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フル充電じゃないと気持ち悪い病

私はi Phoneを使っている。

別にこだわりがあるわけではないが、
一度使い始めたら同じものを使い続けるほうが
楽だからという理由である。

先日夜にi Phoneを充電しようと
ケーブルを刺した。

画面に〇〇%充電済みという表示が出る。

そこにちょうど息子が通りがかり
その表示を見たらしい。

ふと私にこんなことを言った。

「なんでまだ70%もあるのに充電するん?」

そりゃ100%じゃないと気持ち悪いから。

そう答えようとしてふと急ブレーキをかける私。

100%じゃないと気持ち悪いことは
理由にならないし、
恐らく言ったところで息子は理解してくれないだろう。

というかそもそも自分でもなぜ100%じゃないと
気持ち悪いのかがわかっていない。

なので、息子には
「パパは自分でもなんでかわからんけど
充電したくなるんや」
と答えた。

私は昔から何か充電を伴うものは
使う前は100%充電していないと
嫌なタイプだった。

ウォークマンもフル充電していたし、
ワイヤレスイヤホンもフル充電。

これは電気に限った話ではない。

すこし遠出をするときには
ガソリンは一度満タンにしておかないと
何だか気持ちが悪いのだ。

我が家の車はフル給油で500~600km の
距離を走ることができるので、
別に片道100㎞ぐらいの距離ならば
充電が半分もあれば十分なはずである。

それは私も百も承知なのだが、
なぜか出かける前には給油しておかないと
気持ちが悪いのである。

自分でもこの行動は何だか変だと思うが、
今までなぜ私はこんな行動をするのか
考えたことがなかった。

一体なぜ私はこんな風にしてしまうのか。

そう考えた時に、一つの答えが
頭に浮かんできた。

途中で充電が切れるのがたまらなく嫌なのだ。

学生時代の頃であるが、
当時私は電車で1時間半ぐらいの場所に住む
彼女がいた。

私は京都、彼女は奈良なので
会うのはいつも大阪。

ある日、私はカバンにウォークマンを入れて
大阪の難波に向かった。

京都からは総時間で1時間ほどの距離。

耳にイヤホンをさして颯爽と
駅に向かって歩き始めると、
最寄り駅に到着する前に突然
音楽の再生が止まってしまった。

なぜかと思って見ると、充電が切れていたのである。

今から電車に乗り約1時間の時間を
音楽と共に過ごそうと思っていた私は
急に音楽のない時間を過ごすハメになった。

今こうして見てみれば大したことではない気がするが、
当時の私は何だかとても損をしたような気がして
嫌な気分になったのだ。

恐らく、それ以降も似たようなエピソードを
経験して私は充電が無くなることを
極端に嫌がるようになったのだと思う。

そんな私であるが、妻は私と全く正反対。

携帯の充電が20%以下でも充電を気にせず
平気で出かけるし、
平日に妻が乗った後の車に乗り込むと、
ガソリンの残量がほぼ0になっていて
慌てることもあるが、
当の妻は全く気にしていないのだ。

妻はどちらかというと心配性で
その程度は私よりも強いと思っているのだが、
どうやら充電やガソリンが無くなることに対しては
あまり恐れの感情がないらしい。

子供たちは妻の携帯をしばしば見ているので
私が70%の電池残量で充電することに対して
息子は違和感を持ったのであろう。

こまめに充電することは電池にとって
あまり良くないことは理解しているし、
モバイルバッテリーを持ち歩けば
少々充電が少なくても充電切れという憂き目に
合わないことはわかっている。

だが、どうにもこの癖はやめることができないのだ。

今朝もデジタル端末を置く台に
私と妻のデバイスたちが並ぶが、
見事に私のデバイスたちには充電ケーブルが刺され、
妻のデバイスたちは何も刺されていない。

何だか自分でも滑稽だと思うが、
こんな自分で楽しんでいこうと思う。

ちなみに携帯やガソリンの表示は
100%に近い数字から下がるまでの期間が
妙に長く、
逆に低い数字になると瞬く間に減る気がしてならない。

正直言うと、この目盛りの不均一さがあるので
根本的に充電の表示値を
信用していないのかもしれない。

これは私の気のせいなのだろうか。


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