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さっとんの「感覚」

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「感じること」「思うこと」「だよね」と日常的な感覚を語った記事。個人の見解であり、日々の積み重ねで内容に変動することをご了承ください。
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記事一覧

「転倒しない」は正しいリハビリの形なのか?

リハビリテーションは転けないを追求するっしょ?当たり前でしょ? なんて思っていませんか? まず、初めにわたしの立場を明瞭に示します。 日常生活では「転けない」がまぎれもなく正解です。 では、「転ける」は不正解なのでしょうか? その通り、不正解です。 では、絶対に転けない方法とは何なのか? って考えちゃうんですよね。 その方法は「寝ころがっておく、寝ころび続ける」です。 そうです。活動を制限しちゃえば良いのです。 転けないために、寝たまま。 活動を制限するのは正解でしょ

リハビリやっても無駄 なんて思ったらポケモンセンターに行こう

今回はおもに生活期で働くリハビリ療法士さんへ向けて書きます。 「高齢者はリハビリやっても回復しない」 とても耳にする言葉です。 それは利用者さんからも、ケアマネージャーさんからも、ご家族さんからも、果てはリハビリ療法士からですら耳に入ってきます。 「いや、そんなことないですよ」と簡単に言いたいところ。 ただ、言いにくい理由は生活期だから、という理由です。 生活期はグングン身体機能がアップする「回復期という山場を超えた」状態なのです。 ただ、このイメージを持っているリ

そうだった。わたしは就職難民だった。

4月1日。そう、新年度だ。 桜の開花とともに、心をあたらしくする季節がやってきた。 SNSはエイプリルフールで「しめしめ。どんなウソで驚かそうか」とニヤニヤしながらスマホを握りしめる祭りの開催だ。 そんな最中、あるツイートが目に飛び込んできた。 なぜこのtweetが目に止まったかというと、 何を隠そうわたしも「国家試験に受かったのに卒業年に就職が決まらずに、4月1日を無職で過ごしたから」だ。 いや、忘れてました。心の底から忘れてた。 理学療法士は国家資格であり、多

ぶつかって倒れても、後ろに預けて、また走ればいい

わたしはラグビーが好きです。 ぶつかって、倒れるのが当然とされるスポーツだからなんだと思う。 ちからいっぱいぶつかって、倒れて仲間に預ける。 時に相手をすり抜ける瞬間を願って、 プレーを続ける。 わたしは高校時代は小学校から始めた野球が大好きで、ベタベタに甲子園を狙って高校も選びました。夢は叶わず、地方大会のベスト8までで、夢は果てました。 ふと、グランドのとなりでカラダとカラダをぶつからせで、仲間とじゃれあうように息を交えるラグビーをいつも、そばから見守っていました。

やっぱり別れは悲しい

わたしのご利用者さんが天に召されました。 やっぱり別れは悲しい。 悲しくないのはおかしい、と思われるかもしれません。 リハビリってからだの状態が安定している方が多い。 なので、最期まで携われるのはちょっと少ない。 だから、やっぱり別れは悲しい。 家で生活できるよう支援するわたしたち 最期まで在宅で生活する支援できたことは良いこと。 でも、やっぱり別れは悲しい。 いろんな「ありがとう」の思い出が吹き出す。 こんな「壁」があったと思い出がよみがえる。 乗り越

2021年「リハビリエッセイ」noteをやってみてわかること

この記事はnoteを通じ、理学療法士として、リハビリを提供する者として 「なぜ、はじめたのか?」 「はじめて何が良かったのか?」 「なにをめざして投稿したのか?」について2021年をふりかえってまとめます。 2021年もわずかとなりました。 リハビリテーション、特に生活期に関する投稿を今年からはじめました。 ・32本の記事(現在は34本) ・5,000ビュー(概算) ・フォロワー117名(現在119名) 以下が公式noteから届いた2021年の記録です。 なぜ、はじめたの

難病というコトバに負けない

わたしのおじいちゃん、孝太郎は84歳で他界しました。 そして、彼は脊髄小脳変性症という難病をわずらっていました。 おじいちゃんの症状は「失調」といって、カラダが酔っ払っているようにフラフラとカラダを動かしてしまう症状です。 ワンカップ大関が大好き。 孝太郎はアルコールが入ってなくてもフラフラ(失調)。 それはそれでハッピーだったのかもしれません(いや、そんなことないか笑)。 こんなところまで目を光らせるか?と、鍋奉行が大好き。 いつもすき焼きの砂糖と醤油のバランスだ

