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#12 ビル・ゲイツ氏が勧める瞑想法が復刊される!

ビル・ゲイツ氏が本書の原著を最近2度にわたり、取り上げて推薦したために、世界各国でベストセラーになり復刊された本があります。

『頭を「からっぽ」にするレッスン』 アンディ・プディコム著

アンディ・プディコム氏は、マインドフルネスの瞑想アプリ「ヘッドスペース」を創業した方です。

今回は、アンディ・プディコム氏と2012年秋にTEDカンファレンスでのスピーチ内容を紹介します。

『瞑想Cafe』では、瞑想に関すること、マインドフルネスやヴィパッサナー瞑想、「ブッダの教え」など、瞑想に関連するさまざまなことを、その日の気分で、気軽に、誰でも分かるようにお話していきます。

この記事では第12回の放送内容を要約して、お伝えしたいと思います。


1.ビル・ゲイツ氏が勧める瞑想法が復刊される!

2020年9月19日に、WEBニュースを見ていると、目に留まる記事がありました。

そのタイトルは、「ビル・ゲイツ氏が勧める瞑想法が復刊される!」という記事です。

もともとは、2011年にアンディ・プディコム氏が書いた

『からっぽ! 10分間瞑想が忙しいココロを楽にする』

として刊行されたものを再編集し、

『頭を「からっぽ」にするレッスン』

と改題して出版されるそうです。


でも、なぜ9年前の本が復刊?

そう思いますよね。

その理由は、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が本書の原著を最近2度にわたり、取り上げて推薦したために、世界各国でベストセラーになったからだそうです。

ビル・ゲイツ氏はこう評価して、2018年のベスト本に挙げています。

「25歳のころの私なら鼻で笑っていただろうが、今の私は妻のメリンダともども瞑想にすっかりはまっている。
大学時代に仏僧を志したプディコム自身のエピソードから始まる本書は、瞑想の仕方を、時に楽しく、愉快に解説してくれる。
マインドフルネスを試してみたい人には、パーフェクトな入門書だ」

さらに今年(2020年)には、お勧めの本として、こう書いています。

「瞑想にずっと懐疑的だった私だが、今ではできるだけ時間を見つけて、
許すかぎり週3回は、瞑想している。
私を、それまでの主義から替えさせたのは、この本と著者であるアンディが作ったアプリだ。
元仏僧のアンディは、つかみどころのない瞑想の概念についても、多くのわかりやすいたとえやイメージを使って説明してくれる。
日々、ストレスを解消し、心を集中させる、しばしの時間が、誰にとっても必要なこの時代に、はじめての1歩としてうってつけの1冊だ」


ビル・ゲイツ氏がこのように推薦し、世界的なベストセラーになったそうです。

私も2020年の記事は読んだ記憶があり、朝のルーティンとして記事になっていたと思います。

2.著者のアンディ・プディコム氏とは

アンディ・プディコム氏は、どのような肩書の方なのでしょう。

・イギリス保険医療委員会公認の臨床瞑想コンサルタント
・元仏僧
大学在学時に、僧を志し、アジアに旅立つ。
世界各地の寺院や僧院で修業を積んだのち、チベットの僧院で正式な仏僧となるが、2004年にイギリスに帰国。

その後、瞑想普及のための団体〈ヘッドスペース〉を立ち上げ、
2010年に、ヘッドスペース社をイギリス、ロンドンで設立
瞑想アプリ「ヘッドスペース」を提供する。
現在、200万人以上が使用しているマインドフルネスのアプリの最大手で、このヘッドスペースは、Googleでも使われている。


アンディ・プディコム氏は

「瞑想を誰にとっても身近なものにし、なるべく多くの人に瞑想にしたしんでもらいたい」

との理念を持ち、活動に励んでいるそうです。


3.TEDカンファレンスでのスピーチ

アンディ・プディコム氏は、2012年秋にTED(テド・カンファレンス)にて、スピーチしています。

テーマは、「必要なのは10分間の瞑想だけ」
ぜひ、この動画を見て欲しいと思います。

とてもすばらしいスピーチで、マインドフルネス、特にサティ・気づき、
そしてヴィパッサナー瞑想の神髄をわかりやすく、話をしてくれています。

少し長いのですが、後半の部分をなるべく要約しないで記載します。

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私たちは信じられないほど忙しい世界に生きています。
しばしば狂乱的で心は常に忙しい。
私たちは常に何かしています。

10分間、平静だったのはいつでしょう?

