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天下をとれる「猿」思考

「新史太閤記」(司馬遼太郎著) を読んで

もしも、豊臣秀吉が居酒屋の店員だったら・・・

「サザエさん」で、マスオさんが、お店の常連客になることに憧れ、めぼしをつけた居酒屋に足を運び、同じメニューを注文することを何回か続ける。そして同僚の穴子さんを伴い「僕の常連の店」と言って訪れてみる。内心「僕のこと覚えていてくれるかな…」とヒヤヒヤしながら扉をあけ「い、いつもの」と店員に言ってみたが、返ってきたのは、苦笑いと「いつもの?なんでしたっけ?」という言葉。穴子さんには、「フグ田くんには常連なんてまだ早い」みたいなことを言われマスオさん赤っ恥。という話があった。
豊臣秀吉が、もしこの店員だったらどうだろう。絶対にマスオさんに恥をかかせるようなことはしないだろう。


人を喜ばせる天才

秀吉は、大好きな織田信長から「猿」「禿げ鼠」といわれ、類まれなる尽くし方で、信長に気に入られ、みるみるうちに頭角を現す。もともと身分などない、叩き上げだから、プライドなどないので強い。
秀吉のすごいところは、その人心懐柔術である。腹の中を見せ、相手がそこまでしてくれるのか、と感動したところで、取り入っていく。

恩義に厚い 

これも秀吉の大出世の理由の一つ。自分に親切にしてくれた人には、決して恩義を忘れずそれを表現していた。(それが重要。心の中で思っているだけではなく、態度や形で表すということ)

度肝を抜く

凋落、戦略のタイミングや素早さで人の度肝を抜く。それこそが秀吉の真骨頂。「まさかここまでやるとは」と、かの徳川家康ですら悩ませたのである。

天下をとれる思考とは

「太閤記」には、秀吉の、天下を取るほどのそのエネルギーが、どのような体験のもとで生まれたか、そしてその思考をどうやって培っていったかということが書かれている。また、その時ごとに、秀吉の心の支えとなったり、悩ませたりした人物の人となりも、色とりどりに描かれていて読みごたえがある。

何かを成し遂げたい、果たしたい目標はあれど、今一つモチベーションに欠ける、という方には、ぜひ読んでいただきたい。まさに天下取りの思考の「説明書」であるから。

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