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破滅的な性悪、眩しいほどに繊細

【その5】

私はアル中である
私はヤク中である
私はホモセクシュアルである
私は天才である

            トルーマン・カポーティ


今日は名文ではなく、作家の言葉です。

カポーティは「自分には一部に熱狂的な、取り憑かれたようになるファンがいる」と言ったそうです。

アンディ・ウォーホルという有名なアーティストがいますが、彼もまたカポーティに取り憑かれたひとりで、カポーティいわく、「ウォーホルは私と友達になる為に、毎日家の外で待った」んだそう。

追っかけというか、もはやストーカーです。

そんなウォーホルに親近感を感じた私は、当時ウォーホルの作品のポスターを部屋に貼っていました。
今日の写真は、ウォーホルがハーシーチョコ中毒だったことによるセレクトです。


さて、カポーティは性格に難があります。
廃版になっている『カポーティとの対話』はインタビュー本ですが、その内容の大半が悪口です。


「誰もが会いたいと望むが、一度会うともう二度と会いたいと思わない人間」
カポーティを評した有名な言葉です。


しかし彼の小説の圧倒的な透明度と、弱さとも取れる繊細さにふれると、その壊れそうな心を守る彼なりの武装だったのではないかと思わずにはいられません。
 




『カポーティとの対話』の中で、めずらしく一人のある日本人のことを好意的に言っています。

「私はそんなにたくさんの日本の作家を知っているわけではないが、彼は、私が会った共感を持って話し合うことができた数少ない作家のひとりだ」

「彼はすぐれた作家だったと思いますか?」
「あぁ、彼は非常にすぐれた作家だったと思う」

ローレンス・グローベル
『カポーティとの対話』
訳者 川本三郎
文藝春秋 1988年 209、210頁


さて、誰のことを言っているかわかりましたか?

答えは、三島由紀夫です。



次回は三島由紀夫の名文を。







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