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その人はどういう人なのか?(物語を鑑賞しながら。)

物語を鑑賞するときにおいて、
このシーンってどういうことなんだろう?
って思うことがある。たとえば、昨年公開されました
映画『君たちはどう生きるか』では、
謎にも思えるようなシーンがたくさんあって、
ぼくとしてはなんだか、寝ているときの
夢を見ているような感覚で映画を観ていたんだった。

夢ってさ、辻褄の合わないまま
どんどん先の場面へ進んでゆき、朝起きたときに
もしもその夢の内容を憶えていたならば、
あの場面ってどういうことだったんだろう?!
って思いながら、じぶんなりに考えてみることもできる。

もしくはね、そういうような
「謎」的なわからなさだけでなくって、
その場面についての説明が無い/少ない、もしくは
説明が省かれている、みたいなこともある。

昨日のブログで申しました、先日映画館で鑑賞しました
『PERFECT DAYS』もね、そういうような
場面場面の説明があまり無いような映画でしたので、
ここはたぶんこういうことなんだろうかなあ? って、
じぶんなりに補完しながら鑑賞する映画だとぞんじますが。
映画、もしくは、ドラマや漫画や小説でも
最初の場面で登場人物が登場するときには、
その人物がどういう人なのかわからないまま、
場面が進んでゆくごとで少しずつわかってくる。
なぜ、わかってくるのか? と思えば、
説明がなされるから。つまり、
登場人物本人がセリフとして話すから、
登場人物の周りの人がセリフとして話すから、
そして、ナレーション及び字幕として
説明が入るから、というふうだとは思うのですが。

映画『PERFECT DAYS』の主人公である
役所広司さん演じられる「平山さん」は、
とても寡黙な男性なので、ご本人の口から
ご本人のことについて説明もなされないし、
そしてさらに、そもそも
平山さんは寡黙なので、
平山さんの周りの人たちでさえ、
平山さんがどのような人なのか、
平山さんの口から聞かないからよく知らなくて、
平山さんについてを話せない。

平山さんがどういう人なのか? というのは
映画の中の場面として垣間見ることができる
平山さんの日々の過ごされ方、もしくは
平山さんのお仕事ぶりを拝見することによって、
想像をするしかない。

唯一、わかることで言えば、
これよりすこし映画の内容のねたばれなのですが、、






麻生祐未さん演じられる平山さんの「妹さん」が
とある出来事より平山さんへ会いに来られるとき、
妹さんより平山さんの過去について少しだけお話しされる。
このほかのことについては、
映画の観客であるぼくらも、なおかつ
平山さん以外の映画の登場人物たちも、
平山さんがどういう人なのか?
というのは、誰にもわからない。

でも、もしかすると
現実における人々もみな、
その人がどういう人なのか? ってゆうのは、
本人自身が話すのか、もしくは
本人の周りの人が話すのか、それとも
本人の姿や仕草や所作より見えてくるのか、
のいずれかしか無いのだろう。つまり、現実では
ナレーションとか字幕とか、
ドラマでよくあるような「心の声」も無いから。

そういうふうに考えてみるとすれば、
『PERFECT DAYS』とは、現実のような、つまり
ノンフィクションに近いかのような、でもやっぱり、
フィクションの映画だった、
って言えるのかもしれないな。

映画を観終えてから、映画の公式サイトを見てみると
登場人物の背景について記されていたり、また、
役所広司さん、田中泯さん、及び
ヴィム・ヴェンダース監督のインタビュー動画もあって、
ぼくはまだそれらの動画は拝見していないですが、
これから少しずつ観たいです。

なんだかうまく言えないけれども、
映画『PERFECT DAYS』を観ながら、
人間とは何か? みたいなことをね、
ぼんやり考えているんだけどね〜。

令和6年1月11日

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