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ロサンゼルスからグランドサークルへ。2000kmの旅日記

ロサンゼルスで2歳・4歳の子育て中。2人を連れて長距離ドライブ、グランドサークルへのショートトリップ。
2000kmを移動した旅日記。

旅前日

旅の準備は前日に行う。
昔から・・そう。

仕事で忙しいから、直前じゃないと準備できないから、なんて理由はない。前日にすると決めている。前日じゃないとやる気が起こらない。

大人旅の時は前日にほぼ徹夜で準備。仕事から帰ってきて次の日の朝までに準備を済ませ、飛行機で爆睡。現地に着いたらスッキリ。これが私の旅の必勝法。

子供がいるとそうはいかない。それでも、旅の準備は前日。
なぜって、子供がいると邪魔はされるはパッキングしたと思ったら袋は全部開けられスーツケースからポイポイと投げられ・・結局何を準備したのか、何を入れたのかわからなくなる。そんなわけで今も旅の準備は前日のみ。

と言いつつも、パッキング以外の準備はしている。買いものや必要なもののリスト化など。

子連れで1週間2000kmを車で移動する旅行にはそれなりに準備が必要。長距離ドライブは慣れっこになってきた。

服は5日分程度で途中で洗濯する。アメリカのアメニティは歯ブラシなどは無い。シャンプーも充実しているとは言えないため予備を持っていく。タオルは子連れには色々役に立つ。水着やトレイルのための道具も必須。

と、ここまでは特段変わった準備はないが、長距離ドライブのために必要な水20リットル、パックジュース40個、お菓子は2箱。自分のためにボトルコーヒーと牛乳0.5ガロン。
食事は他に注文するから8日分というわけではないが、この準備は防災にも役立つなぁと思う。1週間分の水分と食料の準備に近い。

本来は簡易トイレも手に入れておきたいところだが、アメリカでどう購入するかわからない。

もう一つとても大事な準備が子供達の退屈しのぎ。少ない時で2時間強、多い時には6時間車に乗る。その時の退屈しのぎグッズは非常に重要。実はうちの子供たちは完全デジタルっ子。親がそうだから仕方ない…。

iPad,FireHD,Switchに動画をたくさんダウンロードし、新しいゲームもゲット。それぞれのカバンにお気に入りのおもちゃも入れて準備万端。

スーツケース1つに4人分の服や諸々をパンパンに詰め込み、水分と食料はクーラーボックスやらそのままやらで車に乗せて、最後にベビーカーを積み込んで準備完了。

1日目:ロサンゼルスからラスベガスへ

年末年始にラスベガスへ旅行に行った。その時はストリップ通りと言う、最も観光地に宿泊した。シルクドソレイユがあるベラージオというホテルや各国を模したパリス、ベネチア、ニューヨクニューヨークなんていうホテルがずらりと並ぶザ・観光地。

ラスベガスは大人の街というものの、ストリップ通り沿いには子供でも楽しめるアクティビティが結構ある。年末年始は子供も楽しめる場所と年越し花火を楽しんだ。

今回はダウンタウンラスベガスのホテル。ここは一昔前に観光地として人気があったものの今はストリップ通りに観光地がうつってしまった場所。一時は子供もこれるファミリー向けにしようとしたこともあるらしいが、完全に失敗し今では完全に大人向けに振り切った作戦をしている場所。

少しストリップ通りから離れていて、ホテルが安く、ラスベガスに何度も来るなら一度は来てみたかった場所のためダウンタウンラスベガスにホテルを取った。

今回はラスベガスは通過点。ロサンゼルスから5時間ほど走ってラスベガスに到着。15時くらいに着いて、少し早いがチェックイン。フロントは子供にもちゃんと対応してくれて、あれ、ストリップ通りの4つ星ホテルより対応よくない?と思うことも。
ちなみに泊まったのはプラザホテルという3つ星ホテル。

プラザホテル

到着後すぐにホテルの屋上に行き、プールへ。子供のためにドライブだけにならないよう、1日ひとつはイベントを作るようにしている。今日はホテル プラザのプールがイベント。

この屋上、来てみるとビル風がすごい。ビュオーーーっとすごい風が吹いてベビーカーも煽られて転倒。気温はそれなりに高いはずだが寒い。寒さに負けず子供はプール行こう、行こう!と。わかった、わかったとプールに足をつけると冷たい!!そして浅い!!

子供が浮き輪で楽しむプールではなく、大人が浅いプールにゴロンと寝転びながら日焼けをしつつ、お酒を飲みつつ楽しむプールだこれ!それにしても寒くないの!?ニコニコしながらプールにゴロンと寝転んでるけど…
欧米人は日本人より基礎体温が1〜2度高いと聞くけれど、こういう時に実感する。

結局震えながらプールでチャプチャプ遊び、子供が寒いという直前に退散。旅行1日目で風邪をひいてはならぬ。しっかりタオルで子供をくるみ、クーラーの効いた部屋へ。消して来ればよかった。

ダウンタウンラスベガス

ダウンタウンラスベガスは今は完全に大人向けに振り切った街。
まず、お酒・タバコ・マリファナの匂いで満ちている。お酒の歩き飲みは基本的には法律で禁止されている州が多いアメリカ。ここラスベガスは珍しく認められているのだ。つまり、酔っ払った大人が陽気に歩いている。まだ早い時間で絡まれることも少ないが、夜は気をつけた方が良い。

ダウンタウンラスベガスの一番の見どころはアーケード街。ここではたくさんのステージでパフォーマンスが行われている。そのパフォーマンスも大道芸というよりはなかなか際どいセクシーなものも。王道のバンドもあってカッコいいパフォーマンスもあるのだが、どうしても子連れだとセクシーパフォーマンスが気になって仕方がない。「なんで?」攻撃の4歳の息子に「なんでこんなのしてるの?」って聞かれたらどうしよう、なんて思ってしまった。

ラスベガスではセクシーな格好をした人が道にいて、一緒に写真を撮ることができる。もちろん有料。ストリップ通りではキラキラストーンのついた、際どいもののヘルシーなお姉さんが多いのだが、ここダウンタウンラスベガスでは水着の模様にペイントしただけのお姉さんが立っていた。おぉ…支えなしでその位置を維持している乳腺さすがです、という感想はここだけの話。

もちろんセクシーなものだけではない。アーケードの一番の売りは天井。アーケードの天井が全てモニターになっているのだ。想像してみてほしい。商店街の天井全てがモニターになっていて、どんどん変わっていく模様を。そのアーケードの下には実は長いジップラインのアトラクション。アメリカらしく、スーパーマンのポーズで大人がビュンビュン上を飛んでいく。
これには子供も大喜び。ただし、子供は身長制限で参加できない。

