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在宅医療・介護のICT化は現場の効率化に貢献するか?問題

新型コロナウィルス感染拡大に伴って、急速にコト・モノはICT化してます。

在宅医療・介護も導入する企業が増えてまいりましたが、このICT化は「現場の効率化」に本当に貢献するのでしょうか?

結論からいいますと、私はICT化で簡単に効率化へ改善しないと思ってます。

第一にデジタルリテラシー問題と第二に文章読解力リテラシーの2つが必要と考えているからです。

デジタルリテラシー

デジタル機器の情報を使いこなす能力と単純に解釈してもらいたいですが、これを部内だけで統括することは努力によって改善するかもしれません。しかし、外部取引き先へ標準化することは非常に困難です。

現在、新型コロナウィルスの感染拡大により、介護保険報酬改定でリモートでの会議なども実施可能となりました。

しかし、その会議に参加必要な方々の全員が機器を使える能力が必要です。もちろん通信環境が整っていたり、単純にスケジュールを間違えてしまう人がいれば成立しないことになります。

各事業所の各担当者へデジタル機器の使い方を教えて回るなんて出来ませんし、「若い世代の文化」と一蹴されることも少なくありません。

私もケアマネージャーさんから「Wifiが会社にありません」と何回か突き返された事があります。

少し考えられないかもしれませんが、そのような会社も存在しているのです。

居宅サービスは原始的な「ふれあえる存在」が強い

新型コロナウィルス感染拡大で居宅サービスの情報交換は電話やファックスなどの電子機器を使用する事が第一となりました。

しかし、その問題から1年が経過した現在、少しずつ原点回帰と呼ぶべき「会う」が解放されつつあります。

居宅サービス現場では様々な年代の人が存在し、何かの原始的な「集まって話し合う」というニーズは間違いなく存在しているということです。

大きな法人となると、ベルトコンベアで流れるようなシステマチックなサービスの提供でも問題が発生しない場合もありますが、中小規模では1件、1件の仕事が獲得出来なければ、死活問題です。

そのような場面では「近い存在」「話しやすい存在」となる事が最も重要視されます。

文章読解リテラシー

第二と挙げましたが、特に問題なのはこの文章読解リテラシーの問題があります。

要するに、口語で説明すると、納得してもらえることも文章となると「伝える側」と「受け取る側」の双方に文章作成能力と文章読解能力が備わってなければ予期しないトラブルが発生するのです。

特に居宅サービスの現場は「利用者様の家」となり、サービス提供者が常に連絡が取れる状況ではありません。

結局、サービス提供中に簡単に電話に出たり出来ませんし、相手に情報が伝わらない事があります。

利用者の情報を直に掴むサービス提供者が適正に内容を伝えられなければ受け取った担当者は間違った情報として行動を起こしてしまうのです。

そこに追加して、受け取り側が文章を適正に受け取れなければ、こちらも過分な行動を起こしてしまうのです。

私はFAXなどで文章を送る時、とくに程度を伝える共通基準が備わっていない他職種の方へ連絡をするときには何度も文章を読んで、緊張しながら送ります。

もちろん、この医療福祉現場でなくても、この2大要素は今後の日本社会、はたまた世界規模で必須の能力となります。

ITって情報の科学技術

医療介護分野でICT化となると、状態、状況、データを科学技術でより交換しやすくすることだと思ってます。

しかし、伝える側と受け取る側、双方のデジタルリテラシー、文書読解リテラシーが両方確立されて効率化となるので、単にプラットホームを作成しただけで解決する問題では無いのです。

日本語は難しいです。

英語はグローバルに使われる言語であるため、あまり丁寧な言葉を使わなくても「内容」さえ伝わればOKなところがあります。

尊敬語、謙譲語などのルールもありません。

日本人からすると英語でグローバルな人々と接するとちょっと冷たい文章に感じてしまう事がありますが、何をして欲しいのか?何を要求しているのか?がハッキリ伝わるような言語で返す事が良しとされるのです。

それと違い、日本文化の中でやんわり伝える文化の中で、必要とされるために相手に合わせるとなると、ICT化すると結局非効率じゃない?ってなります。

そこへ投資しても本当に効率化するの?という議論がぐるぐる回っていってしまうのです。

おわりに

今回は在宅医療・介護のICT化は現場の効率化に貢献するか?という内容で私見を書きました。

最後に、つらつらと書きましたが、個人としてはICT化はこの業界で進化、発展させるべき領域であることは間違いありません。

その障壁となっている課題を克服し、現場のスタッフへの益が利用者様への益となる取り組みを個人として担っていく必要があると思っています。

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