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ゲーム「Lkyt.」感想

※この感想は18禁BLゲームの感想です。ご注意ください。

 paradeの作品を1作目2作目とやってきましたが、そうなるとやはり3作目もやるべきだろうとプレイしてみました。あとね!この会社はゲームシステムが素晴らしいことが確定してるのでね!それを浴びたいが故にプレイしてると言っても過言ではありません。

ジャンル:主人公総攻め和風ファンタジーADV
媒体:PC
プレイ時間:21時間

■ あらすじ

 公式から引用します。

世界の終わりが来る。
世界を滅ぼす魔物が棲むという、この世の果ての不毛の地。
魔物の穢れに侵されたその地に自ら留まり、抗うことを使命とした人々がいた。
汀の国、その民たち。
掟に従い、魔物への防衛を固めて過ごす平穏な日々。
絶望の日は伝承のみに残る遠い昔であり、その再来ははるか遠い未来とされていた。
だが、ある夜、都に急を知らせる鐘の音が響く。

何故、今なのか。
どうしてそれは起こるのか。
世界の命運を握る戦いの中で、若き英雄が辿りついた答えとは──

introduction

paradeは結構重たい世界観を持ってきますが、これも重たさを匂わせてきますね~~~!!こわいよ~~!!!


■ 総攻めという言葉は少し違和感

 話をこれ以上突っ込むとダメージを負いかねないのでジャンルについて言及しましょう。ジャンルは「主人公総攻め和風ファンタジーADV」。たしかに全部のシーンで主人公が突っ込む側なのですが、主人公自身は「できれば突っ込みたいけど、まあどっちでもいい」という価値観です。
主人公も相手キャラも自分が突っ込むものだと思ってて、主人公が突っ込みたいと言ったら驚きつつも引いてくれるって感じでした。「抱かせてもらってる」感じかな。
主人公は「今度は突っ込ませてあげようかな」とも考える攻めなので、総攻めという言葉には少し違和感。総攻めって逆転無しなイメージなのでね! あ、念のため言っておきますが、作中では逆転しないです。してもいいな~って匂わせがあるくらい。
ジャンルとして言われると違和感なだけで、こういうのも好きです!


■ そもそもみんな異性愛者

 今作はみんな異性愛者前提の、義務兼友情兼好意のごちゃまぜ感情でキャラ同士が接してたのが他のBLでは見ない感じで面白かったです。でもブロマンスとも言えないんだよな。難しいです。
でもそうだよね、他人に向ける感情なんて1つじゃないし、感情は一人だけに向けるものでもないもんね。



■ ゲームシステムはいつも通りの最高っぷり

 毎度最高のparadeさんの素晴らしい機能はみんな知っているでしょうということで、私が見たことある機能は箇条書きにしておきます。

  • シーンジャンプ機能

  • 簡易設定機能

  • グロテスク・体毛緩和機能

  • 緊急回避モード

  • その他セーブロード等一般的な機能

画面とかもこんな感じ。

©parade

そして箇条書きした以外のこいつぁすげえ!というシステムを書いていきます。

・EASYモード

 こいつがあることをクリアした後に気づいたのですが、EASYモードをオンにしてると選択肢の横にキャラクターの顔が表示されるそうです。つまり、何も考えずに好きなキャラの顔を選べばそのルートに行けるという機能。なんという親切……!

・起動画面設定

 この手のゲームでよくある、エンディングを迎えるたびにエンディング画面が変わる仕様がありますね。基本的にその画面は変えられないのが従来の仕様だったと思います。しかし!本作は!どの起動画面にするか選べる!なんてすばらしい!!