と、これでダウンタウンラスベガスの観光はおしまい。夕飯もアーケードで、食べようと思ったがBarしかないため隣のホテルでビュッフェを食べた。このビュッフェが安くて美味しくて当たりだった。なんなら、ストリップ通りのビュッフェよりも安くて旨い。

ということで1日目は終了。明日はまた5時間の長時間ドライブ。

2日目:ラスベガスからページへ

2日目はラスベガスからページへ。
ラスベガスは周りを砂漠に囲まれた都市。学生のころに行った時、飛行機で降り立つ際、砂漠の真ん中にギラギラと光っている街があってびっくりしたことを覚えている。

ラスベガスの周りはクリーム色っぽい岩やほんの少しの背の低い木が生えている砂漠というか岩山というか‥に囲まれている。

そこに轢かれた道路をぐんぐん進んでいく。
ページに近づくにつれ、周りの景色が徐々に赤っぽく変化していく。さらに木、緑が減っていき、砂漠地帯という感じ。
もうすぐページというところで、渓谷が見え、そこにかかる橋を渡っていく。車はびゅんびゅん走っていくが、なんとなくつくりが簡単に見えてしまうのは穿った目で見ているだろうか。

橋の向こうにはなぜか緑がちらほら見える。街にはこの砂漠の真ん中の街にもかかわらず、芝生が広がっているのだ。これにはちょっとした違和感を感じながらも、生活していくには必要なんだろうな、と思ったりした。

今日宿泊するのはDays Inn。ザホテルという感じではなく、民宿風。1階でカーテンを開けたらそこは駐車場。少し安全面に不安を覚えつつも、観光地でしかないここは、そこまで治安は悪くないはず。

今日はラスベガスをゆっくりめに出発したため、イベントは少なめ。

BIRD HOUSE

夜ご飯にBIRD HOUSEへ。鳥の家?そう、鳥料理屋。いや、フライドチキン屋。鳥のいろんな部位のフライドチキン食べられるお店。

ページは小さい街で夕食を食べられるところは限られている。にもかかわらず、ここは評価も良く実際に行ってみると味も雰囲気も良かった。
まず並んで注文をする。レジのお姉さんは家だるそうに肘をついて何がいるのと聞いてくる。どれがいいのか初めてでよくわからずファミリーセットぽいものを注文し、お姉さんが教えてくれたものを注文。なかなか親切だ。肘をついていたり気だるそうなのはアメリカでは当たり前。ちゃんと対応して子供にもお勧めの物を教えてくれるのはかなり良い対応なのだ。

フライドチキンと言うものの少し唐揚げに近い感じがした。味も塩辛すぎず、おいしかった。店の道路に面したところに大きな鶏のオブジェがある。大人の倍はあろうかと言う大きさで、今日も1大イベントはこの大きな鶏になった。写真を撮ったり、周りをうろちょろしてみたり。

次の日がアンテロープに行く予定であったため、今日は早めに就寝。

3日目:アンテロープとホールシューペント

アンテロープキャニオン

アンテロープキャニオンというものはご存知だろうか。
赤い大地が水・風によって長い時間をかけて侵食され、岩が波打つような特徴的な形を作る。独特の岩の通路で世界でここでしかみられない風景が広がっている。

ここはナバホ族の土地で、アンテロープキャニオンを見るにはナバホ族のツアーでしかくることが出来ない。ナバホ族はネイティブ・アメリカン最大の部族。この旅を機会に少し調べたところ、第二次世界大戦でアメリカの諜報員として使われていたそう。ナバホ族の話す言葉は非常に複雑で、日本軍も最後まで解読できなかったとか。ナバホ族は日本兵と相対した時、自分の味方である白人であるアメリカ兵よりも敵とされている日本兵の方が自分の姿と似ていて愕然としたそうだ。現代のナバホ族は現代化の波と伝統の間にいる、と。センシティブな話題で詳しく知るまではできてはいないと思うが、ほとんど知らないという状態から旅を通して少し断片を知ったり、興味を持つようになるということは良いことだと思う。これも旅の魅力だと思う。

アンテロープキャニオンにはいくつかツアーがあるが、子供が参加できるものは少ない。現地に来て空いていれば入れることもあるが、基本的には予約が必要。結構たくさんの人がツアーに参加していたため、予約必須。

まず、持ち物としてマスクとカーシート、水分が案内されている。ナバホ族は現代化しているとはいえ医療が十分ではない可能性もあり、コロナ禍から日常生活がほぼノーマルに戻ってきているアメリカでもツアー中に屋外であってもマスクをすることを求められる。ナバホ族というネイティブ・アメリカンを守るため。

カーシートは集合場所からRVに乗り換えて目的地に向かうため。小さな子供が参加する場合はカーシート持参が必要。現地に少し早く到着し、自分の車からカーシートを下ろす。2人分となると結構な重さになる。カーシートを担ぎ、片手に子供を引き連れ集合場所へ。この時点で、暑いし重いししんど…と思ってしまった。周りは子供はいるものの、2人カーシートがいるような状況で参加している人はほぼいない。1家族見たか…どうかというところ。すでにちょっとした後悔に襲われた。

集合時間になり、注意点を全員に向けて言い渡され、ここからは6人ごとにグループを作ってRVに乗っていく。大人はRVが引っ張る荷台に乗るのだが、カーシートありの子供は後部座席に座らせてもらえる。2.4歳が後部座席で私は荷台、というわけにもいかずカーシートの間に挟まる形で車に乗り込んだ。

道路なんてない、標識もない砂漠を車は進んでいく。車の中であまりわからなかったが、赤い砂漠と真っ青な空のコントラストが既に絶景だったよう。10分かそこらで目的地のアンテロープキャニオンに到着。車を降りると崖の目の前。崖がそりたち、崖の中央に人が1〜2人通れる幅の隙間がある。そこを通り抜けていくそうだ。

太陽が眩しい外から見ると暗い崖の中に入るようで少し怖いと思った。しかし、一歩踏み入れるとそこは見たこともない景色が広がっていた。地面は赤いサラサラした砂。両脇には崖が波打っている。この巨大な崖をこの曲線で切り出すことは到底人間には不可能に思えた。波打った崖だが壁はもちろん固い。長い、長い時間をかけて水や風で作られた地形。これを神秘と呼ばずになんと呼ぶのか。

キャニオンに入ってすぐに娘が怖がり始めた。最近少し暗いところを怖がるようになっていたことや、見たこともない両脇に崖が迫る景色に恐怖を覚えたのだと思う。結局いっさい歩くことができず、抱っこになった。

