包丁研ぎ器を初めて使った

モンスターハンターというゲームをご存知でしょうか。僕はこのゲームが昔かなり好きで、寝食を忘れて励むくらいには熱中しておりました。そして、このゲームの中には、砥石というアイテムが登場します。

砥石...戦闘中に落ちてきた武器の斬れ味を回復させるためのアイテム

このアイテムがどんなことを教えてくれるかというと、どんなに優秀な道具でも、手入れしなければその効果を十全に発揮してくれないということなんです。

僕は結構一人暮らし歴が長いのですが、一人暮らしを開始した際に購入した包丁を、今の今まで何も手入れすることなく使い続けていました。

昨今の自炊ブームに乗っかってモリモリ食材を掻っ捌いていたのですが、最近どうにもこうにも包丁の切れ味が悪い。

弘法筆を選ばずなんて言いますが、きっと弘法大師も自炊をする時には良い包丁を使っていたことでしょう。例によって僕も新しい包丁の購入を検討し始めた時でした。

「包丁研ぎ器を使ってみたら？」

そんな一言を知人から言われました。雷が落ちた思いです。まさしく青天の霹靂。なんだかエクレアが食べたくなってきました。

そうして僕は生まれて初めて包丁研ぎ器を使うことになったのです。

貝印 KAI シャープナー(包丁研ぎ器)ダイヤモンド & セラミック 日本製 AP0308

使った商品がこれ。

いざ尋常に包丁をこれにセットしてみます。そして、何度か包丁を滑らせます。気分はモンハンのハンターです。今攻撃を食らうと砥石の効果がキャンセルされてうざそうだな。そんなことも考えます。

そうして研ぎ終えた包丁を眺めてみます。うーん、一見何も変化がないように見えます。しかし、百聞は一見に如かずと昔の人は言いました。手元にある野菜を切ってみよう。そんなことを考えながら包丁を勢いよく野菜に叩きつけます。なんということでしょう、ものすごい切れ味です。面白いように切れます。今まで野菜の切れ味が悪かったのは僕が虚弱だった訳ではなかったのです。なんということはなく、ただ包丁の切れ味が落ちていただけだったのです。

調子に乗った僕はリズミカルに包丁を動かします。

今の僕ならなんでも切れる。縁もゆかりも切ってしまえる。切れる若者だ。

えも言われぬ全能感が僕の身体を包みます。そうか、砥石を使ったハンターはこんな気分だったのか。そりゃあんなモンスターにも臆せず立ち向かえる訳だ。

包丁研ぎ器の存在によって、かつて一切自己投影できなかったハンターの気持ちを理解することができました。

モンハンのプレイヤーは包丁研ぎ器を使った方が良いです。オススメです。

どうでもいいけど、砥石のことを磁石（じしゃく）と読み間違える方が結構多い現実にビビる。