残ったお菓子から見えた子供たちの心理
先日妻が買ってきたこのお菓子。
発売されるお菓子がどれも美味しいことで
定評のあるブルボンのアソートである。
私は朝活をしながら少しだけ甘いものを
口にするのが好きなので、
これでしばらくはブルボンと共に朝活ができると
心の中でガッツポーズをしていた。
だが、一つの懸念があった。
それは子供たちに瞬く間に食べられてしまうことである。
我が家ではお菓子はいつも買い置きされており、
子供たちはそれを私たちの許可を取って食べるという
スタイルになっている。
なので、私達さえ許可しなければ
そんなに勝手に減ることはないはずなのだが、
夏休み期間中に学童に行かず家にいる息子が
時々お菓子を食べているのは私達も黙認しているし、
娘も食後に妻と一緒にお菓子をつまんでいるのを
しばしば見かける。
これらを考えるとこのアソートが無くなるのも
あっという間なのかもしれない。
そんなことを思っていると、妻は早速お菓子の袋を開け、
最初のアルフォートを食べながら
「やっぱりアルフォートは安定のおいしさやね」と口にした。
そうして時折私もお菓子を取りながら
消費の動向を見ていたのだが、
ふと見た時にあることに気付き私は驚いた。
6種類のアソートのうち、4種類は既に無くなり
見事に2種類だけが残っていたのである。
残っていたのは
ミニバームロールとしっとりソフトクッキー。
実はこの2種類は最初から
残るのではないかと思っていた。
これら以外は基本的にサクサクとした食感のもので
この2種類だけがしっとりした触感だったからである。
どういうわけか子供たちも妻もサクサクした
食感の方を好む。
私はどちらも好きだと自分では思っているのだが、
今回のアソートの中で言うならば
ルマンド→アルフォート→チョコ&コーヒーの順になり
これら2種類が下位2位にランクインしてしまう。
過去に別のアソートを購入したときにも
似たような事象が発生したことがあり、
その時には残ったお菓子たちは
ずっと食べられないまま放置されていたので
私が小まめに食べきった記憶がある。
もしかして今回もそうなってしまうかもしれないと思い、
私は子供たちにこう尋ねた。
「この2種類だけが残ってるけど、この2種類は嫌いなの?」
すると子供たちからこんな回答が返ってきた。
「別に嫌いじゃないよ。美味しいと思うし」
よかった。
この回答ならば選択肢が無くなった時点で
彼らも否応なくこれらのお菓子を
選ぶことであろう。
そう安心したのだが、
そこから数日が経過してもこれらの2種類は
全く減る気配を見せないのだ。
私にしてみれば朝活の際に食べるお菓子が
コンスタントに残っている状態なので
とてもありがたいわけであるが、
これはとても不思議な現象だと思った。
なぜなら、彼らはこれらのお菓子が
嫌いなわけではないにも関わらず
それらを食べようとしないからである。
何か食べたいなと思った際に
お菓子を見つけたとしよう。
そんなとき好きなお菓子があれば
ベストであろうが、
そこに自分の中で70点ぐらいのお菓子があれば
あなたはどうするだろうか。
この答えは人によって異なると思う。
なぜなら、お菓子を食べることに対する
心理的な抵抗は人によって異なるからである。
あなたがダイエットをしていて
1日1個しかお菓子を食べてはダメと
自分に課していた場合、
その1個は必然的に自分が大好きなものに
なるだろう。
その一方、お菓子を食べることに
全くの抵抗がなく、
どんな時間でもお菓子をつまんでしまう人なら
この時に70点ぐらいのお菓子でも
食べてしまうはずである。
つまり、今回この2種類が残り続けたということは
子供たちや妻にとってこれらのお菓子は
彼女らが持つ心理的な抵抗に負ける魅力度だったという
ことを示すのだ。
妻の場合は年中ダイエットをしていると言っているので
(そう言いながらお菓子を食べてはいるが)
恐らくお菓子を食べることに対する心理的な抵抗は
余計なカロリーを好きではないお菓子で摂取したくないという
ものであろう。
では、子供たちが持つ抵抗とは一体何なのだろうか。
前述したように、家のお菓子のルールは私か妻の
了解を取った上で食べることになっているので、
彼らにしてみればそのことが抵抗になっているのは
間違いなくあるだろう。
そんなに好きでもないお菓子のために
わざわざ私たちの許可を取らなくてはならないのが
面倒だと思う気持ちはわからなくもない。
だが、息子などは日中家にいて
お菓子を食べるチャンスなどいつでもあるはずなのに
これらを食べようとしない。
これは一体なぜなのか。
それは彼にとって家のお菓子を勝手に食べることは
バレた時に怒られるかもしれないという
心理がいつもあることの表れであろう。
以前私が買ったグミが無くなっていたことがある。
家族で出かける際に、車の中で皆で食べようと思い
買っていたグミだったので
勝手に食べていた息子に「勝手に食べるなよ」と
軽く叱ったことがある。
彼も軽く笑顔を作りながら「ごめん。パパ」と言っていたので
それほど重く響いたわけではなかったようだが、
彼にしてみれば勝手にお菓子を食べることは
叱られるというリスクと常に向き合わなくては
ならない事柄なのだ。
今回はアソートのお菓子で残った2種類から
何となく子供たちのお菓子に対する捉え方が
見えた気がするエピソードであった。
親として子供たちをいつも見ているつもりだが、
やはり直接見ているだけではわからないことは
沢山あるものである。
だが、案外彼らの心の声というのは
日常の何気ない行動の中に表れているのかもしれないと
ふと思った夏の日であった。
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