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美容院で差し出される雑誌

20代前半から、どのファッション誌を読めばいいのか度々悩んでいた。
そのことを当時、バイト先の先輩に相談してみると、「美容院で差し出される雑誌とか、参考にしてみればいいんじゃない?」とアドバイスしてもらった。
しかし、その時は……「この間、美容院で出されたの、関西ウォーカーでした」と答えた覚えがある。先輩も失笑して、「それは参考にならないねぇ」と。
まあ毎回、関西ウォーカーというわけでもなかったんだろうけど、他にファッション誌を出された記憶がとっさに出てこなかった。
その頃は「MORE」や「With」はまだ少し早い気がしたし、「CanCan」はなんだか違う気がしていた。

それから歳を重ね、20代後半くらいに私史上最大のファッションブームがやって来て、それまであまり買わなかった分を取り戻すように服をたくさん買ったりした。
読んでいたのは、「Steady.」が多かったかな。あまり具体的な参考にはならないのだけど、「FUDGE」みたいな雰囲気のが実は一番好きだったりする。
それは余談として、先輩のアドバイスを胸にいつも美容院へ行く時は差し出される雑誌を楽しみにするようになった。

そして先日、美容院へ行った時に差し出されたのは――「VERY」と「オトナミューズ」だった。
「VERY」って、その昔、編集長がドキュメンタリー番組に出ていたような。確か、カッコいいワーママ向けの雑誌!
そして、「オトナミューズ」って……「オトナ」! ついに、オトナと冠のつく雑誌を差し出されるようになったのか、とショックを受けつつもよく見れば、表紙に「37歳、どうたらこうたら~」と書いてある。
「あ、あと数年で37だ。私、バッチリターゲット層やん!」と、再びショックというかなんというか、複雑な気持ちになった。

どっちも、美容師さんのセレクトはピッタリなのである。でも、私自身はどうにもムズムズした気持ちになってしまった。
それでも、両方とも読んだことがなかったので、「VERY」を興味津々で読み進めた。
「子どもと公園へ遊びに行く時はこれ!」っていうお洋服の値段が数万円していたりと(0一個多い、それでも高い……)、とにかくキラキラと眩しい誌面だった。
(残念ながら、「オトナミューズ」までは読めなかった)

普段はもう、ファッション誌を買う習慣はなくなってしまった。だから、美容院へ行く時はいつも雑誌が読めるのを楽しみにしている。
――次は何が差し出されるかな?

お読みくださってありがとうございます!