その【街】に【行】かなくてはならない。
前回noteでは、村上春樹さんの新作長編
『街とその不確かな壁』について、
その題名の英訳が
“The City and Its Uncertain Walls”
とされていて、ならば、どうして
「壁」は「Walls」という複数形になっていて、また、
「街」は「The Town」ではなくって
「The City」になっているんだろう?
というようなことをしるしたのですが。
そうして考えてみるとね、また、
『街とその不確かな壁』という題名における
「街」とは、どうして
【町】ではなくって、
【街】の漢字が使われているんだろう?
ということも考えられるかなあー。
よみかたはおんなじ「まち」なのだとしても、
【町】と【街】とのちがいというのは、
なんだか、わかるようでいて
よくわからないところもあって。
なんと申しますか、たとえば、
【街】のほうがね、その
「まち」の規模が大きいイメージもあって、
どちらかと言えば、つまり
【街】のほうが「都市」的な感じなのかな。
と、ここで、漢字のことが
気になってきたともすれば、いつものごとく、
白川静先生の『常用字解[第二版]』をね、
ひもといてみたい。。。
白川先生おっしゃるのは、
【街】とは、通路が整然と
区画された「まち」、そして、
【町】とは、田んぼの畦道のように
区画された「まち」とされている。
つまりは、「まち」というのは
道路の区画によって造られている、
ということなのでしょうか。
そして、
【町】の漢字は、
「田」と「丁」によって
成り立っていることはね、ぼくも
うすうす思ってはいたんだけれども、一方、
【街】の漢字は、「行」の中に
「土」がふたつ重なる
「圭」が入っている、ってゆうのは
これまで考えてもみなかったな。
【行】とは
「十字路」の形であり、はたまた、
【圭】とは
「土板」の上に「占いの結果」を記した、
の形である、とのような字が組み合わされた
【街】という漢字とは、これもまた、なんだか
「不確か」のような感じもあるやもしれないな。
その【街】に【行】かなくてはならない。
なにがあろうと、、、
令和5年4月22日
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