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エガオノチカラ

今週タイのグループ会社から
現地のスタッフが来日している。

目的は色々あるが、今回来日したメンバーは
現地の工場長と商品開発をしている人なので
メインは商品開発関連。

来日して最初の出勤日となった昨日、
彼らを社内に案内した。

工場長は昨年も来日していたので
それほど久々ではないが、
開発担当者は8年ぶりの来日なので
少し社内を案内するだけでも
色んな疑問が出てきて
小さな社内を案内するのに
1時間半ほどかかってしまった。

元々ディスカッションに時間を取ることを
想定していていたので
時間的には問題ない。

だが、私はこの対応をしながら
自分の中に妙な高揚感のような気分が
湧き上がっているのを感じていた。

海外の方に限らず、新入社員の方が
入社された際には同じように社内を
案内したことはあるし、
何ならお客さんが見学に来られた際にも
オフィスの中などは見せないものの
工場やショールームにお連れして
ご説明することはしばしばある。

しかし、そのような機会では
同じような高揚感を認識したことはなかった。

最初私はこの感情は同じ商品開発担当者として
難しさに共感してくれているからだと
思っていた。

だが、案内が後半に差し掛かった時に
その理由がなんとなく分かった。

それは担当者の笑顔である。

今回来日したタイの開発担当者は
とても笑顔が多く、
色々な質問をする際にも驚くほど自然な
笑顔をこちらに投げかけてくるのだ。

「たかが笑顔で何が変わる?」と
思われる方もいるかもしれないが、
応対する相手の表情は驚くほど私たちに
影響を与える。

昨日の記事でもご紹介した今読んでいる
下記の本の中でも
香川県の支社に赴任した筆者が山登りをした際に
すれ違うお遍路の方の笑顔に心を動かされた話が
書かれていた。

いかにも作られた笑顔に対しては
嘘くさく感じてしまうこともあるが、
自然な笑顔というのは私達に大きな影響を
与えるものなのである。

私が説明をする内容に対しても
彼らはとても興味深そうに聞き、
そして質問を投げかけてくるときも
都度笑顔をこちらに向けてくる。

それにより、私は自分も説明している内容に
とても興味があるような気持ちになり、
高揚感が生まれたのであろう。

そして、この高揚感を持ちながら
彼らと応対していると、
「彼らにもっと色んなことを知ってもらいたい」
「こんなことが彼らにも役に立つのではないか」
などのアイデアも沢山浮かんできた。

ビジネスの根幹は相手の困りごとに
ソリューションを提供することなので、
日常の会議においても色んなニーズに対して
どのようなソリューションを提供できるかを
考えることはしばしばある。

その時にはたいてい皆難しそうな顔を
している。

そのせいか、出てくるアイデアも何だか
堅いものばかりで、
会議に参加していても楽しいという感覚が
あまりなかった。

だが、今回タイの人たちと社内を周り
色んなことを話す中で
お互いの課題点に対して色んなソリューションを
提案し合うことができた。

これはやはり笑顔の力なのではないか。

タイは微笑みの国と言われている。

年末年始に家族でタイに行ったときも
色んな所で出会うタイの方たちは
驚くほど笑顔が自然で、
今思い返してみると滞在中も
不思議な高揚感があった気がする。

これは私達にも決してできないことではない。

むやみやたらとニコニコすることは
緊張感がないように思われて
我が国日本ではなぜか嫌われがちだが、
相手や物事に興味があるならば
笑顔を向けることは決して悪いことではない。

むしろ、その笑顔は物事を前向きな方向に
向けてくれる大きな力を持つのである。

仕事中も難しい顔をしていれば
仕事をした気になれるのかもしれないが、
それが逆に私たちの生産性を
落としているのかもしれない。

相手や物事に興味をもち、その興味を
笑顔という形で表現することは
何も難しいことではない。

子供なら誰もがごく自然にしていること。

久々に会ったタイの人たちから
そんな大事なことを教えてもらった。

ちなみに、このように物事に興味をもって
過ごしているからかはわからないが
今回来日した2人は私よりも年上なのに
とても若く見える。

下手をすれば2人とも30代前半と言っても
違和感がないほど若々しいのだ。

私もしばしば若く見えると海外の人から
言われることが多く、
そう言われるたびに少し複雑な気持ちを
感じていたが、
彼らと同じように何かに興味を持って
過ごしている証拠と思うと何だか嬉しい。

もしかすると物事に興味が持てなくなると
人は老けてしまうのかもしれない。

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