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イレギュラーが教えてくれたこと

うだるような暑さが続いている。

幸い私はしょっちゅうスーツを着る仕事ではないので
比較的薄着で通勤することが多いのだが、
それでもどうしようもないぐらい暑い。

最寄り駅から会社まで片道15分強の道のりを
徒歩で行くだけで
朝から急流すべりに乗ったのかというぐらい
汗でビショビショになってしまう。

そんな暑い日々が続くと
どうしても涼しい部屋が恋しくなるものである。

昨日もそんな暑さの中帰宅して、
玄関のドアを開けた。

我が家は玄関を入ったらリビングにつながっているので
靴を脱いでリビングに入ると、
エアコンの冷気が気持ちいい・・はずであった。

ところが、昨日は家族が先に帰ってきているのに
どういうわけかいつものヒヤっと感がなく
部屋がモワっとしてた。

私がエアコンをいつつけたのか聞こうとすると、
妻の方からエアコンの調子が悪いから見て欲しいと
言われてしまった。

妻曰く、帰宅してエアコンを稼働させたところ、
なかなか涼しい風が出てこず、
しばらく様子を見ていると、見たことのない表示が
点滅してエアコンが停止していたらしい。

このエアコンは使い始めて7年になるが
これまで不調を起こしたことはない。

なので、これまで取扱説明書を見たことなど
購入したときぐらいであった。

早速取扱説明書を取り出して調べてみると
この表示は室外機の不具合を示しているらしい。

即ち、業者の方でないと対処できない案件と
いうことである。

早速購入店の修理サービスにアクセスして
修理依頼の申し込みをしたのだが、
我が家がこの事象に気付いたのはもはや
19時頃だったので、
今晩の時点ではいつ修理の方が来てくれるか
不明な状態である。

修理ができるまでは違う部屋で暑さをしのぐのも
一つの手であるが、
どうしたものだろうか。

私達大人がどうしようか頭を悩ませていると、
子供たちはしきりに「暑い」と連呼しながら
なぜか楽しそうにしていることに気が付いた。

いつもはなかなか入らない風呂も
なぜか自らすすんで入ったし、
いつもはなかなか片付かない部屋も
自ら片付け始めたのだ。

子供たちにどうしたのか聞いてみると、
寝室はエアコンが使えるので
早く寝室に行きたいのと、
冷えた部屋に入った時の気持ちよさを
味わうためにわざと自ら動いて
暑さを感じていたというのである。

風呂で思い切り温まってから冷たいビールを飲むような
そんな楽しみを子供たちはこのシチュエーションから
見出していたのだ。

自分たちが子供の頃からこんなに暑かったかは
今となっては記憶が曖昧であるが、
ここ数年の様に日々35℃を超えるような
ことはなかったような気がする。

そうしてメディアでは日々熱中症警戒の
報道がなされ、
学校や職場でも熱中症に気を付けるように
繰り返しアナウンスがなされるようになった。

そうして私達はいつの間にか
夏はエアコンを多用することが当たり前になった。

だが、今回こうしてエアコンが壊れてみて
頭を悩ませながらも、
心のどこかで子供たちと同じように
このイレギュラーなシチュエーションを
楽しんでいる自分がいることにも気が付いた。

先ほども書いたように
現時点では修理業者がいつ来てくれるのかは
わからない状態であるが、
それまでの時間は間違いなく私たちに
色んなことを気づかせてくれるであろう。

一見すると今回のような事象は
ネガティブなことに見えるが、
実は日常に潜む”当たり前”を外してみることは
とてもポジティブなことなのではないだろうか。

子供たちと共に思い切り温度ギャップを
味わうのもいいだろうし、
何ならこの暑さを夏休みの宿題のテーマに
活かしてみるのも面白いだろう。

思い切り体の中から涼を味わうような
メニューにしてみるのも楽しそうである。

あまりに長く続いては困るが
たまにはこんなイレギュラーも悪くない。

そんなことに気付かされた
夏の夕暮れであった。

ちなみに、修理の手配をしながら
ふと考えてみると、エアコンの修理業者さんは
絶対に涼しい部屋で作業することが
ありえない仕事である。

しかも、暑かったり寒かったりして
一番エアコンが酷使されるときにこそ
不具合は発生するものなので、
作業環境はさらに過酷である。

また、基本的に依頼主が在宅の間しか作業が
出来ない作業にもなるので、
作業時間も集中するだろう
そう思うと、とても大変な仕事である。

労働人口が減ってきてどの業界でも
人手が足りないと言われているが、
このようなハードな仕事は今後ますます
担い手が少なくなり、
エアコンが壊れても修理までに1か月以上かかるような
ことが起こるようになるのではないだろうか。

そう思うと、今からエアコンなしでも
涼しく過ごす方法を模索しておくことも
大事なのかもしれない。



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