ナバホ族の若い女の子に案内される形でアンテロープキャニオンを歩いていく。スマホでうまく撮れる方法を教えてくれた。なんとなく、ネイティブ・アメリカンとスマホのスキルと聞くと何となくアンバランスに感じてしまう。

ここはこんな風に写真を撮ると綺麗だよ、というような案内を主に教えてもらいながら進んでいく。30分くらいだろうか、進んでいく中で2.3度端によるように指示があった。1度は黒い鳥を現地の人が捕まえて運んでいた。他はやや高齢の方が引き返してくるため、道を開けた。

熊に見える、鳥に見えると色々教えてもらったが、なかなかその通りに見えないものもあった。その中でとてもわかりやすかったものがハートに見える渓谷。したから渓谷の写真を撮ると綺麗なハートに見える。これぞパワースポットというやつだろうか。もう一つは光の加減で翼が生えているように写真が撮れる場所。人工的ではない、自然が作り出した映えポイント。(もう、映えは古いのだろうか)

キャニオンを抜けるとまた真っ青な空と真っ赤な砂漠のコントラスト。少し暗いところにいた影響もあって少し眩しく感じる。ここから砂漠を少し歩き、人工的に設置された鉄製の階段を登る。砂漠は足が取られて歩きづらい。ここで4歳の息子も歩くことをギブアップ。夫が4歳息子を、私が2歳娘を抱っこして歩くことになり、日頃運動不足の私はややグループに遅れるようにしてゆっくりついて行った。先ほど引き返した年配の方々はここを歩くことを断念したようだ。確かに息が上がる。ただ、アンテロープキャニオンの上を歩くことになり、壮大な景色を眺めることができる。

もとのRVに戻り、ツアーは終了。おそらく2時間にも満たないツアーだったが、大満足だった。

ホールシューペント

つぎにこの日向かったのはホースシューペント。「馬の蹄」という意味。ここは渓谷に流れる川がUターンする場所で、UターンのUの字の中の部分が馬の蹄のように見えることから名付けられたそう。

駐車場に車を置き、20分くらい歩くと圧巻の景色が広がった。歩くのも炎天下で水を忘れないようにね!と駐車場のお姉さんに声をかけられた。

渓谷に流れる川は深い緑色で、崖は赤みがかった岩の色。崖の形と川の形とが不思議な雰囲気を醸し出し、ここもまた自然の神秘、エネルギーを感じざるを得ない。この日何度も思ったが「こんな景色見たことない、今後もきっと見ることはない、畏怖を感じるとはこのことか」とここでも感じた。

川に浮かぶカヤックは胡麻粒レベルに小さく見え、崖の高さを理解させる。そんな高い場所にも関わらず、柵は一部にしか設置されておらず平気で崖の下を見るために顔を出せてしまう。高所恐怖症の夫は全く近づかず、私と息子で少し探検。息子は慎重派だが、どんくさいことをやらかすタイプのため崖には近づけさせなかった。娘はわーいと走って行ってしまうタイプ。今回は途中で寝てくれたためベビーカーに乗せたまま。正直見せられなかったのは残念だが、崖から落ちてしまうリスクを考えると少し安心した。年間何人かは落ちて亡くなっているそう。確かにギリギリに立って写真を撮っている人がたくさんいて見ているだけでドキドキした。

吊り橋効果もあったかもしれないが、大自然のエネルギーを体全身で受け取れたと感じた。

グランドキャニオン

この日の最終目的地はグランドキャニオン。グランドキャニオンを通って本日宿泊するホテルへ向かう。

アメリカの国立公園に入るには車1台あたり20〜30$ほどかかるが、私たちはこのロサンゼルス生活のために、年間パスを購入している。これがあれば、アメリカ中の国立公園に入り放題。その名もAmerican beauty pass. 

今回、国立公園を通過できなければ迂回の必要があり、そうなると数時間ロスすることになる。もともとグランドキャニオンにはいく予定であったが、公園の大きさを感じさせる。

どうせ通るなら、とこの日グランドキャニオンも観光。1つビューポイントへと足を伸ばした。先ほども書いたが夫は高所恐怖症で、グランドキャニオンの観光はあんまり乗り気ではなかった。車でちょっと見れたらいいやー程度。私も実はグランドキャニオンは2回目のため、そこまでガッツリでなくていいよ、というスタンス。

グランドキャニオンの観光は基本的に崖を降りていくトレイル。小さい子連れでグランドキャニオンのトレイルに挑むのは無謀に近い。ちなみにこのトレイルも、降りたはいいが、登ってこれなくなって救助される人多数。本気のトレイルはキャンプ用品を担いで渓谷を降りて行き、下で宿泊。翌日さらにとレイルをするというもの。
ちょっとそこまで…と軽装で行くにしても十分な注意が必要だ。

ツサヤンのホテル

この日はグランドキャニオンから車で20分ほどツサヤンというところに宿泊。国立公園内のホテルに泊まった方がしっかり楽しめるため、グランドキャニオンを楽しみたい人は公園内のホテルをおすすめする。今回はメインではなかったことと、多少公園の外の方がやすい(と言っても大きくは変わらない)ため、公園から少し離れたところにホテルを取った。

3階建てのアパートみたいなホテル。3棟ほど並んでいて、少しモーテルのようにも見える。メイン棟にフロントロビーがあり、すぐその横に屋内プールとジャグジー。あぁ、久しぶりに大きい熱いお風呂にゆっくり入りたいなぁ‥と思いつつ、部屋のお風呂がアメリカのホテルにしては深めだったためゆっくり浸かって就寝。

ホテルの壁にはグランドキャニオンの写真が飾られていていて、絶景だな…と思いながら眠りに落ちた。

4日目:グランドキャニオンからセドナへ

4日目は旅の最終目的地であるセドナへ向かう日。セドナではこの度唯一の連泊を予定している。流石に連日の大移動で疲れも溜まってきている。

本日は朝からグランドキャニオンを楽しんで、昼前にセドナに向かって出発。途中でべアリゾナという小さなサファリ式動物園があるとのことで、寄って行くことにした。

グランドキャニオン

実はこの旅ではホテルを出発するときに、度々4歳になる息子のイヤイヤが発動していた。「出発するから着替えなさい)」「いやー」、「パジャマのまま出発したいの?」「いやぁー」、「じゃぁ今日はのんびり過ごそうか」「いやぁー」と言った感じ。お着替えいや、お片づけや、朝ごはん食べるの嫌。もちろんいやいやはこの旅に限ったことではなく、いつものこと。しかし、どんどん予定が入っている旅行の間やチェックアウトが迫ってくると道にもイライラしてしまう。