・音楽鑑賞

 主題曲の歌詞がこんなに丁寧に入ってるのを初めて見ました。この曲大好きなのでめちゃくちゃ嬉しいです。

©parade


■ 全部バッドエンド仕様

 トゥルーエンド以外のエンドはすべてバッドエンド仕様です。いや語弊がある。私が勝手にそう思ってるだけです。トゥルーエンドも見方によってはバッドエンド。なのでそういうのが苦手な人は注意した方が良いかもしれません。……parade選んでる時点でそういうのは平気かも~!?ダハハ!(泣)





~~~~~ネタバレするよ~~~~~






■ キャラクターと各エンディング

 本作は、共通ルート、2種のルート、さらにその後キャラクターのエンディングという形となってます。基本ルート分岐すると別のキャラクターの話でもだいたい流れは一緒って感じ。クリアした順に書いています。

 主人公は与(たすく)。平民の兵士で恋愛には疎く、戦闘狂の素質があります。この国の人は小さい頃から戦いで命を散らすことについては誉れと思っていますが、その中でも群を抜いてます。

・共通ルート

 本作の世界観は人VSバケモノの崖っぷちの世界観です。国の一番偉い人である皇王を含めたバケモノ殲滅部隊を結成し、連絡が取れなくなったところから開始します。
救出部隊を編成し、その部隊の中に主人公の与が組み込まれました。そしてその与に対して、異能力を有してる天子様、永羽(とわ)様が魂と魂を結びつける儀式、結魂(けっこん)をしようと持ち掛けます。結魂した者同士は念話をすることが可能となり、国から出ることができない永羽様が細やかに探るために必要なことだからです。結魂は本来なら心が通い合ってないとできないけれど天子様パワーで強引に儀式成功。
そして救助部隊として出陣し、唯一の生存者である按護(あんご)様を救出します。

・分岐はするけど大まかな流れが一緒な部分

 按護様を救出した後、きっかけはそれぞれですが強くなるために与が結魂の儀式をやろうとするところから始まります。
そして仲を深めていき、エンディングが確定していく。大筋はどれも一緒です。若干の寄り道が異なるため、長流様とヤエルがほぼ一緒、永羽様と按護様がほぼ一緒という形になってます。

・長流(たける)ルート

 皇王の弟。時期皇王とされるほど偉い人。高潔で聡明、固い態度を崩さない人で民から慕われています。天子様(永羽様)の弟で、兄を尊敬してます。
長流ルートとは言っても上に書いた通り基本的な流れはヤエルと一緒です。その相手が長流様の場合、ま~~~可愛いこと可愛いこと!
堅物っぷりが面白いです。「この儀式をするために伴侶に……一理ある!いいだろう!」いやそうはならんやろ感。今まで真面目に進めていたのに途端にアホ展開になったので大爆笑してました。ギャグもしてくれるの!?ありがと~~! この時だけは頭を空っぽにしてダハハと笑っていられました。
男同士の行為について兄(永羽様)に聞いてしまうのも可愛かったし、えっちなシーンで唯一和んだキャラだったな。

・長流バッドエンド

 按護様が亡くなり、さらに結魂の儀式に失敗してしまうことによって暗中模索の中で戦闘を行う羽目になったエンド。長流様を庇って致命傷を負うことによって儀式が結べるようになったけれど、その後あっさりと敵に殺されます。こんなあっさり……。

・長流バッドエンド2

 はい、ぜ~~んぶバッドエンド!!バッドしかねえ!!でもこっちが本当のエンディングなんだろうなっていうことはわかる!でもベストエンドなんて書きたくねえ!救いなんてねえー!!

 展開はどのルートもだいたい一緒なのでまとめておきます。
「按護様の情報を得て敵の様子がわかり、その状態で戦いを挑む。与が敵の母体と対峙した際に、敵の正体が脆弱な原初の生命であり、他の生物の死骸から養分を吸収していたと判明する。そして与の機転により、母体ごと飲み込み、与が生きてる間は母体を抑え込める形となった。しかし内部分裂により反逆に巻き込まれ与も相手キャラも死亡。与の中にいた母体は暴走を始め、与と結魂している相手キャラを一時的に生き返らせ、与を殺させようとする」
これがもうひとつのエンディングだ!わ~~~地獄!!!!

与を好きだけど、殺したくないけど、生き返った影響でバケモノになっても、民に石を投げられても、「それでも俺は、民を、兄上を、救いたいのだ」って言ってた長流様の慟哭が可哀想すぎるよ。しかも一時的に生き返ってる時限式の命だから死ぬことが確定してるのにこれだよ。辛いよ。

・ヤエルルート

 砂漠の国から派遣されている兵士。単独行動を好み他人と距離を置きがちです。異国情緒溢れ、よく冷笑を浮かべてるキャラ。
そんなヤエルが、高貴な女性と運命的な出会いをしたけど身分的な意味で絶対に結ばれることがないことが確定してたのでその女性を避けに避け続けた結果、汀の国まで飛ばされたことが判明しました。運命の相手、いたんか……!と感慨深くなっちゃった。一目見た時からお互い感じ合うものがあって相手も自分も求めているのにヤエルだけは理性で完璧に抑えてたって、なに?少女漫画だったらこっちが主役だったよ。お前ら結ばれてたよ。
 長流様の場合は友情交じりの好意を感じましたが、ヤエルの場合は……庇護?そんなニュアンスを感じました。好意には変わりないけど、しょうがないから相手してやるよ感。弟とかに向けるような、微笑ましい感情を感じました。
ヤエルが相手の場合は与が「もしかしたら、好きかも……!」とお花畑っぽい感じになってるのが可愛かったです。

・ヤエルバッドエンド

