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「ぼくは明日、昨日の君とデートする」(2016)監督:三木孝浩さん

映画のタイトルから、おおまかに時間逆行の話があるのかなと思わせられるようなものだったのでそこを頭の片隅に置きながら映画を見ました。

序盤から時間逆行らしき伏線がいろいろありどのような細かい設定なのかも少し考えながら、ほぼ同年代で一目惚れから発展する恋愛が、主人公の南山高寿の気持ちが自分と共有できるようなところが多く、羨ましく初々しさもまたとても良かったです。

中盤、劇中の時で言うとちょうど半分の頃に時間逆行についての細かな設定が明かされ、それと同時に伏線が回収されていきました。そこで、福寿愛美の涙の意味がわかり胸が苦しくなりました。時間逆行は良くありそうな設定ですが、恋愛に用いてこのような切なさを表現できることがおもしろいと思いました。大切な人と過去を共有出来ないという辛さが、過去を共有できる喜びを実感させてくれました。そして始まりと終わりが分かってしまっているからこその行動であったり表情でまた切なさが込み上げてきました。

また最後の主題歌のハッピーエンドの歌詞の矛盾がこの作品の複雑な感情を表しているような気がしてとても良かったです。

~色々レビューを読んで~

映画を見てからレビューを見るのが、自分が思っていることを文字にしているものがあったり、まったく気づいていないことに気づけたりするので、自分なりのルーティンのようなものになっています。

"高寿が電車内で愛美に一目惚れし、降りた駅の反対側ホームで声をかける。終電で帰る愛美をホームから見送る高寿。深夜0時の瞬間、電車がホームを通過すると愛美が消えている。印象的なシーンに頻出する電車とプラットフォームは何を象徴しているのか。

並行する上り線と下り線を逆向きに走行する電車は、時間に順行して成長する高寿と、時間に逆行して成長する愛美の、すれ違う人生のメタファーだ。そして、逆方向に進む乗客がしばし留まって同じ時間と場所を共有するホームは、5年に一度の高寿と愛美の逢瀬に重なる。"(あるレビューより)

このような人の行動や表情以外の要素から設定であったり気持ちの移行きを読み取ったようなレビューを見つけると作品のおもしろみを深くしれた気になれるので、自分も読み取れるようになりたいと思うばかりです。

他の人のレビューも見させていただきましたが、やはり時間逆行の話は細かな設定もしておかないと矛盾が起きやすく、そこにつっかかっている人も多くなったのかなと思いました。自分も細かく気にしてしまうタイプなのですが、今回の映画の趣旨がそこの設定は関係ないと思ったのでおおまかにしか捉えていませんでした。ふいに昔バカリズムさんが言っていたそこを気にするやつは楽しめていないみたいな事を思い出したのも理由なんですが笑

"時間を駆け上がる者
時間を駆け降りる者
喜びや感情を完全に共有できないからこその美しさ
そういうものに溢れている映画"

これは自分的にしっくりきた感想です。

この作品は他のややこしい情報などがなかったため自分でも感想を書きやすいものだったかもしれません。(感想とあらすじがごちゃごちゃで小学生みたいな文章なのですが)これからはもっと簡潔できれいな感想を書けたらなと思います。





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