【姉+双子育て19】自分大好きと言える強み

夜、眠る前。布団の中で姉が言った。
まずは「ママ、大好き」。「私も」と答える。もちろん悪い気はしない。むしろ、いつも感情的になって怒りすぎている私にそう言ってくれるのはとてもありがたい。
「(保育園の担任の)先生も好きだけど、ママも好き」ともう一度言ってくれて、さらにその後――
「○○ちゃん(←自分のことを名前呼び)、この子も好き」と言った。

「えっ、この子?」と姉の方を見ると、自分を指している。「自分も大好き!」と言い直した。
えっ、そんなことを言うなんて……!と驚きながら、「そうなんだ、それはとってもいいことね!(本当はバリバリ関西弁だけど)」と私は笑顔になった。

何を隠そう、私は自分のことが大嫌いだった。
二十代半ばの頃、社会人サークルみたいな集まりにて、堂々と「自分のことが嫌いです」と宣言した。←何も深く考えてなかった。
そうしたら、周りの人たちから一斉に「そんなことを言ってはいけない」「自分が自分を嫌っていたら、誰も好きになってくれないし、あなた自身も他の人間を好きになれないよ?」「まずは自分を好きにならないと」などと、集中砲火を浴びた。

あ、これってダメなことなのか……と目からウロコくらいだった私。それから、とりあえず「自分が嫌い」と口に出して言うことはやめた。しかし、だからといって、そんなにすぐ好きになれれば苦労はしないもので。
「自分を好きになる本」を読んでみたり、ネットで情報を検索してみたり。そこから得た知識に基づいて、実際に行動してみたり……。
いろいろあがいて今現在、自分のことを「大嫌い」ではなくなった……と思う。というか、言ってはダメと言われたのでそう考えなくなった。
じゃあ好きなのかと聞かれれば、「自分のこと大好き!」にはまだほど遠い。うーん、なんとも……自分でもよくわからないのだけど、「嫌い」……「でも、嫌いって言ってはいけないんだよね?」レベルだろうか。「好きになりたいな」とは思い始めたので、それだけでも開き直っていた以前よりは大きな進歩なのだけど。

自分を好きになりたい――。そんなふうに思っていたら、いつの間にか娘が先にあっさりと「自分大好き!」になっていた。
いやいや、本当に良かったと思う。これから先、いろんなことがあって自信喪失するかもしれないし、自己肯定感が低くなったりすることもあるだろう。それでも3歳の今、「自分のことが大好き」と言えるのは素晴らしい。

私は自分の小さい頃のことをほとんど覚えていなくて、3歳くらいはどうだったのか、どんなふうに感じていたのか、もはや不明だ。

姉を見てみれば、最近、とても楽しそうだ。
夜、眠る前に「今日、保育園楽しかったー」と言い、朝には「今日は凧揚げ大会! この間はクリスマスやったし、なんかいっぱいあるなあ」とニコニコ笑っている。両親は双子の世話でてんてこまいで、たいしてかまってあげたりできてないというのに……!

ものすごく基本的で当たり前のことを言うけれど、毎日を楽しく過ごせるって、最強だなあと思う。今の私は毎日を回すのに必死で、楽しいもつらいもない。無味無臭の中をひたすら走って、たまに子どもが可愛いなと思うくらい。
……なんだ、その生活は! 私も毎日、楽しく過ごしたいぞ!!

――と、話が大きくブレたけど、これから先、姉が大人になっても「自分大好き!」と声を大にして言えるようサポートしていきたい。双子たちも「自分大好き!」と言える3歳に育ってほしい。
そして、何より……私自身、「自分大好き!」といつか大きな声で言えるように、もうちょっと毎日「楽しい!」と心から感じて生きられるように、前を向こう。

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