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善と悪と真相と役者が揃うこと。

前回noteでは、このたび、宮﨑駿監督の
ブルーレイ作品集を購入いたしまして、まずは
『崖の上のポニョ』を観て、一週間後のその次には
『ルパン三世 カリオストロの城』を観たことを申しました。

ぼくはこれまで、レンタルビデオやテレビ放映で数度
『カリオストロの城』を観ているとは思うけれど、
あらためて観てやっぱりおもしろかったなあ。
とくにはさ、たとえば、善と悪が
分かれていなくって入り乱れている感じが、
すごいなあと感じたのですが。
でも、ぼくとしてはね、モンキー・パンチさんの
原作作品『ルパン三世』を、きちんと
鑑賞しているわけじゃあないので、内容及び
キャラクターについて理解しているわけじゃあないけど。
つまり、たとえば
「ルパン」って泥棒なのだから、
悪ではあるとは存じますが、
完全な悪として描かれているわけでもない。
かと言いつつ、逆に、
100パーセント完全な善としても描かれていない。
そして、『カリオストロの城』では、
国際警察(インターポール)の「銭形警部」と
「ルパン」がバディとなって組む場面があって。
日本の警察の銭形は、泥棒のルパンを
捕まえたい、というような
ライバル関係でありながら、でも、二人が手を組みながら
あるミッションを成し遂げるというのは、つまり、
「警察」という正義と
「泥棒」という悪とで力を合わせる、となってくれば、
これは、もう、いよいよ
善とか悪とかよくわからなくなってくるもん。

銭形が、カリオストロ家の偽札の証拠を入手して
国際警察に提出した際には、国際警察側が
「高度に政治的な問題」だとして、
銭形の要請する出動命令を却下する。
この却下の理由のひとつとしての
【真相が暴かれると困る国も多いんじゃあないのかね?】
というのはさ、つまり、悪事よりも
じぶん自身たちの利権のほうが大事、ってゆうような
今の社会でも言われていそうなセリフでもあり、
背筋がさむくなるようにも感じました。

映画『カリオストロの城』では、最初には
「ルパン」と「次元」の二人が出ていて、のちに
「不二子」が登場し、そして
「五右ェ門」も登場したと同時に
「銭形の父っつぁん」も現場へと到着する。
このときに、ルパンが
【これで、役者が揃ったってわけだ。】
とつぶやいたシーンは、なんだか、わくわくしたなあ〜。

つまり、役者は、揃わなければ
映画における大事な本編も始まらないんだから。

『崖の上のポニョ』の次に
『カリオストロの城』を観た流れとしてはさ、
『カリオストロの城』の最後の場面では
「水」が大きく関係していて、『ポニョ』の後半の場面と
リンクしているかのようにも思えてきて、
それがどこかうれしくも感じられました。

前回でも申しあげましたが、一緒に観た母は
最近地元ケーブルテレビ局で放映されている
『フランダースの犬』及び『あらいぐまラスカル』を
このごろ大好きで観ていて、そして、
『カリオストロの城』で登場する老人は
『フランダースの犬』の「おじいさん」と風貌がそっくりで、
そのことがなんだかうれしそうだったなあ。

令和6年7月16日


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