 都での決死戦であっけなく散っていくエンド。主人公の意思で行動せず他人に選択を委ねる場合、もしくは疑いを忘れた場合、バッドエンド直行になるのが面白かったです。まあ、どっち選んでもバッドエンドなんすけどね!

・ヤエルバッドエンド2

 やーっぱバッドエンド!全部そう!!!
長流様の話と同様、敵の母体を抑え込めたと思ったのに反逆に巻き込まれて二人とも死亡し、一時的にヤエルを生き返らせ、与が暴走状態なので殺してくれと依頼する流れです。最初は断るけど永羽様の説得によって、依頼を受けることに。でも、その説得で依頼を受けるかぁ~?ってなっちゃった。公式の解釈を受け取れなかった。
でも「一緒に死んでやるからよ」のヤエルの声がめちゃくちゃ優しくて大好きでした。その言葉を言えるほど大事にしてくれてたんだ……。

・按護ルート

 勇猛かつ公正な人物。過去に妻子を失っており、それから配偶者を得ていない人で、全滅部隊の唯一の生き残りです。
長流・ヤエルルートではほぼ眠りっぱなしだった按護様ですが、さすがに今回は目を覚まします。ただし記憶を失ってるので全滅した際の詳細はわからない。そのために結魂を通して夢の中から記憶を探ろうとしてるのがこのルートです。
しかし、永羽様が按護様と与をくっつけるために香油まで持ち出すのは面白かったな。永羽様、仲人っぷりが面白い。

・按護バッドエンド

 こちらもあっさり死ぬエンド。調べたところ、3人攻略後は永羽様ルート入りする選択肢とのこと。バッドエンド消えるってこと!?いや全部バッドエンドだけど!

・按護バッドエンド2

 母体を抑え込めるのも反逆するのも一緒。ただし按護は与を眠らせてから安らかに殺すし、按護自身反逆した一族の仲間なので死んでないし、その時に苦悩しながらも与を殺しています。そのため一時的に生き返ってない。ないからこそ、辛い!
その罪を背負うのと暴走した与を呼び出す目的で拷問を受け平野に放置されることになってしまいます。英雄(与)を殺した謀反人として痛みを受け入れてるのが辛い。でも最初からこの人、自罰的だし無気力なんだよな~!
子供がバケモノ交じりだったせいで妻子ともに失ってから無気力に、自罰的になっていたのが按護でした。実は子供が生きていたことを知っても涙を流しながら受け入れるし、涙を流しながら与を再度殺すことになってるし!もう!ばか!!!

・永羽様ルート

 皇王の長子であり天子という役割を持つめちゃくちゃ偉い人。人というか現人神。許嫁もいる。いるが全滅した際の部隊の中にいたので普通に死んでる。許嫁のエピソードもめちゃくちゃ良くて、少女漫画だったらお前らが主役(ry
こちらも与が母体を抱え込むことも与が死ぬことも一緒なのですが、実は裏でちょこまかと動いていた狂人(長流・ヤエルルートでは初期に殺してたのでいなかった)が永羽様を殺そうとしたことによって、今まで見えなかった裏側が見えてきて面白かったです。天子ってこういう存在なのか……。

・永羽様バッドエンド

 結魂の相手が与を殺す役割を担っていたため、このルートでは当然永羽様がその役割を担います。今までは天子である永羽様に役割を与えられていましたが、自ら武装し外に出て、自ら呼びかけ、与が出てきたら即座に与を殺していました。ためらいは一切ない。その後は与死亡に巻き込まれるので永羽様も死ぬんですが、本当に、つ、強い……。
そして永羽様は右目と肉片のみになって汀の国に鎮座して更なる万が一の事態に備えてたのでリスク管理が凄すぎます。でも嫌!嫌すぎ!!!
 ただ、このエンディングだけが、唯一本人たちはちゃんと幸せに終わりを迎えられたかもしれないと思えるエンドでした。痛みを必要とせず、役割を全うし、安らかに殺し、安らかに終われる。天子だからこそ迎えられたエンディングなのかもしれません。も~~~ほんとどうしようもないよこの世界……。
そしてエンディング後に出てくる文字!!!「Love kills you twice.」!!!愛はお前を二度殺す!!そうだねえ殺されてたねえ!!バカ!!!タイトル回収だよバカ!!!

・それから

 与が相手キャラと一緒に死んだことによって巨木が発現し、その巨木を中心に緑豊かな肥沃の地になり、汀の国は平和に暮らしましたとさ!めでたしめでたし!!(怒)

・与について

 この世界でこの結末になるのはしょうがないと思うし不満はないんだけど延々とため息をついてしまいます。与の最後のセリフで「いつか、また」と言うのが、幸せそうな感じで、こう、うう~~!! 与が満足してるなら私がこれ以上思えることもないよ……ないよぉ……だって満足してるんだもんこいつ……。与にとっても相手キャラにとっても世界が平和になることを求めていたのでたしかにこれはハッピーエンドなんですよ。そして汀の国にとってもハッピーエンドですね。犠牲になってる人はいるがな!!






■ まとめ(ネタバレなし)

 プレイ時間は21時間。放置時間もあったので実際はもうちょい短いかも。BLとしての甘さは控えめ、世界観は滅亡まっしぐらの世界。「抱かせていただいてる」感じを見たいならとても良いと思います。クリア後になんとも言えない声を出したい人もおすすめ!!

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©parade

備忘録用メモ。Twitterでの実況です。

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ゲーム感想まとめ

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