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MOVIE REVIEW 「Oasis KNEBWORTH 1996」

(監督:ジェイク・スコット 出演:Oasis)

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1996年8月、2日間で25万人を動員したOasisの伝説のLIVEのドキュメンタリー。Oasisのバックステージを見せるだけではなく、ファンたちがなぜ、そしてどのように彼らに熱狂したのかを、インタビューや当時の映像を用いて見せている。

Oasisは私が最もラジオを聴いていた中高生時代にしょっちゅう流れていて、耳の青春と言っても過言ではない。

「Stand By Me」や「Don't Go Away」が入っている『Be Here Now』はめちゃくちゃ聴いたし、このアルバムのジャケットは、私の中でずっと「おしゃれなCDジャケットナンバーワン」に君臨し続けている。

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「Oasisは僕らで、僕らはOasisだ。彼らは音楽を作り、僕らはそれを聴く。同じものを愛している同士なんだ」

「彼らと一緒に時代の一部になれたような気がした」

「Oasisの歌詞に救われた。今の社会を表している言葉だ」

「労働者階級出身の5人がロックのスーパースターになった」

と、ファンたちは話す。

そして、「もしメンバーに何かをあげられるとしたら?」の問いには、

「喜びをあげたい。彼らは私たちにたくさんの喜びをくれたから」

「透明人間にしてここ(観客席)にいさせてあげたい。Oasisのファンの一体感が最高だから」

と答える。

また、こんなにも人々を熱狂させる自分たちについて述べた、ノエルのこんな言葉も印象的だった。

「俺たちは才能があったわけじゃない。ただ正直だっただけだ」

ファンがバンドを自分たちの代弁者だと感じること、決して簡単ではないスターへの階段を音楽に対する正直さによって駆けのぼった彼らを誇りに思っていること、彼らに対して感謝の念を抱いていること。そして、ファンとグループが共同体であること。

まるで、現在のBTSとARMYのようだと、私は上映中ずっと考えていた。歴史に名を刻むグループとファンとの関係性はどの時代も似ているものなのだなぁ。

そしてまた、25年経っても色褪せない、楽曲のかっこよさにもあらためて度肝を抜かれた。「本物」は時代を超えていつだって人の心を打つのだ。

インターネットが普及していない時代において、これほどまでの人気を獲得していたのだから、Oasisの偉大さがよくわかる。当たり前だが、ライブ中に誰もスマホをステージに向けず、ただただ彼らが奏でる音楽と彼らの姿に陶酔しているファンの姿を見て、いい時代だったなぁと思ったりもした。

手を後ろに組み、腰を落として足はガニ股気味。その姿勢で少し高いマイクスタンドを見上げるように歌うリアムの声が、バンドの骨太なサウンドに乗って、しびれるようなうねりを起こす。

あぁ、これがOasisだ。ものすごく贅沢で、濃厚で、熱い120分だった。

オアシス:ネブワース1996 公式サイト https://www.culture-ville.jp/oasisknebworth1996

Blu-ray、DVDも発売中。


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