この日も例のごとくいやいやが始まり、朝ご飯…お着替え…出発の時間が予定より1時間ぐらい遅くなった。グランドキャニオンの入り口に到着したのが10時過ぎ。遅くなるとやはり混む。車がずらりと並び、1台ずつ中へ入って行く。遅くなったからやん…とまた少しイライラしてしまいながら、グランドキャニオン内へ。

元々は少し歩けたらいいな、と思っていたが時間を考えると難しいため諦めた。昨日とは別の、車で行けるビューポイントへ向かった。グランドキャニオンをパノラマで見渡せるビューポイント。壮大すぎて渓谷の向こう側がどれくらい遠いのかわからなくなり、ジャンプしたら届くんじゃないか、は言い過ぎだがそんな気分になってくる。

グランドキャニオンは実は日の出、日の入りが最もおすすめ。朝日、夕日の光が、渓谷を照らし全体的に赤みがかかり陰影がはっきりとして立体感がぐっと出る。壮大だが、繊細な景色になる。昼間は全体的に白っぽくなり、影もできないためのっぺりとした雰囲気になってしまうのだそう。距離感がわからなくなる、ジャンプしたら届きそうと思った理由はそのせいだろう。

実は、このパノラマの景色12年ぶり。大学生の時、ラスベガス旅行をした時にグランドキャニオンツアーに参加した。ツアーに参加しただけで国立公園に他のビューポイントがあることや、自分がグランドキャニオンのどの辺りに行ったかなんて全く調べていなかった。バスでホテルから出発し、数時間後にグランドキャニオンの駐車場。お土産屋さんに案内され、その後写真を撮ってまた集合。その時はセスナに乗った記憶がある。ただ、景色よりもセスナで慌ててランチを食べた記憶が強い。そのままラスベガスへトンボ返り。
自分で行って分かった。ラスベガスから日帰りでグランドキャニオンに行くのは忙しい。

12年ぶりに同じところに行って、記憶がブワッと蘇った。このお土産やさん覚えてる。この置物覚えてる、この地層の解説、覚えてる・・。旅の思い出ってソコ覚えてるんだ?というものが頭の中に仕舞われていることが分かった。もしかすると今後子供が大きくなって自分で来ることがあるかもしれない。2.4歳では覚えてはいないだろうが、写真を見せて同じところで写真を撮って欲しいな。

グランドキャニオンはこのポイントだけ楽しんで、セドナへ向かうことにした。

セドナへの途中のべアリゾナ

セドナへ向かう途中にあるべアリゾナに行くことにした。
べアリゾナは、ベアとアリゾナを合わせた言葉でその名もベア=熊が見どころの動物園。歩いて回れる動物園と車で回るサファリが1つの動物園にある、珍しい動物園。

アメリカのサファリは土地が広大すぎて遠くに動物を目視できる・・という程度であまり楽しめないことがあると聞いたことがある。子供も小さいとそばに動物がいないと探せなくて飽きてしまうとも。
べアリゾナをネットで調べると近くに熊が!という口コミも多く、歩く動物園もあるし行ってみようか、ということになった。

お昼頃にべアリゾナへ到着。車のまま入口で料金を支払う。入口を入って直進するともうすぐにサファリが始まった。ちょうど2歳の子がお昼寝タイムに入ってしまい残念。

最初はヤギ…だったと思う。そんなに広くない土地にヤギが気だるそうに寝そべっていた。気温も高く暑い。ヤギもへばるよ、そりゃ。順番は忘れてしまったが、オオカミ、バッファロー、クマがいた。みんな暑いためか日陰でゴロゴロしていた。

オオカミはツンドラオオカミと2種類いて、ツンドラってあのロシアの…?寒いところにいるはずのオオカミがこんな暑いとこにきたら辛いよな…と思った。
バッファローも2種類いた。白と黒だったが、その2種類は広い草原に放たれていて混ざり合って1つの群れのようになって草を食べていた。
クマは年齢別に分けられていた。ジュニアと成人だと思う。ジュニアの方が行動は活発らしいが、体格も変わらずみんなゴロゴロしていて違いははっきりはわからなかった。

サファリでは1つずつ動物のエリアにゆっくり車で進んでいくのだが、エリアごとにショートカットできる道とエリア全体をグルーっと回る道の2股になっている。動物をじっくり探したい、見たい場合はぐるっと回って、ここはいいやと思う時はスルーできる。
1つずつ動物のエリアは金網に囲まれているのだが、なんと、エリアごとの境目はオープンのまま。オオカミがバッファロー食べに行っちゃわないの?と思ったが、境界部分の地面が空洞の上にパイプが横に並べられており、動物が歩くのを嫌がるようだ。

きっと夜は扉が閉じられるのだろうし、一応ところどころスタッフ小屋もあった。姫セン…だったかな、ではエリア毎の境目は2重扉になっており厳重だったと思う。

サファリエリアが終わると駐車場に出る。ここ「車を止めて、歩いて回る動物園エリアへ。小さな動物園で4歳の息子でもぐるっと歩いて回れた。ゾウやキリンなどの大型の動物はおらず、小型や中型の動物がメイン。この辺り独特の動物も多いのだろう、アメリカに来てから動物園は4,5個目だが、他とは異なる雰囲気を感じた。

小さい動物園ながらカワウソの展示がとても豪華だった。日本と同様アメリカでもカワウソはとても人気がある。泳ぐし、陸に上がった姿もとても可愛い。ここ、べアリゾナでも大きな水槽、そして水槽を泳ぐ姿をしっかり見れるように展示されていた。

カワウソの横にはギフトショップ。ギフトショップにジャガー・エルクはこちら、と書いてある。どういうことだ?と思いながらギフトショップに入った。ギフトショップ内にも案内がされていて通り抜けると、さらに奥にも大きな展示が。ジャガーのスペースはとても大きく、黒のジャガーと斑点のいわゆるジャガーが2匹同じスペースで過ごしていた。
ガラスの目の前に餌が置かれ食べに来るジャガーを見ることができて新鮮だった。もう1つこの動物園で最も大きい動物が展示されていたのがエルク。エルクと聞いてどんな動物か想像できるだろうか。トナカイの大きいバージョン。とってもごついトナカイ、といった感じ。私はエルクと聞いてもわかっていなかったため、見てその大きさに驚いた。どうやらヘラジカのことで鹿の仲間では最も大きいものらしい。

