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花粉症は〇〇のインジケーター

今年はどういうわけか花粉症の症状が
例年よりかなりマシになった。

昨年から免疫が落ちたと感じることが多いが
花粉症を免疫の過剰反応と考えると
免疫低下の影響と考えるのは
あながち的外れではないだろう。

例年なら1月の末ごろから薬を飲み始め
3月末まで飲み続けるのだが、
今年は全く薬を飲まずに今に至っている。

とはいえ、症状が0というわけではない。

外に出ると目がかゆくなるし、
くしゃみが1度出ると、それをきっかけに
くしゃみを連発することはある。

そして、鼻の調子は決して良くない。

私は何もなくても鼻炎を持っている
慢性鼻炎らしく、
子供の頃はプールの授業が始まる前に
必ず儀式のように耳鼻科に行って
プールに入ってもいいというお墨付きを
もらっていたほどである。

そんな慢性鼻炎の私でも
花粉症の時期はやはり辛いと感じることが多く、
今年は症状がマシといいながらも
時々辛いと感じることがあった。

花粉症をお持ちの方ならわかると思うが
鼻水が出ること自体はそれほど辛くはない。

もちろん常に出続ける状態は辛いだろうが
それよりも鼻が詰まって鼻呼吸ができなくなるのが
実に辛いのである。

私達は構造上鼻でなくても口で呼吸ができる。

しかし、口呼吸はどうしても効率が落ちるし、
人と会話をして口から言葉を発していると
その間呼吸が乱れることになるので
呼吸が苦しいと思うことも増える。

ではなぜ私たちの鼻は詰まってしまうのか。

それは鼻の奥にある鼻粘膜が腫れてしまうからである。

鼻が詰まるというといわゆる”鼻くそ”で
鼻の穴が詰まっている状態と勘違いされる方がいるが
決してそうではないのだ。

鼻粘膜が腫れて鼻の空気が通る道が
ふさがれてしまう状態が
いわゆる”鼻が詰まる”という状態である。

この鼻の粘膜はそもそも何のためにあるかというと
呼気に適度な水分を与える加湿機能と
吸気した際に入る異物を除去するためである。

それまでにも鼻毛などで大きな異物は除去されているが
細かな異物となると鼻粘膜で吸着して
除去しなくてはならない。

だが、ここに我らが憎き花粉が付着すると
鼻粘膜は異物を除去しようと過剰反応する。

その一つの反応は鼻水を大量に出して
異物を洗い流そうとすることである。

異物が付いたならば洗い流す
とてもシンプルな考えである。

だが、空気中に花粉がたくさん飛散していれば
流せど流せど呼吸をする限り
花粉が鼻粘膜に付着してしまう。

鼻粘膜では花粉という異物に対して
ウイルスや菌が入ってきたときのような
2段階目の防衛が始まる。

この状態になったとき、私たちの体は
いわゆる戦闘態勢に入るのだが、
これがいわゆる炎症という状態である。

炎症は体にとって戦闘態勢なので、
入ってきた異物に対しては鼻水で流すだけでなく
攻撃して排出しようとするのである。

花粉症の最初の頃は鼻水が透明でサラサラしていても
何日かすると鼻水がドロっとして
色がついてくることがあるのは
まさに鼻粘膜に炎症が生じて、
その炎症が副鼻腔(鼻の周りにある空洞)にも
広がってしまうからである。

そうして鼻粘膜に炎症が起きると
鼻粘膜に腫れが出てしまう。

蚊に刺されて皮膚がプクっと腫れるが、
あれもまさにアレルギーに伴う炎症反応の一つ。

それと同じような感じで鼻粘膜が腫れるので
鼻づまりが起こってしまうのだ。

ここまで長々と鼻づまりについて
書いてきたが、
私はこの記事でそのメカニズムを書きたかったわけではない。

鼻づまりが起こっている時は
あることにとても意識が向くようになることを
お伝えしたかったのだ。

それは一体何かというと自律神経である。

自律神経という言葉はもはや説明の必要が
ないだろうが、
体のOn Offを決めるスイッチのようなものと
考えるとわかりやすい。

行動する際にはOnのスイッチである交感神経
休む際にはOffのスイッチである副交感神経

そのスイッチが勝手に切り替わることで
私達は日常生活を送っている。

食事をしてしばらくすると眠くなるのは
誰しも一度は経験したことがあるだろうが、
食事をした後は消化吸収にエネルギーを
使わなくてはならないので、
体はOffのスイッチ、つまり副交感神経を入れる。

それゆえに体や頭は休もうとするので
眠くなってしまうのだ。

これとは逆に、夜寝る前の時間に
ブルーライトが強いデバイスに向き合っていると
本来休むのに向けて副交感神経にスイッチが
押されるはずなのに、
強いライトに刺激されてOnのスイッチである
交感神経に向いてしまう。

それゆえになかなか寝付けなくなってしまう。

このように私達は色々なところで
この自律神経のOn Offを繰り返しているが、
あまりその切り替わりを意識することはない。

だが、鼻づまりの状態になっていると
この切り替えを実感することができるのである。

それはなぜか。

鼻粘膜が腫れている時に交感神経が優位になると
体は行動するように切り替わるが、
この時に鼻が詰まっていると呼吸が乱れ
動けなくなってしまうので、
一時的ではあるが鼻づまりが解消するからである。

花粉症で辛いと言いながら
普通にスポーツをしている人を時々見るが、
これはまさにスポーツをしている時には
交感神経が優位なので鼻づまりも
他の症状も起きにくい状態になるのだ。

それゆえに花粉症で鼻づまりがあると
その状態を観察することで
自分の自律神経が今どちらが優位なのかを
知ることができるのである。

実際に自律神経の切り替わりを
意識してみると、
私達の体は驚くほどこまめにスイッチの
切り替えをしていることに気付く。

何気なく仕事をしている時でも
取り組む仕事の内容でその程度は変わるし
外気温や環境によっても大きく異なるのだ。

先日電車で帰宅しているときに
ふと私の横に人が座ってきたのだが、
それだけでも私は急に鼻づまりが
少し解消するのを感じた。

2人掛けの席に一人で座っている時には
リラックスしようと副交感神経が優位に
なっていたのに、
横に人が座ると急にリラックスできなくなり
交感神経優位に切り替わってしまったのであろう。

鼻づまりはとても辛い症状であるが、
こうして自分の自律神経のインジケーターとして
付き合ってみると案外面白いものであるし
たくさんの気づきが得られるものである。

もしこの記事を読んでいるあなたが
花粉症に悩んでいるならば、
逆に自律神経を可視化できるチャンスと捉え
それを記録してみてはいかがだろうか。

どういう時にスイッチが切り替わるかを
知ることで、
Offにして効果的に休む方法や
逆に自分を活動に向けて
スイッチをOnにする方法も見つかるであろう。

花粉のせいで毎年憂鬱な春も
捉え方次第では学びに切り替えることができるのだ。

ちなみに我が家の子供たちは
わずかに花粉症のような症状はあるものの
特に辛そうにはしていない。

自分がいつから花粉症の症状を感じるようになったか
よく覚えてはいないが、
今の息子の年齢の頃には既に
感じていたような気がする。

学びになるとこの記事で書いておきながら
子供たちができるだけ
花粉症にならないように願ってしまうのは
親のエゴというものなのだろう。

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