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「身体に障害がある者」だけが対象ではない!理学療法士の役割

理学療法士は「身体に障害がある者を対象」としています。

理学療法士法で定められているこの一文は保険を使うために、重要な一文です。

話は変わりますが、自費リハビリテーションという言葉をご存知ですか?そうです、医療保険を使わずに、医療ケアのようなサービスを行ってくださる人々のことです。
自費をする人は、明瞭に言うと「保険制度に縛られたくねぇ!」といって、ワンピースを探しに旅に出ます。

対照的に、医療現場で、リハビリは医療法により、「身体に障害がある者に」と対象が限定されています。10年前までは身体に障害がある人へのリハビリ介入が理学療法士とされていましたが、その流れも変わりつつあります。

大きな転換点が訪れたのは平成25年で、厚生労働省よりある文面が公開されました。

↓ややこしいので、下にさっとん要約を書いてます。

厚生労働省医政局医事課長通知

○理学療法士の名称の使用等について(通知)
(平成25年11月27日)
(医政医発1127第3号)
(各都道府県医務主管部(局)長あて厚生労働省医政局医事課長通知)
厚生労働省に設置されたチーム医療推進会議及びチーム医療推進方策検討ワーキンググループにおいて、本年6月から10月にかけて、医療関係団体から提出された医療関係職種の業務範囲の見直しに関する要望書について議論してきました。
この要望書における要望の1つとして、理学療法士が、介護予防事業等において身体に障害のない者に対して転倒防止の指導等を行うときに、理学療法士の名称を使用することの可否や医師の指示の要否について、現場の解釈に混乱がある実態に鑑み、理学療法の対象に、「身体に障害のおそれのある者」を追加してほしい旨の要望がありました(別添1)。○理学療法士の名称の使用等について(通知)
(平成25年11月27日)
(医政医発1127第3号)
(各都道府県医務主管部(局)長あて厚生労働省医政局医事課長通知)
厚生労働省に設置されたチーム医療推進会議及びチーム医療推進方策検討ワーキンググループにおいて、本年6月から10月にかけて、医療関係団体から提出された医療関係職種の業務範囲の見直しに関する要望書について議論してきました。
この要望書における要望の1つとして、理学療法士が、介護予防事業等において身体に障害のない者に対して転倒防止の指導等を行うときに、理学療法士の名称を使用することの可否や医師の指示の要否について、現場の解釈に混乱がある実態に鑑み、理学療法の対象に、「身体に障害のおそれのある者」を追加してほしい旨の要望がありました(別添1)。

【要約】ようするに、予防分野で医師を放ったらかして、理学療法士がバリバリ、ガリガリ介入させてくださいよぉ、と手を挙げたわけです。


これに対しては、理学療法士が、介護予防事業等において、身体に障害のない者に対して、転倒防止の指導等の診療の補助に該当しない範囲の業務を行うことがあるが、このように理学療法以外の業務を行うときであっても、「理学療法士」という名称を使用することは何ら問題ないこと。

【要約】身体に障害のない対象者であったとしても、「理学療法士」って使ってよいですよ、ってこと。

また、このような診療の補助に該当しない範囲の業務を行うときは、医師の指示は不要であること。

【要約】診療の補助に該当しない範囲の業務では医師の指示は不必要でっせー。ということになります。

この流れにより、地域でのフレイル体操や、健康体操教室などが理学療法士を通じて乱立した経緯があります。

結局どうなの?

この通知の目的は社会保障費の抑制です。

予防リハビリによって、重度介護となる対象の方を少なくして、社会保障費を予防しようとしました。

その後、予防は何が目的か?という議論が巻き起こった末に厚生労働省からこのお達しが出ました。寝かせたままにしてたら、みんな病気になっちゃって、今後医療費上がっちゃうじゃん。という未来を半目でうっすら眺めた先に、この資料が出てきた経緯があるのです。

ざっくり結論を言うと、理学療法士の対象が「障害の有無にかかわらない」と言っても良いでしょう。

しかし、おべんちゃらにもこの通達によって理学療法士が障害の無い方、フレイル予防に貢献したか?と聞かれれば、Noを突きつけたいと思います。

フレイルについては、以前に内容を書きましたので、以下の記事を読んでください。

さっとんがなぜ、フレイル予防に貢献したのか?についてNOなのか? それはまたの機会にお話できればと思います。

ただ、一つ言えることは介護予防分野は社会保障費の抑制に貢献していないという答えによって、今回の介護保険診療報酬改定で積極的リハビリを受けれない構造が顕著に現れたことはお伝えいたします。





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