その後、すっかり起きて元気になった2歳もいることだし、とサファリをもう一度ぐるっと回ってセドナに出発しようということになった。
この判断が大当たりだった。ちょうど動物たちの餌の時間だったらしい。車が通る側に餌が置かれ、車のすぐ横で餌を食べる姿を見ることができた。バッファローやクマが車の前を歩くため、それを待つ渋滞ができるほど。バッファローやクマがこんなに近くにいて驚いたし、何より2歳の娘が大興奮だった。

大満足でセドナへ出発。

セドナ到着

グランドキャニオン周りはクリーム色に近い岩山だが、セドナに向けてまた赤く色が変わっていく。アンテロープの時は赤い土で砂漠といった感じだったが、セドナに近づくと赤い大きい岩が目立つ。

赤い大きな岩山。
この景色も景色もなかなかみれる物ではないと感じたし、この景色に昔の人がエネルギー・神の力を感じたのも頷ける。

本日宿泊するホテルに近づいた。ホテルの前にセドナの街を通り抜ける。町の建物がセドナの土の色。全て赤土色。とても素敵な観光の街だと感じた。
ここにはセドナ滞在中に来ようと決めた。

セドナでの宿泊はスカイランチロッジ。
このホテルはセドナの街を見渡せる非常に高い場所にあるホテル。セドナにはいわゆる バカンスホテルではなく、見た目はモーテルに近い。コテージが並び、そばに車を駐車する。フロントはメインコテージ。見た目は綺麗だが今まで泊まったどのホテルよりも狭いしちゃちぃ感じ・簡素な感じのするベッド、バスタブのないシャワーだけのバスルーム。しかし、ここだけの話、値段はなかなかする。その理由は先ほども述べた地の利。セドナの街を見渡せる事に加え、サンセットを見ることができる。セドナの景色に夕陽の赤が落ちる光景は最高に美しく、神秘的。この景色を部屋から、部屋のベランダから見ることができるのだ。

もし今後このホテルに泊まることがある人は是非頑張ってアップグレードして欲しい。というのも、実は今回アップグレードしなかったことを非常に後悔した。アップグレードするとベランダ・部屋から夕陽が見れるようになる。しなければ部屋からは見れず、結婚式場にも使われる広場へ足を運んで夕陽を見に行く。といっても歩いて1分のホテルの敷地内。苦では全くないのだが、子連れだと他の人がいる中ちょろちょろ動く子供を制したり、視野の中に入れておかなければならない。部屋の中から、ベランダからなら、よりリラックスして贅沢な時間を過ごせたと思う。

この日はスカイランチロッジから少し降りたところで夕食を取って夕陽を見つつ就寝。連日の大移動が続き、旅行の行程のほとんどを運転する夫にも疲れが見えていた。

5日目:セドナで教会・ショッピングモール

セドナの観光はボルテックスと言われるエネルギーが渦巻く場所を巡る。ボルテックスはラテン語で「渦巻」という意味。
4大ボルテックスを巡るのが定番らしいが、2/4歳連れでのトレイルは限界があるため無理せず行けるところだけ行こうということにしていた。

セドナ観光1日目はトレイルは無し。トレイル以外の観光に行くことに。

ホーリークロス教会

セドナ市街から南に行ったところに岩山の上に建つ教会がある。チャペルオブザホーリークロス。赤い岩の上に建てられた教会は周りの風景と融合して芸術的な美しさを持っている。ここは4大ボルテックスとしては数えられていないが、教会であり、景色も素晴らしく人気の観光地となっている。

岩山の上に建つ教会のため、車で駐車場に入ってそこから急な坂道を登っていく。教会の入り口も坂道になっており、登り切ったところに教会が待っている。登り切ったところは教会もさることながら絶景が待っている。遠くに4大ボルテックスのベルロックなども見ることができた。教会にも入ることができ、大きな十字架を見て少しの間椅子に腰掛けて心を静める。

2人の子供が心を静めることができるはずもなく、ほんの短い時間で教会の外へ。教会の外で子供達をスマホで撮影していると「I like your dress! so beautiful!」と突然声をかけられた。お、お、と思ったが、実はロサンゼルスで暮らすようになってからこういうことは結構ある。「Thank you, this is my favorite one.」と答えることができるようにはなっていた。
来ていたのはエスニック系のワンピース。柄が大きく、腕や胸元が出るタイプのもの。日本で来ていると個性的だけど良いね、と言われることが多かった。母からはまたそんな肌が出る個性的なもの着てーと言われたり。ここアメリカに来てからは自分が好きできているものを褒められることが多くなり、しかも見ず知らずの人に急に褒められることが多くて、驚きとともにとても嬉しく感じた。ロサンゼルスではその服の肌の露出は全く気にならない。というより周りと比較するとむしろ少ない方になる。

話は逸れたが、大自然とセドナのパワーと相待ってとても良い気分になって次の目的地「テラカパキ」へ。

ショッピングモール:テラカパキ

セドナにはショッピングモールがいくつかあるが、テラカパキは古いショッピングモール。アクセサリー・服・家の置物、ケーキ・アイスなどの店が並び、レストランも。

セドナの特産品であるターコイズや水晶のような石を加工したアクセサリーが多くみられた。ターコイズが好きな私は何かアクセサリーを買うぞ!と意気込んでいたものの2人の子供が飽きたり、ゆっくり見ることができずこの日は買うことができなかった。

ナバホ族の織物製品も売られていた。とても綺麗でエスニック系やネイティブアメリカン系の模様が好きな私はどれか欲しいなぁと玄関マットサイズを見てびっくり。$298。こ、この大きさが4万円!?
リビングに置くラグマットなら何ドルになるんだろう。恐ろしくて覗きにいけなかった。この値段はナバホ族を保護する価格も含まれている。全て手作りで1品ものだから高くなってしまう。

ここで昼食をメキシコ料理レストランで食べる事にした。メキシコ料理大好きなわたしたち夫婦はロサンゼルスでもよくメキシコ料理を食べる。バーガーは当たり外れがあるけれど、ナチョスは大外れがない、というのが私の見解。レストランのメキシコ料理は美味しいけれどファーストフードとしてのメキシコ料理もなかなかのもの。日本に帰ったらメキシコ料理の布教をしたい。

ホテルのプール

結局、買い物をすることができずにやや不完全燃焼気味でホテルへ。明日、街で買い物をもう一度できるチャンスがあるから、と自分を納得させた。

この日は子供のイベントとして、やはりプールへ。朝8AMから夕9PMまで入ることができ、のんびり入ることができた。小さいプールでやはり子供が泳いで楽しむプールというよりは大人がプールの周りでくつろいで時々涼を取るためのプール。幸い人は少なかったため、子供たち2人は大いにはしゃいでプールを楽しんだ。

