スタートアップに多様性は必要ない
今回も手短ではありますが、組織についてのお話をしていこうと思います。
「チームには多様性が必要だ!」
「この組織には多様性が欠けている!」
「様々な意見を取り入れていくことが需要だ!」
誰もが聞いたことがある、ありがちな組織論です。
今回はこの定説がスタートアップについても同様であるか?考えたいと思います。
そもそもスタートアップの強みとはなんでしょう?
Ideas are a commodity. Execution of them is not.
PCデルを創業したマイケルデル氏の言葉です。
アイデアよりも、実行こそが鍵なのだと。
組織の観点からいうのであれば、スケールが小さいがゆえの生産性の高さ、すなわち実行力の強みが重要であることがわかりました。
大企業に追いつかれないよう、いかに早くPMFに達するか。
すなわち、いかに「正確に」「素早く」課題解決を行なっていけるか、というのがスタートアップに課せられた使命であるともいうことができます。
よって、生産性=正確さ / 素早さ を表すものであるとすれば、多様性はこれらにどう影響を与えるでしょうか。
そもそも多様性とは?
幅広く性質の異なる群が存在すること by wikipedia
例えば働くことに夢中になっている人間もいれば、ワークライフバランスを重視した働き方の人もいる。働く理由は人それぞれに多様です。
面白いエピソードがあります。
Paypalは創業期、ロシア人とアジア人からなる混成チームで、人種的、文化的バックグラウンドに多様性はありました。しかし、メンバーの全員がオタク気質でSF小説を読み、同じプログラミング言語を書いて、良いデザインとは何か?という議論が発生しない程に価値観が共通し、同じ目的に向かって奔走するチームであったそうです。
ある日の採用面接で、「フラフープをしている」というだけで人を採用しなかったことがあったそう。メンバーからすると、誰もフラフープなどしたこともなく、チームにそぐわないだろうということで、採用に至らなかったという経緯。
結果としてコミュニケーションコストは省かれ、不要な議論に追われることなく、ビジョンに向けて邁進することができた、というハッピーエンドにつながるわけですね。
この選択が正しいかどうかはさておき、多様な意見、それに伴う相互理解にはコミュニケーションを必要とし、コミュニケーションとは見えていませんが会社にとってとんでもないコストです。
こんなことに時間をかけることはスタートアップの唯一の強みであるスピードを殺すことと同義となってしまいます。
それでは「どのタイミングから多様性を受け入れていくのか?」について、また次回以降に記載したいと思います。
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