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未成熟なマネジャーはその上司の背中を見てマネジメント手法を真似る


#DIAMONDハーバードビジネスレビュー

先に「リモートワークの要諦」でコロナ禍に無理にリモートワーク環境に追い込まれている上司と部下へのアドバイスをまとめました。こちらは10月5日に「コーン・フェリー×HR Leaders NEXT コラボレーション企画 “新しい働き方とジョブベースの人材マネジメント”での私の講演でもお話しますのでそちらも是非ご参加ください。

さてこのHBRの記事でもマネジャーが無理強いされたリモートワーク環境で部下のマネジメントに苦労する様子が描かれています。

突然降って湧いたコロナ禍で、これまでに経験したことの無いマネジメントを求められたマネジャーは、とっさに自分の上司のマネジメントスタイルを真似てしまうのです。特に上司がマイクロマネジメント一辺倒の人ならそれと同じことを部下にしようとしてしまいます

これらの結果は、社会的学習のプロセスを示唆している。つまり、マネジャーは自分の上司を観察することで、部下をどう監督し、どう扱うのかを学ぶのだ。自分の上司から不信感を持たれて細かく監視されたマネジャーは、その行為をマネジャーのあるべき姿と結びつけ、自分がリーダーとして行動する際に再現するのだろう。言い換えれば、綿密な監視と過剰管理は組織から自分に期待されている行為である、と考え始めるのではないだろうか。

もちろん成熟したマネジャーであれば、単に上司を真似ることはしないでしょうが、全体でそういった成熟度を持ったマネジャーがどれだけいるでしょうか。

この記事ではまた監視の度合いは技能系のマネジャーほど強くなる傾向にあると指摘しています。

監視の度合いが強いと答えた従業員は、技能が物を言う職(例:営業や体を使う仕事)に従事している傾向が高い。これは、非管理職・非プロフェッショナル職のマネジャーのほうがリモートワーカーへのネガティブな態度と部下への不信感が強いという、筆者らの調査結果と整合している。

専門性が低くゼネラリストを育ててきた現場主義の日本では、この技能系のマネジャーの割合が欧米組織よりも多いことから監視度合いが高くなる結果になりがちでしょう。

私自身の経験でも、プロフェッショナル度が高く自己完結型の仕事ができるマネジャーは部下のマネジメントにおいても監視の度合いが少ないと思います。

そしてこの記事ではリモートワークに関するマネジャーのスキル養成を支援するための5つの方法を推奨しています。

(1)可能な限り高い階層から始める
(2)社内でリモートワークへの実践的および精神的なサポートを提供する
(3)巧みに設計されたリモートワークには、どんな潜在的メリットがあるかをマネジャーに教える
(4)仕事の自律性を与える方法、および「点検」ではなく「状況確認」の方法をマネジャーに教える
(5)成果に基づく管理の手法をマネジャーに教える

これらは私が「リモートマネジメントの要諦」で指摘するトップ、マネジャーそして人事への推奨アクションと符合するものです。

特に人事はこういった強いられた形でのリモートワーク下において、リモート環境の整備、「効果的なリモートワークのガイドライン」の制定、疎遠になりがちな社員同士の交流の場・ノウハウ共有の場をオンラインに設置する等のサポートをしっかりと進めていくべきでしょう。

(本記事の内容についてより詳しくご相談されたい方はこのリンクからコンタクトください。状況対応型リーダーシップトレーニング効果的なリモートワークのガイドライン設定についてお手伝いいたします。)


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