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鳥のフンはなぜ白いのか?

昨日は年度末最終日なので
保育園が休園であった。

来週から学童に通う娘だが、
さすがに学童も3月から対応はしてくれないので
昨日は私が有給休暇を取って
娘と春休み中の息子とですごした。

とはいえ、来週からの学童の準備や
次週の弁当のおかずづくりなど
色々準備をしなくてはならないので
結構バタバタな一日であった。

昼を過ぎた頃、息子を塾に送り
娘と次週から使う上履きを買いに
車で10分ほどの靴屋に向かうことにした。

昨日は天気も良く、日中は車の中が
暑いと感じるほどの気候で
驚くほど気持ちのいい日であった。

道端に菜の花が咲く田舎道を走っていると
窓ガラスに飛翔してきたカメムシが飛び乗ってきた。

越冬していた個体がこの気温で
活動を開始したのであろう。

3月5日が啓蟄ではあったが、
3月に入ってから寒さや雨が続いていたので
実質彼らにとっての2024年デビューは
昨日だったのかもしれない。

そんなことを思っていると
突然窓ガラスの端に小さな何かが落ちてきた。

何かと思い、見てみると
スズメクラスの小さな鳥のフンであった。

我が家にツバメの巣ができた時には
家の前に停めた車によくフンをされたものだが
走行中というのはとても珍しい。

運(ウン)がついてるなどと思っていると、
それを見た娘がふと疑問を発した。

「パパ、なんで鳥のフンは白いの?」

確かに鳥以外で白いフンをする生き物は
思いつかないだろう。

人間のオシッコは黄色、ウンチは茶色と
色がついているのに、
鳥のフンはなぜか白い。

そこに疑問を持った娘の感覚に
私は何だか嬉しい気持ちになった。

それと同時になぜ鳥のフンが白いのかを
娘にどうすればうまく伝えることが
できるかを考えはじめた。

鳥のフンが白いのは代謝のプロセスでできる
アンモニアや尿素を尿酸にして
排出しているからである。

尿酸の結晶が白いので、鳥のフンは
白くなっているのだ。

そういう意味では白い部分は厳密に鳥のフンではない。

白い部分は鳥の尿なのである。

鳥がオシッコをするところを見たことがないのは
鳥がフンと一緒に排出をするからなのだ。

だが、なぜ鳥はそんな仕組みを取ることに
したのだろうか。

それは、飛翔するという特性を得るために
体を軽量化する必要があるとともに、
卵から生まれてくるからである。

オシッコはまさに体から代謝された
尿素やアンモニアを排出するためのものであるが
水に溶ける物質として排出することは
非常に合理的である反面
どうしてもその機構上、体が重くなってしまうのだ。

そうなっては仮に飛翔できたとしても
敏捷性に劣ってしまうので
簡単に捕食されてしまう。

また、鳥は哺乳類と違って卵から生まれてくる。

哺乳類の場合、胎児は胎盤を通じて
親から栄養をもらって成長し、
そして子供が出した排泄物は
親が受け取って排出することで
有害物質を体外に排出することができる。

だが、卵の場合は生まれてくるまでの期間、
殻の中から排出することは一切できない。

ではその期間どうやって排泄物を
無毒な状態で殻の中に置いておくかというと
尿酸の結晶という形となる。

その名残もあって飛翔せず
ずんぐりした体を持つペンギンも
他の鳥と同じように
オシッコではなくフンと一緒に
排出する仕組みを採用しているのだ。

少し説明が長くなったが、
この内容を6歳の娘に理解してもらえるように
伝えなくてはならない。

はて、どうしたものかと思いながら
白い部分が実はオシッコであること、
そして、それは体を軽くするための
仕組みであることをかいつまんで説明すると
娘は何だか納得してくれたようであった。

ここから「なんでオシッコを出さなきゃダメなの?」
のようなアミノ酸代謝に触れるような
質問が出たらどう説明したらいいのかわからいので
内心ハラハラしていたのだが、
幸い娘の質問は終わった。

良かったと安心しながら車を走らせ
目的の靴屋に到着したとき、
娘がふいにこんなことを言った。

「じゃあ何で人間のオシッコは黄色いの?」

娘は納得した感じを出しながら
実は心の中で疑問を練っていたらしい。

だが、これこそ説明が難しいトピックである。

どう考えても車を運転しながら言葉だけで、
娘に伝えられる気がしない。

もちろん多くを省略して概略だけ説明することは
出来なくないのだが、
それでは先ほど説明した鳥のフンが白い理由と
混同して、
あたかも尿素やアンモニアが黄色い物質かのような
誤解につながる可能性がある。

色々と考えた挙句、
「帰ったら絵に描いて教えてあげるわ」と言い、
その場を何とか収めることに成功した。

オシッコの話をしているのに腸から吸収される
ウノビリノーゲンの話などしても
娘からすればチンプンカンプンであろうが、
せっかく疑問を持ってくれた娘に
全力でこたえることは理系脳を持った
私に課せられたミッションであろう。

幸い、昨日は靴屋に行ったあと、
公園で遊んだり、職場まで妻を迎えにいったりして
その後久々に家族で外食をすることになったので
質問に答えることがないまま今日を迎えた。

娘を退屈させずにこの理屈を説明して
納得させるという重大ミッションに
立ち向かってみようと思う。

書き終わってから気が付いた。

またしても早朝から排泄物の話を
書いてしまったことに。

先日私たちの体がもつ肛門という
器官のすごさについて記事にして
「朝から書く話題じゃないよな」と
思っていたにもかかわらず
同じ轍を踏んでしまった。

もしかすると私はこの手のネタで
記事を書くのが好きなのかもしれない。

他の大人に比べて物事に対して好奇心が強いほうだと
自負しているが、
もしかすると気になる話題の対象も
子供と同じようにウンチ、オシッコなのだろうか。

おそらくnoteで再び同じ轍を
踏むことになるであろうが、
その時も最後までお付き合いいただけると嬉しい。


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