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採用人事の仕事は、ストーリーを作ることだ。

 こんにちは。HeaR株式会社、人事の田島彩名です。今日のnoteは、こんな気持ちで書いています。

「いろんな会社の採用が、作業でなくなる日が早く来て欲しいな」
「採用の仕事に、もっとたくさんの人が興味を持ってくれたらうれしいな」

 私の思いはもう本当に一言、タイトルに全て集約されています。採用人事の仕事とはこれ即ち、ストーリーを作ること。HeaR株式会社はCX(Candidate Experience=候補者体験)のコンサルティングをメインでやる上で、このストーリーというところに強い強いこだわりを持っています。

 その結果、会社から「ぜひ!」とお声がけをして、1日体験入社に来てくださった人の内定承諾率はおおよそ80%。かなり高い確率で会社と候補者のマッチングに成功していることがお分りいただけたと思います。

 採用においてストーリーを作ることで大切なことは二つ。

・一貫性のあるテーマを決め、伝え続ける
・起承転結それぞれで発生する候補者の「葛藤」を解決に導く。

 まだまだピンと来ていない人、大丈夫です。あなたの会社の採用、あなたがこれからやっていく採用、全部最高のストーリーになり得ます。

一貫性のある採用活動するには

 採用の主流がCXに移っていく中、何よりも大事と言われているのが採用活動における一貫性です。「一貫性のある採用活動」を実現するために、HeaRでは以下のような採用CXのタッチポイントを108個定義しています。

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 一人の候補者さんが内定に至り活躍するまでに存在する、108ものタッチポイントの全てに会社からの一貫したメッセージを込めることで採用の一貫性は実現されるのです。まずはこちらのシートをダウンロードして、108のタッチポイントにどんなものがあるのか見てみてください。

 このタッチポイントを確認した上で決めるべきは、採用活動における会社の一貫したメッセージです。例えば弊社、HeaRの場合は……

・愛、青春
・働いて青春している大人を増やしたい
・華金の愚痴を無くしたい

 このような会社のミッションに絡めながら、「愛」や「青春」を盛り込んだ設計になっています。例えば、初めて会社に面談にきた時に出てくる飲み物はポカリスエットです。他にも、青春を感じてもらえるような接点を多く持てるように一連の流れをストーリーとして作っています。


採用におけるストーリー、起承転結と葛藤

 ストーリーを作る、というと、なんだかすごく難しいことのように感じます。特別な才能が必要な気がするし、テクニックや表現力が必要なのでは? と思ってしまいますよね。

 「起承転結」という言葉はみなさん聞いたことがあると思います。これを採用の現場に当てはめると、こんな感じです。

起:採用CXにおける「認知」のフェーズ
承:「興味」「応募」のフェーズ
転:「選考」のフェーズ
結:「内定/入社」のフェーズ

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 これに加えて、採用のストーリーを作るときに意識すべきは、候補者の「葛藤と解決」です。候補者には、各フェーズに必ず「葛藤」が存在し、その葛藤が解決されることで次のフェーズに進むことができるようになります。

 つまり、候補者が会社を知り、入社を決めるまでのフェーズで発生する葛藤を解決していくことが、「採用の成功」と言えるのです。

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 「起承転結」と、それぞれの「葛藤→解決」のイメージはおわかりいただけたでしょうか。

(参考)HeaRの採用ストーリー

 HeaRの場合、採用の一貫したテーマは「愛」と「青春」です。そこかしこに愛と青春の要素をいれています。

・HeaRの「起」

 認知の部分では、とにかく採用主題を押し出しています。SNS、Wantedlyなどで「青春」や「愛」を前面に押し出した広報活動を行い、SNS運用などを含めチームを上げて行っています。

 特に、HeaRからの広報活動で気をつけていることは、「ポジティブであること」「社員が楽しそうに仕事をしていること」をしっかり押し出していくことです。現状、なんらかの理由で会社に不満を抱えている人がみた時に、「こんないい会社があるんだなあ……」とぼんやりでも思ってもらえるよう、考えて発信を行なっています。

・HeaRの「承」

 興味を持ってくれた候補者さんに対して、こんなことをしています。
 - 面談に来てくれた方にポカリ(青春の象徴!)をお出しする
 - 面談に来てくれた方を送り出す時に楽器をかき鳴らす(愛)
 - 面談に来た後、繋がらなくなってしまった人にも定期的に連絡(愛)

 承の部分に候補者さんが抱える葛藤である、「転職への不安感」や「マッチするかどうかわからなくて心配になる気持ち」を少しでも減らせるように、歓迎ムードを作ったり、アイスブレイクのネタを用意しています。

 また、会社での待遇や考え方などについては極力オープンに話をすることを心がけています。

・HeaRの「転」

 HeaRでの選考のクライマックスは、「1日体験入社」です。会社に1日実際に入ってもらい、業務を行います。もちろん、社員やメンバーとの相互理解を深めるためのコンテンツやランチ会なども充実させています。

 転の部分では「入社後のギャップがあったら怖いな」という求職者さんの不安にフォーカスできるような設計になっています。実際に一緒にメンバーと動いてみること、肌で感じ取ってみることを大切にした設計です。

・HeaRの「結」

 HeaRでは、内定から入社まで時間が空く場合は、必ず2週間に一度はなんらかの形でコンタクトを取るようにしています。会社の締め会におよびしたり、メンバーとコミュニケーションを取る場を設けます。

 また、入社1日目の不安を減らせるよう、メンターになる人とあらかじめ連絡を取れるようにしたり、社内の情報にリーチしやすくなるようにファイルパス設計シートをお渡ししたりもします。

数の採用をやめて、ストーリーを作ろう。

 会社での採用はKPIで定められている場合が多く、「今期は何人採用!それに逆算して、何人と面接、何人に内定を出して、広報はこれくらいの規模で……」と、何かと数字にフォーカスしてしまいがちです。

 もちろん、数字を追うことが悪いことだとは思いません。時には必要なことです。100人の採用を目指し、1000人と会い、130人に内定を出して、100人を無事採用する。それが達成できるのは確かに素晴らしいことです。

 ただ、これからの時代、それだけでは企業が選んでもらえない時代が必ずやってきます。人手不足の中で、会社は間違いなく選ばれる立場になっていくのです。その時に候補者さんの心を動かすのは、機械的な面接や対応ではなくてストーリーです。

・候補者さんは採用ストーリーの主人公。
・会社は、そのストーリーの舞台。
・採用担当は、ストーリーのキーマン。

 こんな気持ちで採用を作っていけると思うと、すこしワクワクしませんか? 

 採用のミスマッチを減らすこと、選ばれる会社になること、そのためにぜひ「ストーリー」という考え方を取り入れてほしいと思います。


スタートアップでがんばっております。ぜひ翼をさずけてください。