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ゲーム「Odin Sphere Leifthrasir」感想

 「Odin Sphere Leifthrasir」、日本語で書くと「オーディンスフィア レイヴスラシル」。本作は元々PS2版に出ていたもののリメイク作品にあたります。
朧村正はプレイ済みでしたが、本作は全く知らない状態でプレイしています。システム・ストーリーともに満足だったという感想です。これはいいぞ!

ジャンル:2DアクションRPG
プレイ時間:34時間半
媒体:PS4

■ ストーリー

 公式いわく「北欧神話をベースにした物語」とのことです。そもそも「レイヴスラシル」と言う名前も北欧神話にてラグナロク後に生き残る人間である「Lifdrasir」をもじってると思われます。
公式トップページに書いてあるものがあらすじとしてわかりやすかったので、こちらを引用します。ついでにPVも載せておこう。

エリオン大陸において絶大な力を誇っていた魔法大国バレンタイン。
魔力の結晶炉「コルドロン」をその力の源とし、栄華を極めたが、一夜にして滅び去ってしまう。
やがて主のいない「コルドロン」をめぐり国々の争いが勃発し、その戦火は日増しに激しくなっていく。
エリオン大陸に伝わる予言の通り、世界は終焉へと進んでいくのか。

オーディンスフィア レイヴスラシル



■ 屋根裏部屋の少女が読み進める物語

 本作は屋根裏部屋にいる少女が部屋に置いてある本を手に取り、読み進めることでゲーム本編が進む物語です。
一冊読み終わるとともう一冊が出てきて、その本を読み終わるとさらにもう一冊……という形になっています。
主人公は全部で5人。五冊は読み進める必要があります。

© ATLUS © SEGA


■ 実は最初詰みそうになった

 全くネタバレにならない範囲なので語りますが、一番最初、ゲームをプレイしてすぐの時に屋根裏部屋の少女を操作して何をしなければならないのかわからなくて詰みかけました。
本来なら床に落ちている本を抱え、椅子に座って物語を読まないといけないのですが、一緒にいる猫をつかんで椅子に座り、ストーリーアーカイブを開くことを延々と繰り返していました。だってチュートリアルでそうできるよって書いてあったから……。
床に置いてある本を書棚に片付けるのかと、本を抱えて必死に歩きまわってた時期もありました。ハハ!察しが悪い!


■ パロディが多い

 本作は北欧神話ベースのお話ですが、童話のパロディも多いです。
眠れる森の美女、かえるの王さま、たぶん不思議の国のアリス……など、北欧神話に出てくる怪物や類似名称も多くありますが、童話モチーフの話がかなり出てきます。かえるの王様はまさにそのままのパロディという感じで、かなり好きだったな~!
違和感のあるパロディじゃなく、オーディンスフィアの物語に落とし込んだうえで違和感ない展開なのがとても良いです。


■ 終焉に向かう物語

 本作は終焉へと向かう物語です。
世界が終焉に至るのは予言で確定しており、その中に生きるキャラクターたちの人生を見守るお話となってます。


■ 各主人公たち

 主人公たちを簡単にご紹介します。

グウェンドリン

 北方の大国の姫。王である父の愛に飢えており、武勇を立てることで父からの愛を得ようとしている。父以外からはめちゃモテ。
おそらく眠れる森の美女モチーフ。
癖がなく使いやすい槍使い。ただし空中移動はちょっとやりづらい。

コルネリウス

 タイタニアの王子。亡国の姫と恋仲。
いきなり獣の姿に変わってしまい、呪いを解くために奔走する物語。
スピード重視で地上敵には爽快感がある剣使い。空中の敵はやりづらい。

メルセデス

 妖精の国の姫。
女王が亡くなったことによって女王を引き継ぐことになった幼い姫。途中で出会うカエルとのエピソードが最高。おそらくかえるの王様モチーフ。
最初は使いにくいがラストのボス戦ではかなり強い銃使い。唯一空中戦が得意。ただし最初から最後までアクションに苦手意識を持っていました。

オズワルド

 育ての父から利用され、死の呪いを纏いながら剣をふるう剣士。
後々グウェンドリンに惚れる。
バーサーク状態になることが可能で、それがめちゃくちゃ強い。最高。バーサークは体力回復もできるので地上敵なら最強だと思ってる。空中の敵は……操作難しい。

ベルベット

亡国の姫。コルネリウスの恋人。
予言の運命に抗おうと奔走する物語。イングヴェイという双子の兄がいて、なんとなくヘンゼルとグレーテルモチーフなのかなとも思ったりする。
範囲攻撃の鎖使い。とても使いやすいのに力が弱くて速く倒せないな……という印象。でもめちゃくちゃ使いやすいです。



■ ゲームシステム

ざっくりなゲームシステムは公式動画を見たほうが早いかもしれません。

動画と若干被りますが、私が語りたい部分のゲームシステムについて語っていきます。

ボタン配置が独特?

