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【カンボ・セレモニー】②カンボ初日

場の大切さ

シャーマンのカップルと、参加者3人。
この5人で3日間を共有するので、まずは自己紹介から。
そしてちょっとした事務的な事柄(当日の流れやトイレの場所など)を確認。
不明なことがないのを確認すると、いよいよ儀式に入ります。

まずは、女性のシャーマンが香木 (おそらくパロサント) を燃やし、チャンティングをしながら部屋の浄化を行いました。それから少しの間、呼吸と身体に意識をむけて瞑想。

サイケデリックを使ったセラピーに必要なものは「セット&セッティング」だと言われます。セットとは、意図や精神状態を含む自分の気持ちの在り方。セッティングはオファーしてくれる人や場の在り方。この3日間のセッティングはとても素晴らしかったと思います。

サナンガ

ここから、いざ、というい感じ。

カンボの事前準備のひとつとして横になってサナンガを受けました。
サナンガは南米の先住民により使われている目薬です。
先住民の人たちはサナンガを使うことで狩りの際にクリアに獲物を見つけることができたとか。
儀式に参加するにあたり、起きていることをクリアに見て向き合う準備なのだと思います。

閉じた目の端にシャーマンがサナンガを1-2滴たらし、目を開けてサナンガを目に入れます。
これがとても刺激的で染みるのですが、目をパチパチさせたりぐるぐると動かしたりして目全体に行き渡らせると、しばらくしてジンジンヒリヒリするような刺激は収まってきます。

ハペ

サナンガの刺激が一段落したら、座位に戻ってハペの時間です。

ハペ (Rapé) は南米のタバコの葉とハーブを粉状にしたもので、テピというパイプを使ってシャーマンが参加者の鼻に片方ずつ吹き込みます。主な成分はNicotiana Rusticaというニコチンの一種。大きく息を吸って、止めたところに左右順番に吹き込まれるのですが、可能であれば左のあと呼吸をせずに右を受けます。鼻から粉を吸引する (と書くととても怪しげですが···) という体験が今までなかったのと、普通にタバコを吸った経験もなかったので、なかなか刺激的でした。吸引するとふわっとする感じや広がる感じがあり、少しの間ではありますが、そのふわふわする場所で内側に意識を向けやすくなります。このように瞑想的な状態に入ることで、よりカンボの体験が深まるわけです。

ちなみに、シャーマンの二人は儀式の間、クリペという自分用のパイプを使って何度かハペを吸引していました。クリペは自分で自分の鼻に吹き入れる形のパイプです。

カンボ

こうしてさらなる準備を経て、いよいよカンボです。

参加者が3人いたので、順番に受け、私は座っている位置的に最後でした。ひとりひとりがカンボを直接皮膚にのせている時間は、その人の状態によって判断されますが、大体一回30分くらいでしょうか。

初日の接種ポイントは「伝統的なポイント」で、男性は左の肩、女性は右脚の内側。体験のある二人は左の肩に5つと7つ、私は右脚に3つです。

まずカンボを受ける人はシャーマンが促すタイミングで水を飲み始めます。1リットルから2リットルくらい。インターネットで調べるともっと飲むこともらうようです。私の場合、それまで絶食していたので胃が縮んでいるのか、喉が乾いていてもガブガブ飲むのはちょっとしんどい感じでした。また初日に用意されていた水は冷たかったので、普段冷たいものをあまり飲まない私の身体には少し厳しいものがありました。

ある程度水を飲んだら、シャーマンがカンボを皮膚に乗せるためのポイントを作っていきます。細い木の枝の先に火を付けて熱したものを皮膚に素早く当て軽くやけどをさせ、直径3-5mm程度の小さな表面を剥がします。

まずはテストポイントとして一箇所にカンボをのせます。人によって喉が腫れて息がしづらくなったり、急激に熱くなってシャワーが必要だったりと劇的な反応が出ることもあるそうなので、安全を確認するためにもこうしてテストをすることが大切。ノリと勢いではなく、安全第一で段階を踏んでくれることでとても安心できました。

テストポイントで問題なさそうだったので残りのポイントにもカンボをのせていきます。露出した皮膚にカンボをのせると少し焼けるような痛みを感じます。カンボが体に染みていくにつれ、心拍が早くなり、目の当たりを中心に頭に熱を感じました。外の音よりも自分の脈拍の音が大きく聞こえてくるほど。

私は冷たい水を飲んだ直後から若干寒かったのですが、熱さと冷たさを両方感じるような状態で、身体が震えているのがよくわかりました。呼吸に意識を向けながら、身体に起きていることに注意を向ける。少し気持ち悪い気もするけれど、吐きたいというほどではない。身体はブルブルと震え続けます。

3人の中で私は順番が最後だったので、横の二人がゲエゲエ嘔吐する様子を見て、自分の番になったらどうなることかと思っていましたが、結果論で言うと、初日は嘔吐には至りませんでした。インターネットを見ているとカンボは嘔吐してなんぼ、という雰囲気がありますが、英語の「Purge/パージ」は吐き出すという意味もあれば、浄化する、清めるという意味もあります。嘔吐するだけが浄化作用をもたらすわけではないということです。

Purgeには嘔吐や排便、放屁、あくびやゲップ、震えも含まれます。嘔吐に至らなかったのでカンボの醍醐味を体験した感はありませんでしたが、何かが少しリリースされたような感じ。野生の動物がトラウマをリリースするひとつの方法に「震え」があることを思うと、納得できます。

2日目と3日目はカンボをのせるポイントを増やして挑みました。続きは後ほど。

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