メサグリルセドナで夕食

今回宿泊したスカイランチロッジからは歩いていける小さい空港がある。そこに併設されているメサグリルセドナで夕食。

レストランの場所はセドナを見渡せる高台にある。セドナの観光といえばボルテックスと言われるパワーが渦巻く場所のトレイルなのだが、エアポートメサというポイントがある。ここはセドナを見渡せる絶景のトレイルポイント。日の出・日の入りの時間は非常に混み合う。なかなか急なトレイルらしく、子連れにはおすすめではないという前情報から、今回はホテルからの絶景で満足することとした。このエアポートメサから今回宿泊しているスカイランチロッジ方向へ歩き、さらに進んだところにセドナ空港がある。

正直、絶景がご馳走で料理には期待していなかった。競合がいないから。しかしながら、いい意味で期待を裏切って食事もなかなか美味しかった。ここ1週間外食が続いたことで、ご飯をしばらく食べていない。そして、やたらとポテトを食べている。子供が食べるという理由と何を頼んでもポテトがついてくる。この日もステーキとフィッシュを頼んだが、やはり予想通りポテトがついてきた。ご飯が食べたーい、と思うこともなく塩分とカロリーが気になるな・・と思いつつ、しっかり食べた。

夕日

ホテルに戻り、しっかり夕陽を楽しむため広場へ。このホテルには普段は結婚式などに使われている広場があり、日の入りの時間になるとお酒を片手に宿泊客が集まってくる。

このホテルについて最初に書いたときにグレードアップを強くお勧めすると書いたのもこの理由。この広場、しまっている時もあるそうなのだ。空いていても人が集まってきて、子連れだと結局目が離せず落ち着いて夕日を楽しめない。せっかくなら部屋から優雅に日の入りを楽しみたいではないか。

6日目:セドナでトレイル2つと買い物

セドナ3日目はトレイルを楽しむ予定。セドナの観光は繰り返しになるがボルテックスというパワーを感じられる場所へのトレイル。4大ボルテックスと言われるトレイルは「エアポートメサ」「ボイントンキャニオン」「カセドラルロック」「ベルロック」。それぞれ女性エネルギーか男性エネルギーかと分けられているそうです。

小さい子連れでも楽しめるだろうと言われていた「ボイントンキャニオン」「ベルロック」を見に行くことにしました。

ボイントンキャニオン

トレイルの駐車場が空いており車を止めることができトレイルスタート。ベビーキャリアに2歳を入れて、4歳は歩いて出発。入口で謎のおじさんに遭遇。あなたの家族の幸せを願って・・ということでハート型の石を3つくれました。な、なんだ?と思ったが、この人は「ハートおじさん」と言われている有名なおじさんだったそう。ハート型の石をみんなに配りながらトレイルをして頂上で笛を吹く。この情報を知らなかったため、超軽装で暑い中トレイルに進むおじさんを見て、大丈夫・・?と思ってしまった。

Boynton Canyon Trail(ボイントンキャニオントレイル)を歩き始めるものの看板もよくわからず、しかもかなり暑く、4歳を励ましながら少しずつ進む。往復1時間と聞いていたが30分たってもそれらしきところには辿り着けず、おそらく違う場所に辿り着いた。

ボイントンキャニオンのゴールはカチーナ・ウーマンという女性エネルギーの岩とノエルという男性エネルギーの岩がついになった場所。別の岩にたどり着き、そこで絶景を楽しみ、これ以上は4歳が持たないということでこのトレイルは終了した。

トレイルは日陰も少なく、昼は非常に暑くなる。重装備の準備が必要であるわけではないが、少なくとも水分の準備は忘れずに。

青いマクドナルド

炎天下を1時間以上歩いたためクタクタになってセドナで絶対に行きたかったマクドナルドへ。アメリカに来てから実はマクドナルドは行ったことがない。他にバーガーのファストフードが大量にあるからだ。しかし、セドナのマクドナルドは私にとって必須だった。なぜか。それは青いから。

マクドナルドの「M」は黄色。しかし、ここセドナは世界で唯一青い「M」なのだ。セドナ特産のターコイズブルーを表していると思われる色。青い空のもと、青い「M」を見つけてテンションが上がる。久しぶりにビッグマックを注文し、子供たちは日本でいうハッピーセットを注文。全員がクーラーの効いた店内ですずむことが出来た。

汗が少し冷えてきた頃、店の外で激しい雨が降り出した。先ほどまであれだけ真っ青な空だったにも関わらず、白というよりは黒い雲という表現が正しいような大きい雲。そこから大粒の雨が落ちてくる。山の天気は変わりやすいのだろうか。

少し雨宿りをするもなかなか雲も動かない。覚悟を決めて車へ走ることにした。うわわわーと言いながら、車へ駆け込む。車へ駆け込んだときに気づいた。氷が降ってきてる?
30度をゆうに超えるセドナでまさかひょうに出会うと思わなかった。車内ではコン、コン、と氷が車の屋根やフロントガラスに当たる音がする。大粒の激しい雨の音の中に不規則な氷が当たる音。急な天候の変化に驚きながらも次のポイントへ。

ベルロック

雲を追い越すように車で走り抜け、次のポイントへと急ぐ。次のポイントの方向は雲の切れ目になっていておそらく晴れていそう。
「ベルロック」はその名の通りベルの形に見える岩。ベルロックに向かう途中でサンダーロックマウンテンを横目にベルロックへ向かった。サンダーロックマウンテンはディズニーのモデルではなく、似ている岩らしい。

ベルロックにはBELL ROCK PATHとBELL ROCK CLIMBの道が2つ。PATHはベルロックをみながら周りをぐるっと回るコース、CLIMBはベルロックそのものに登るもの。ベルロックの写真を綺麗に取るなら登るより遠目からの方が上手く撮れる。CLIMBは降りるのが怖くて降りられない人が続出するらしい。今回は遠目から見ようということでベビーカーを押しつつ5分ほど歩いて写真を撮って満足。

子供も疲れているので、トレイルは終了。
最後に買い物だ!とアップタウンへ。

子供が疲れて車で爆睡してくれたため、しめしめ計画通りだと思いつつ、一人でアップタウンへ。セドナアップタウンはお土産屋さんがずらりと並んでいる小さな町。ここで念願のターコイズアクセサリーを1つ!買うのだ!

