肩関節 第4回 《肩峰下滑液包の癒着》
肩峰下滑液包(SAB)とは、
肩峰の下にあり、上腕骨頭と肩峰の間のクッション材として機能しています。
しかし、《上腕骨頭の上方滑り》という異常な運動にて、ストレスにさらされ炎症が生じることが多くあります。
ちなみに私も、肩峰下滑液包炎につい最近なりました( ´∀` )
私の場合、ゴルフの打ちっ放しに行った際、おそらく肩甲骨の可動性が悪く、上腕骨頭が上方にインピンジし、SABを痛めつけたと思われます。
私の場合は、翌日から三角巾を使用し、クーリング対応と安静で一日で治りましたが(その日の業務は片手のみで行いました。( ´∀` ))
患者さんでは、症状が長引き、癒着している状態でクリニックに来られることが多いです。
挙上時と結帯時に肩前方痛を訴えられます。GHの可動域制限は主に疼痛によるものです。
所見としては、肩峰下にSABの圧痛を認め、GHの伸展で激痛が走り、夜間時痛もあることが多いです。
同時に棘上筋のスパズムを認めることが多いので、まず反復収縮にて棘上筋にリラクセーションをかけていきます。
棘上筋は前部線維と後部線維に分かれ、
前部線維の作用は、外転・内旋
後部線維の作用は、外転・外旋です。
しかし、比率としては前部線維の方が大きいので、臨床では主に外転・内旋でPassiveに誘導し、リラクセーションをかけていきます。
そして、棘上筋のスパズムが軽減すれば、疼痛自制内でSABの剥離操作をすすめていきます。
剥離操作は、GHの伸展および軽い内転で少しづつSABを剥離していきます。
SABの剥離操作は独特な抵抗感を感じます。
剥離操作後は、揉み返し(剥離操作後の炎症)の症状が生じるため必ずクーリング指導を徹底します。また揉み返しがおこることも患者さんへ事前に説明します。
その他には就寝時のポジショニング指導も行います。
剥離操作がうまくいけば、即時的に結帯の可動域の改善がみられます。
SABの癒着がはがれ、クーリングにて剥離操作後の炎症も落ち着けば、症状は改善していきます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?