるだけで体の隅々に微細な影響をもたらし、意識にも働きかける。
その日は太陽が出てきたのが帰りがけのほんの一瞬だったから、暑さをかんじることなくトレッキングができたことも大きな理由だったが、本当に心地よい時間を過ごすことができた。
次行く時が本当に楽しみだ。



YUMI