また分厚い雲が追いついて天気が悪い。時々ざっと雨が降ったり止んだり。一人だとなんて歩きやすいんだ。あっちの店へ、こっちの店へ。ここで1つ注意。ターコイズのアクセサリーはいいと思ったら買うべし。どの店も似たようなデザインのものが売られている。迷ってるうちにどこで見たのかどれが欲しかったのかわからなくなる。たくさん選択肢があると人間は選べなくなり、選択肢を狭めた方が選びやすいというのは有名な話だが、まさにそれ。悩んでいると子供が起きたよーと連絡が入り車へ戻ることに。子供とアップタウンを練り歩くもゆっくり見る気持ちも時間も持てず、結局自分用のアクセサリーが購入できなかった。

この旅一番の後悔になってしまった。今考えても買えばよかった。ちなみにちょっとお値段ははる。といっても買えばよかった。
結局買ったものはターコイズ風のビーズがついた娘のアクセサリーと息子のピンバッジ。くぅ、自分のものも買えばよかった。

7日目:大移動パームスプリング

4日かけて移動しながらセドナへ到着したが、帰りは2日で帰宅予定。ぐるっと回りながら4日かけて回ったとはいえ、半分の日程でロサンゼルスへ帰るためかなりの大移動になる。この日は6時間超えの移動予定。この旅で一番長時間の移動。

3−4時間の移動は子供もあまり苦ではなくなってきているが、5時間を超えだすと飽きてきたり、流石にしんどくなってくる様子。とはいえ、帰るためには仕方がない。お菓子・ジュース・水も少し減ってきた。コーヒーと牛乳も購入して準備万端。いざ出発。

また砂漠の中をすごいスピードで進んでいく。150km/hくらいだろうか。そのスピードで進んでも景色が全く後ろに飛んでいかない。見渡す限り同じ景色が広がり、ゆったりと流れていくため自分のスピードに気づかない。

広大な景色の中進んでいくと時々小さな集落のような街が現れる。制限速度の看板が急に制限をかけてくると、もうすぐ街なんだな、とわかる。ある程度出発前に街をチェックしていて、トイレ休憩ができるところを探してある。子連れ長距離ドライブには大切な準備。日本のように有料高速道路はなく、サービスエリアもない。ひたすら広大な道を走り抜け時々現れる街で休憩する。その繰り返し。実際に街に到着すると治安が悪そうで休憩を断念したりすることもある。

ヤーネルで休憩

今回はヤーネルという街で一旦お昼休憩。Gilliganz Pizzaという店へ入った。ウッドデッキがあり、バーもあっておしゃれなアメリカのバーという感じ。ヤーネルの街はとても小さく、食べる場所もほとんどない。目の間のダイナーも閉まっていた。きっと地元の人が集まるようなところなんだろうな、と感じた。初めて来る街でやはり一番の心配は治安。子連れではいっても大丈夫な店だろうか?と緊張するが、今回はとてもいい感じだった。

そんなところにも必ずハイチェアが置いてある。アメリカのいいところ。ピザとサラダ、子供たちの飲み物を頼んで着席。非常に暑い。セドナもかなり暑かったが、さらに暑い。

そしてこのお店。とっても美味しかった。何よりピザが。アメリカでピザは生地が分厚いものが多い。ドミノピザの普通のやつとか、ナポリピッツァパターン。伝わるだろうか。しかし、ここは薄い生地。ミラノピッツァだったか、うすい、少しパリッとした生地。もちろん好みではあると思うが、重いアメリカンフードが続いていてそろそろあっさり系が食べたい・・と思っていた私には嬉しいピザだった。ピザなのであっさり系ではないが。

見た目も可愛い店に満足して、炎天下においてきた車内に恐怖をいだきつつ、車の元へ。
そこで大事件が起こった。正しくはおこっていた。フロントガラスに大きなヒビが入っていたのだ。助手席側のフロントガラスの端っこから雷一閃、という感じ。見事にヒビが入っていた。

一瞬何が起こったかわからなかった。ん?なんか模様?ん?割れてる?・・・そんなわけないよね、さっきまで何もなかったし。・・割れてる。
路駐していて、おそらくトラックでもすごいスピードで走り抜けたのだろう。小石が跳ねて割れたと思われる。他にもフロントガラスに傷が入っていた。アメリカでは路駐は違法ではなく、むしろ今回も路駐しか駐車場がなかった。そして道が非常に悪い。都会の中でもコンクリートはひび割れていて、ガタガタしながら走るのは当たり前。田舎になると舗装も甘く、小石が散らばっている。その小石が飛んできたのだろう。

・・いっても仕方が無い。怒る相手もいないし、保険でカバーされていることを祈りながら移動を続けることにした。

灼熱のブライス

次の休憩ポイントはブライズ。お昼に到着。トイレ休憩も兼ねてスタバへ。あっつい。携帯では42度と表示されている。アメリカは非常に乾燥しているため、日陰にいれば暑い日でも大抵の場合涼しく、家の中はクーラーなしでも過ごしやすい。しかし、42度は日陰でも許してくれなかった。日本のように暑さが身体にまとわりつく感じはないのだが、空気そのものが暑い。息を吸うと暑い空気が体に入ってくる。空気自体も膨張している気がした。

グランデのもう1つ大きいVentiサイズのカフェラテとピンクドリンクを注文。ところが、暑いせいなのかリフレッシャーがもう売り切れたと言われてしまった。ピンクドリンクはおろか、他のジュース系が全て注文できず、子供が飲めるものがない。仕方なく水とボトルジュースを購入。

車内の温度が数分で上昇し始める。熱くなり切る前に車内に戻り氷入りの飲み物で体を冷やす。さぁ、目的地のパームスプリングまであと一息。

パームスプリングへ到着

旅の最後の宿泊はパームスプリング。ここは砂漠の中のリゾート地。スプリングというだけあって温泉もあるらしい。温泉!入りたい!