人生の一瞬一瞬は、心を通じて経験するんです。

しかし、今この瞬間というのは、過小評価され過ぎています。
自分にとって、最も重要なことを見失っています。

今という、この瞬間をほとんど意識していないんです。

ハーバード大学の発表によると、
私たちの心は、平均して47%の時間も、さまよっているんです。
47%ですよ。

私たちの寿命は、そんなに長くないのに、人生の半分を、さまよって過ごし、その結果、不幸な人生を終えます。

私たちには、瞑想という対処方法があります。
この方法は、明確かつ実用的であり、実現可能であると、科学的に証明されたテクニックです。

このテクニックの素晴らしいところは、1日あたり10分程の時間で、人生を変えられることです。

ただ、コツを覚える必要があります。

練習が必要で、意識する方法を学ぶためのフレームワーク、今という瞬間から最良を得るためのアプローチ方法を学ぶ必要があります。

瞑想は、思考を止めることだとか、感情を捨てたり、心を抑制することだとか、多くの人は思っているようですが、実際には全然違います。

瞑想とは、一歩下がって、思考をはっきり理解することであり、さまよう思考や感情を分別することなく、リラックスしたまま、集中した心で、観察することなんです。


例えば、私が今、ボールを3つ持って、ジャグリングをしているとします。ボールだけに集中し過ぎると、こうやって話すこともできません。
逆に、話すことだけに集中しすぎれば、ボールは落っこちてしまいます。

人生においても、瞑想においても、過度に集中することがあり、人生は窮屈になっていきます。

ストレスが強くなると、人生はとても苦しものになります。

一方、息抜きをし過ぎた場合でも、からだがふにゃけてしまいます。
瞑想中では、 ガッコンと・・いびきをかいて、眠りに落ちることもあります。

必要なのは、バランスの取れた、集中的なくつろぎであり、これを実現出来れば、日々のいざこざから、思考を開放できるんです。

私たちは、普段思考によって、気が散っています。
例えば、不安があるとします。
全てが順調な中で、不安なことを思い浮かべます。

「そういえば、あれを心配していたっけ」すると、その考えに執着し、「本当に心配でたまらない不安だらけだ」となります。

おかしな話ですが、このようなことは毎日のようによくあります。


自分の歯がグラグラしたときを考えてみてください。
グラグラした歯に気づいてから、その痛みに気づきませんでしたか?
気づいたら、30秒毎に何をしますか?
アウアウ・・・と歯の状態を意識しますね。
すると、痛み出します。

そして、痛い痛いと自身に語りかけるんです。
これを毎回やるんです。


心の観察方法を学ぶだけで、このような心の負のサイクルを取り除くことができます。


落ち着いて、心を観察すると、いろいろな心の状態が分かります。

常に、ゆとりのない心に気づくかもしれません。
何もせず、じっとしているのに、いきなり興奮を感じたりすかもしれません。
鈍くて、退屈な心に気づくかもしれません。

起きて、仕事に行き、食べて寝て、また起きて・・と
まるで、機械のようだと感じるかもしれません。

もしくは、1つの小さなことを考えすぎた結果、心はぐるぐると巡り回っているのかもしれません。

しかし、瞑想によって、一歩後ろに下がって、客観的な視点で心を見ることができたら、自分が感じている心を、違う視点で見ることができます。

私たちには、物事を1つ1つを変えることはできません。
しかし、得られる経験、心の捉え方は変えられます。

これが瞑想の可能性なんです。


別に、お香をたく必要はありませんし、床の上に座る必要もないです。

必要なことは、1日10分間、一歩身を引いて、今この瞬間を観察するだけです。


そうすれば、人生において、すばらしい集中力、平静さ、そして明晰(めいせき)さを感じ取ることができます。




『頭を「からっぽ」にするレッスン』 10分間瞑想でマインドフルに生きる
アンディ・プディコム著

この本の書評はこちらです。


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