マスクをしてても「えがお」は伝わる

マスクをしてるから伝えたいことが「伝わらない!」と感じた経験はありませんか?わたしもその1人です。 1年と6ヶ月ほど新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、わたしたちの世界も大きく変わりました。 1番変わったことはマスクが必着になったこと。みなさんもそうですよね。 今までもインフルエンザ対策として、毎シーズンの冬は着用を義務にされていましたが、現在は夏も、もちろんマストです。 この期間、わたしが痛いほど学んだことの1つとして、コミュニケーション力が脆弱であることです。こん

あいさつだけで、好感度ってわりと上がるよねという話

朝の「おはようございます」で、 スッと会話が始まり、 2言目でその日の会話をスムーズにすすめるきっかけを作れるんじゃないか?って思う事があります。 そして、そのあいさつで、相手に好感を持つことって多くないでしょうか? じゃがいも君(わたしの長男)が小学校に入学した当初「登校班でちょっと溶け込めない」って感じていたそうです。 ほぉ、と眉を潜めて考えてみると、案外、大人でもそういう場面って多いですよね。 あ、今日は溶け込むように相手と折り合えてないって感覚。 そういう時

リハビリは機会であり、理解であり、期待である

理学療法士なのに、リハビリって何なんだろう?って答えが明確に出せずに15年走り続けた気がします。 『リハビリしなくたっていいんじゃない?』『する意味あるの?』とその効果性について、リハビリを始める前から閉店ガラガラとなってしまう事が多いのも実情です。とっても悔しかったし、悲しかった。 在宅リハビリをするよりも 他のサービスの方が機能的です。 他のサービスの方が即時的です。 私たちの価値とは何か。 迷いはあった。しかし、今は迷いません。 リハビリは機会であり、理解であり

在宅医療・介護のICT化は現場の効率化に貢献するか?問題

新型コロナウィルス感染拡大に伴って、急速にコト・モノはICT化してます。 在宅医療・介護も導入する企業が増えてまいりましたが、このICT化は「現場の効率化」に本当に貢献するのでしょうか? 結論からいいますと、私はICT化で簡単に効率化へ改善しないと思ってます。 第一にデジタルリテラシー問題と第二に文章読解力リテラシーの2つが必要と考えているからです。 デジタルリテラシーデジタル機器の情報を使いこなす能力と単純に解釈してもらいたいですが、これを部内だけで統括することは努

良いセラピストって何だろう?

今回は自分の経験も踏まえて、良いセラピスト(理学療法士やら、作業療法士、言語聴覚士やら、柔道整復師、鍼灸師、マッサージ師などやその他も含めて)って何だろうな?と考えていることを書きます。 もちろん、答えは1つではありませんし、求めているクライアントの要望によって、違いが大きく出る事があります。 そのため、1つに全く限定できません。 しかし、私が勤めた2つの病院や、維持期リハビリとしての経験、さまざまな人からのお話を踏まえて、今思うことを書いてみようと思うのです。 みち

理学療法士のキャリアアップは現状5つしかない

理学療法士を有する資格者が急増している。 今年も2月末に理学療法士国家試験が行われたため、ウキウキしながら今後の社会人生活に思いを馳せる学生さんが多い事だろう。私もその一人だった。 筆者も10年以上前、リハビリの仕事に携われることに心を時めかせながら、早くその日が来ないかとワクワクしていた事を覚えている。 働き始めると、様々な理学療法士が存在し、5、6年もすると業務に慣れてくるため、今後どのように仕事したらいいのか?と、不明瞭な不安感に包まれて行き詰まってしまうセラピス

介護の始まりは川端康成の「雪国」書き出しと似ている

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。地面が白くなった。 「雪国」川端康成著 この書き出しを思い出すと、介護が始まるご家族の気持ちに似てるな。って思う事があります。 学生の時にどなたでも聞いたことのあるような非常に有名な書き出しで、川端康成はノーベル文学賞を受賞しました。 私がこの作品と出会ったのは中学生の時、有名だからという理由だけでその本を手に取って読みました。 内容としては大人の恋愛事情や登場人物の心情が登場人物の「言葉」として表される事が多い作品で、正直、