パームスプリングの街へ到着すると見ているだけで暑そう。ほとんど人は歩いていない。ホテル、プール、ゴルフ場が広がり、そのリゾート地を抜けるとファストフード店やレストランが並ぶ場所に到着。その一本入った場所に今回は宿泊することにしていた。リゾートホテルはやはり・・高い。

到着してすぐにプールへ!
もう、暑い。暑い。ロサンゼルスでは流石に17時ごろになると気温が下がってくるが、18時になっても35度でまだまだ暑い。普段は18時台に食事、20時台に就寝として旅行中もその時間はできるだけ崩していなかった。しかし、18時でもまだまだあつくこのまま街に行くのは危険と判断し、いや、動きたくない!と思い、今日はゆっくり目の夕食にすることとした。

初日のラスベガスの寒いプールとは違い、暑い!ずっと水の中にいたくなるプールを1時間ほど楽しんだ。小さいプールではあったものの子供も何人かいて気楽に楽しむことができた。長時間のドライブで窮屈だった子供達も思いっきり体を動かせて楽しそうだった。よかったよかった。

日が落ちてからレストランが並ぶ街へ。日が落ちたというのにまだあつく、街ではミストが噴射されていた。日本の真夏の街中やフェスで噴射されているアレだ。正直私はあのミストが苦手だったが、この暑さにはありがたい。

旅行最後の夕食はイタリアン。白いテーブルクロスがかかって、ナイフやフォークが並べてあるレストランに入るのはそれなりに覚悟がいる。間違いなく、子供が汚すし食器は落とす。しかし、最後だしホテルから歩いて来れているためワインも飲めるいい感じのところで食事がしたかった。腹を括って店へ。
パッと見た感じはおしゃれで覚悟を決めて入ったのだが、入ってみると結構カジュアル。隣のテーブルでは大きい犬がちゃんとふせをして飼い主の食事をゆったり待っていた。久しぶりのワインを味わいつつ、結局グラス半分ものめず夫に渡しつつ、旅最後の食事を楽しんだ。

食べている間に街はすっかり夜になりライトアップもところどころでされていた。観光地ならではの子供向けのおもちゃ屋さんに子供が吸い込まれそうになるのを防ぎつつ、ホテルへ。

普段より遅めの就寝。明日は帰宅する日、まぁのんびりと行こう。

8日目:エリアルトラムから帰宅

パームスプリングの朝は暑い。朝から暑い。
朝食会場へ足を運び、シリアルやらフルーツやらを寝ぼけ眼で食べる。さて、どうするか。

昨日子供が寝た後にパームスプリングでやることを調べていると、エリアルトラムという世界最大の回転式ロープウェイがあるということがわかり、最後はここに行って帰ろうということになった。しかし、子供はプールに行きたい。

仕方ない、チェックアウトまでプールで遊ぶか。
昨日プールで遊んだ水着はすっかり乾いていてこの地の乾燥を思わせる。水着を再度装着し、プールへ。朝から暑いため9時台でも十分楽しめた。プールに来ていた家族と話していると、エアリアルトラムの話になった。「パームスプリングに来たなら乗るべきよ!」ということで俄然楽しみに。

エリアルトラムに乗るために駐車場に行くと受付で車が並んでいる。受付でロットナンバーを伝えられ、指定の駐車場へ。暑い。炎天下。日陰なんて1ミリもない。車内の温度上昇に戦々恐々としながらも駐車場からトラム乗り場へのバスを待つ。待っている間肌がジリジリと焼かれていく感覚があった。できるだけバス乗り場の屋根の下に行きたいため後ろから迫る人、動きたくない人で懐かしい日本の満員電車のよう。

バスに揺られて3分ほどでトラム乗り場へ到着。大人なら歩ける距離だった。エリアルトラムに乗るため、さらに行列。チケットを購入すると待ち時間30分。期待が高まっていく。待ち時間の間、がっつりキャンプかトレイルの準備をしているお姉さんにお菓子をもらった。兄は大事にする、と袋に入れて妹はその場でぱくぱくぱくっと全て食べ、お姉さんは面白がってくれていた。

30分後、やっと私たちの搭乗の順番が回ってきた。エリアルトラムは丸い形のロープーウェイ。床が360度回転しながらチノキャニオンを4キロメートルほど上昇していく。10分ほどで標高2,595メートルのマウンテン駅に到着する。マウンテン駅にはレストランやバーがあり、ロープウェイの中でも楽しむことができる。ここでちょっとしたサンドイッチとお菓子を食べて、いよいよ展望台へ。

外に出て驚いたのは気温。標高2,500メートルのため当然乗る前と気温がぐっと変わる。20度くらいだろうか。非常に涼しい。眼前に広がる景色は日本で見る山の景色とは異なり、岩肌が見えていてところどころ木が生えている。その下には砂漠が広がる。言葉にすると日本で経験できない貴重さや壮大さが伝わらないが、「なにこれ、なんか見たことない!すごい!」という感じなのだ。

展望台だけではなく、マウント駅からトレイルに出発することができる。キャンプの準備をして歩いていく人もいれば、おそらくロッククライミングをするための大きいマットを担いで歩いていく人もいる。自然を満喫する場所といった様子。時間が合えば子供たちをハイキングに連れて行ってくれるツアーのようなものもある。山の中にいる動物や植物について説明を受けながらハイクする。小学生くらいが対象で、とてもいい経験になるだろうと思う。

このトラムは冬も運行していて、山は雪山に代わるそう。ロサンゼルスは一年中穏やかで雪を見ることはできない。ロサンゼルスから車で2−3時間のここパームスプリングはロサンゼルスに住む人のウィンタースポーツの場所なのかもしれない。

ロサンゼルスへ

さて、これで今回のアメリカ2000kmの旅は終了。あとは2−3時間のロサンゼルスへの帰路につく。2−3時間ならもう余裕だ、と思っていたが「旅は帰るまでが旅」。本当にこの言葉がみに染みる帰路になった。

ロサンゼルスに近づくとハイウェイの車線は増え片道5・6車線になっていく。そしてどんどん車が増え、渋滞に。マリファナの匂いがどこからともなく匂ってきて、あぁロサンゼルスだなと思った。その時だった。前の車が急ブレーキ。思いっきり急ブレーキを踏み、キキキキッと嫌な音と共にギリギリでストップ。前の車は衝突を避けるためにハンドルを壁側へ切っていた。
ぶつかる!と思った。

カリフォルニアはアメリカの中でも事故の件数が最も多い州。あのタイガーウッズが事故を起こして入院になったのもロサンゼルスのハイウェイ。咄嗟のことで私は足を踏ん張ることしかできなかった。いざというとき子供を押さえなきゃと思っていたが、そんなことはできないことがわかった。もちろんシートベルトはしているし、チャイルドシートにも乗ってはいるが。かなり恐怖体験で心臓の音がしばらく鳴り止まなかった。無言で深呼吸をして「ギリギリで止まってくれてありがとう、私だったら多分ぶつかっていた。」と夫にいうと、「こんなに急ブレーキになるとは思わなかった。」と。

とにかく、事故を起こさなくてよかった。最後の最後まで気を抜いちゃいけない。8日間の旅行は最後は日本食で締めよう、ということになり1杯2,000円を超えるラーメンで旅を締め括ることにした。お寿司も捨てがたいが、寿司屋でアナフィラキシーを起こした娘がいるため、ロサンゼルスでは生魚は食べないことにしている。

ラーメンと共に家に帰り、ほっと一息。
これで旅はおしまい。楽しかった。また、行きたいな。

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