ベトナム ロブスタG1
スペシャルティでもなんでもなく、そもそも品種ではなく種のレベルで異なる(普通のコーヒー=アラビカ=Coffea arabica; 染色体数44、ロブスタ=Coffea canephora; 染色体数22)。香りはそれほど華やかなものではなく、カフェインとクロロゲン酸が多くて苦みも強いため、値段も安い。
ただし、ベトナムで練乳で味付けしているように、深煎りにすれば濃いミルクで甘くしても全く負けずに個性を主張し続けるという他ではなかなか得られない特徴がある。アラビカ種ではコーヒーに少しのミルクという程度がちょうどいいが、ロブスタは1/4~1/2が牛乳というロイヤルミルクティ風のカフェオレにも堪える。カフェオレが美味しくなる冬は、この味を決して忘れることができない。
ストレートで飲むには濃すぎるものはむしろ牛乳で割るとちょうどいいというのは、インド風のチャイが工場で雑味源としてふるい分けられたダストティ(粉茶)を美味しく飲む方法として開発されたのに似ているかもしれない。
スーパーの安い焙煎豆の増量用にブレンドされていることが多いが、正直納得がいかない。むしろカフェオレに最も適した味を探すべく、シングルオリジンが探求されるべきだろうと思う――私が安く買えなくなるという問題を除けば。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?