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野球とコンサート

連休は息子の野球の試合観戦をし、地元のクラシック音楽の催し物の一環で行われたコンサートを見に行った。
いずれも身内の応援でいったわけだが、これが思いがけず面白くよい時間になった。昨年から身近な人が立て続けに亡くなって、自分の生きる時間とその過ごし方についてよく考えていたから、その時間を何かに追われることも気に掛けることもなく純粋に楽しめたこと、これも生きる喜びの一つだなあと実感した。
コンサートは弦楽四重奏。バイオリン、ビオラ、チェロといった顔ぶれで、クラシックな音楽を普段聴かない者たちには少し気構えしていたところ、始まってみると私たちの耳馴染みの曲ばかりで、聴かせてくれた演奏会だった。
とくに最後の荒城の月(滝廉太郎)。これはまあチェロによるベース音が重く響いてとんでもなくカッコ良い!
ゴザ敷きの会場に、外からさりげなくカエルの鳴き声が弦楽に重なり、知ってる曲をハミングする老若男女の声。後ろを向いて微笑みながら親に絡まる幼児。
弦の音が、皆から発するいろんな音とともに小学校の体育館の中で絡まり、醸し出す贅沢な時間。
コンサート。concertは「協力してものごとをつくりあげる」という動詞でもあるらしい。
この日は、まさにコンサートだった。


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