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続・「アプリアイコン」を考察してみた話

1. はじめに

2020年もあと少しで終わりそうですが、、、

ここ1年多くのアプリのアイコンを観察してきました。そこでアイコンのスクショを撮って残すようにしていたところ、たくさんのアイコンが集まりました。

なんて感じの記事を、去年書きました。

そして、1年越しに続編を書きました。
今年も撮りためたアイコンを載せているので是非ご覧ください!

2.アイコンの意義

”アイコンを変えることでDAUが向上する可能性がある”

という話を昨年の記事ではお話しましたが、近年はアプリアイコンの在り方は変わってきたように思います。

今年発表されたiOS14では「Appライブラリ」機能が搭載されました。これは目的のアプリを探しやすいように自動でカテゴライズしてフォルダに収納してくれる機能になります。

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この機能が出たということは、逆に考えるとApple自身が
「端末内でアプリは飽和しており埋もれている」
ということを認めたようなものです。

それは以下のような調査結果からも伺えます。

つまり、日本人が使うアプリは平均して38個ですが、大量にアプリが存在していても、iPhoneの1画面内に収まるアプリは最大24個なので、結局ホームの2画面分までしか見られないのです。
(さらに言えばフォルダでまとめれば1画面に収まってしまいます。)

3. アイコンとマーケティング

あまり見られないのにアイコンを変えることに意味があるのか?と思ってしまう方も多いかもしれません。しかしながら、アイコンの変更には副次的な要素があります。

”SNSによる拡散”

SNSは今や生活には欠かせないものとなっています。アイコンの変更はTwitter, Note, Pinterestなどで取り上げられ、多くの人の目に触れる可能性があります。

例1 : Twitter

スクリーンショット 2020-12-21 0.54.28

例2: Pinterest/Note

結果として、これがアプリの流入につながる可能性を秘めているのです。また、流入に繋がらなくとも多くの人の目に触れることで、アプリが認知されるので、ブランディングの効果も見込めるのではないでしょうか。

ここまで良い面をお話ししましたが、デザイン工数など費用対効果を考えると、割りに合うような効果が得られるかどうかはわかりません。

4. アイコンに変化を持たせる

では、今年はどんなアイコンがあったのかを見ていきましょう。

基本的には、今年も去年と同様に季節イベントのアイコンが多く見られました。そんな中でも、面白いアイコンや今年しか見られないアイコンも登場しました。

① Stay Home

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デザインとしては若干の違和感を感じたりもしますが、そこはデザイン云々ではなく、微力ながらもアプリアイコンを通じて社会に協力しようという姿勢がとても素晴らしいです。

② オンラインショッピングのイベント

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去年もBUYMAなどのアプリがBlack Fridayに合わせて行っていましたが、今年はオンライン需要があってか、多くのアプリがアイコンでの宣伝を積極的に行っていたように感じます。
(ちなみに11/11は中国で「独身の日」と呼ばれセールが行われる)

③ 特定の目的を持つ

こちらは去年に紹介したアイコンパターンの1つですが、いくつかピックアップしてみました。

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- OKURU:
「父の日」「母の日」に合わせたアイコンはなかなか味わい深く個人的に好きなアイコンです。

- チケジャム:
今年は残念ながらフェスはほとんど開催されませんでしたが、夏フェス感が良い感じに出ています。

- cluster:
ポケモンとのコラボでバーチャル空間で遊べるというイベントがあり、アイコンにピカチュウ使えるのは可愛いし何よりDL数も相当だったはず。

- DecoLu
カレンダーをデコる部分をグラデーションで上手く表現しています。

- Houseparty
アイコンが若干こわい。。

④ 番外編

番外編として今年アイコン自体が変わったものを見ていきましょう。

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- Gmail:
Googleのアイコンはメールに限らず全体的にカラフルになった印象です。

- TestFlight:
iOSアプリ開発者にはおなじみのアプリですが、ちゃっかりアプリがカッコよくなっています。

- yenta:
今までなかったアイコンが増えているので、認知させるため戦略なのかなと勘繰ってしまいます。

- LUCRA:
アプリのリニューアルに伴いアイコンを認知させる狙いがありそうです。

- Nadia:
変化に対してユーザーが認知できるレベルでアイコンをリデザインしているのが伺えます。

- マイナポイント:
機能追加に伴いイメージを刷新したかったという感じでしょうか。

5. アイコンを見てみる

さらにアプリ別にピックアップして見たものを見ていきましょう。
前回同様に更新頻度が高いアプリを中心に選んで見ました。

① RoomClip

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かなり凝ったデザインで季節とイベントを中心に変化があります。他のアプリと比較してもアイコンへの力の入れようが相当です。

② Creema

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季節とイベントを中心に変化があります。ただ、大きなデザイン変化をつけるのではなく、ベースとなる「C」と「白い背景」は崩さないようにしているのが伺えます。

③ Lucra

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季節とイベントを中心に変化があります。途中でアイコンが変わってしまいましたが、アイコンの変化は継続しているようです。

④ LIMIA / MAMADAYS / Locari

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季節とイベントを中心に変化があります。Creemaと同様にアイコンのベースはそのまま崩さないように、変化をつけていることが伺えます。

⑥ 駅すぱあと / じゃらん / Trill / エアトリ / minne / powl

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多くなってきたので少しまとめました。左から、春・夏・秋・冬の季節に対応したアイコンです。
(いくつか撮り忘れてしまった可能性があるで、画像お持ちの方いたらご連絡いただきたいです。)

⑦ その他

上段:LIPS / aumo / C Channel / Native Camp / ぺコッター
下段:チケジャム / Paypayフリマ / 食べチョク / Kurashiru

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少ないものをまとめました。ぺコッターがなかなか可愛い。

ここまでアイコンを列挙してきましたが、去年のものと比較してみると面白いかもしれません。

6. アイコンのカスタマイズ化

いろんなアイコンが今年も見られましたが、それとは別に、今年インスタグラムの10周年記念にアプリのアイコンを自由に設定できることが話題を呼びました。

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これは期間限定でしたが、このようなアイコンをユーザーがカスタマイズできるアプリはここ1年で増加しています。

例1 : Githubのアプリ

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また、アプリ内に用意されたものではなく、iPhoneのショートカットアプリ機能を使用することで、アイコンをカスタマイズする人が続出しました。

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引用:iPhoneユーザーによる、こだわりのホーム画面作品集

アプリの象徴とも言えるアイコンは、ユーザーにとってはiPhoneのホーム画面を彩る1つのファッションアイテムのようなものになってきているのかもしれません。

7. 終わりに

去年に比べるとアイコンの更新頻度が落ちたアプリが多い印象です。特にコロナ後の経済状況が下がった段階で、軒並みいろんなアプリがアイコンの変更をしなくなりました。
(会社としての優先順位が下がったのだろうなと。。)


前半部分は、あくまでも個人の考察なので1つの意見だと思って、温かい目で見ていただけると幸いですmm

そして、前回と同様に、これからアイコンを工夫したいと思った時の参考になれば思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。


続編はこちら


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