 スティック付きのコントローラーを使う前提だと違和感があるボタン配置でしたが、スティックを一切使わないプレイスタイルにしたら馴染めるようになりました。スティックを触ることによって余計な動作が頻繁に発生するんですよ……。
スティックを操作することに慣れすぎてると最初は難しく感じるかもしれません。

画面

 横スクロールアクションです。
上部にうっすらとキャラクターの周囲のオブジェクト情報も映るのでそれが便利。

レベリング

 戦闘でも経験値はもらえますが微々たるものです。
本作のレベリングは食事が主です。食事を摂ることで経験値を取得し、レベルを上げていきます。その食事のグラフィックがおいしそうなんだなぁ。
その食事を作るための種や食材をゲットするのが重要になってきます。

© ATLUS © SEGA


アイテム

 自身の所持枠に上限はありますが、色々なものを持てます。
食事、装備品、種、魔法薬諸々。戦闘中に魔法薬を生成可能なため、戦闘時に必要な素材を選んで魔法薬を作り、相手に投げるということもできます。

© ATLUS © SEGA

戦闘

 キャラクターによりますが、通常攻撃と魔法攻撃が存在し、それ以外に上記で書いた魔法薬でも攻撃可能です。
ジャンプや空中移動もキャラクターによるため、物語が終わって主人公が変わるごとに操作感の変わりように驚く羽目になりました。

育成スキル

 キャラクターごとにスキルを獲得できます。
自分が使いやすいようにスキルを取得するのが結構楽しかったです。

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難易度

EASY、NORMAL、HARDがあり、私はNORMALを選びました。
レベリングをちゃんとしないと戦闘が難しく、魔法薬を駆使しないとキツイ局面もあり、NORMALはとてもバランスが良いと感じました。考えて攻略できる難易度って楽しいんだよな!






~~~~ネタバレするよ~~~~





■ 各キャラクターのストーリー

 大体どのキャラも空中戦(もしくは地上の敵なのに当たり判定が上部)が面倒くさかったな~!という共通感想ですが、ストーリーはどれも楽しかったです。

グウェンドリン

 約7時間でクリア。父の愛を求めて戦い、父の心を慮って義姉を救い、父の思想を尊重して憎き敵からの宝を父に差し出し、最終的には恋しい人を救うために奔走する話になっていったのは面白かったです。
グウェンドリンが父の愛を求めて右往左往していた頃から考えると、釣り合った想いを返してもらえるとこんなに幸せになれるんだね……良かったね!とは思えたけど最終的にハッピーエンドになるとは思いませんでした。バッドエンドコースだと思ったじゃん?
しかし、本人さえ知らない婚約者にも狙われているし、敵も魅了されているし、美しすぎて余計なことに巻き込まれてるのはちょっと可哀想ですね。けど美しく心根の優しい女性なんて神話の世界では蹂躙されるものなので納得はいく。ハッピーエンドで本当に良かったね……。
 政治色が色濃い話でもあったけど、他にも妖精の国と主人公の国とがお互いを卑しいものたちだと見下しあってるのが、こういうのアルヨネ〜!って思えて楽しかったです。

コルネリウス

 大体7時間くらいでクリア。 ケモノに変えられた王子と亡国の姫の物語。
ここにきてケモノに変えられた人=プーカたちが亡国バレンタインの国民たちであることが判明し、彼らが魔法のコインを集めて元の姿に戻ろうとしていることが発覚したのは面白かったです。
コルネリウスの性格は「王道の王子様」という形で、優しく、弱者を放ってはおけず、愛しい人の助けになりたい、けれどこの姿では気づいてももらえないし愛してももらえないと嘆く姿は良かったな~。

メルセデス

 約5時間でクリア。 先王が亡くなったことによりお転婆な姫が女王になる成長物語。途中で出てくる呪われたカエルの王子の話がとんでもなく可愛かったです。メルセデスと呪われたカエルとの旅路は本作で一番ギャグが強かったかな?
モチーフ元であるカエルの王様と同じく、姫のキスでカエルは元の姿に戻れるけれど、その後別れてしまうのが悲しかったし、再会を純粋に望んでいました。この時は……。
ストーリー以外だと、最初から最後までメルセデスのアクションが本っ当苦手でした。銃で攻撃をするのですが、

  • 通常攻撃がPOW(自動回復のMPみたいなもの)利用

  • リロードするためには地上にいないといけない

  • 空中戦ではアイテムも利用できない 

これらが合わさって本当にキツイ。
ノンストップ空中劇もあって、止まることなく画面が横スクロールしまくるのが一番辛かったなぁ……ノンストップ空中劇は2回しかなかったけど、マジで死ぬかと思った。

オズワルド

 約5時間でクリア。育て親に利用されて強さと引き換えに死の呪いを受け、それでもひたむきに育ての親を信じ、裏切られ、その後1つの希望のもと愛することを知った剣士の話。
新事実に驚きの数々です。育ての親、妖精国のやつだし!最後の最後まで育ての親に情を残してたようだし!グウェンドリンに接してた時と全く性格が違うし!グウェンドリンに接してる以外の性格ってまさに悪役って感じだったし!
グウェンドリン編も振り返ってみると、グウェンドリンもオズワルドも愛に利用されていた人生だったので、やっぱりグウェンドリン編ラストのハッピーエンドに繋がるなら良かったな~って思えました。

 他に印象深かったのはオーダイン王(グウェンドリンの父)です。厳格な父であり偉大なる王……という描写だったのが、オズワルド編でわかってくる「行き当たりばったりの口八丁」加減。こいつ、パッションで生きてないか?
あとはグウェンドリンの元婚約者であるオニキス。ガチでグウェンドリンに惚れてていいですね〜!まあグウェンドリンはもしかしたら別の国の許嫁でもあったんですがね!ガハハ!政略に使いすぎ!

ベルベット

 約5時間でクリア。亡国の姫が自国が滅んだ原因である兵器を止めようとする物語。
祖父から虐げられ、予知が得意な母からは呪われ、双子の兄は独自で策略を巡らせ(というより巻き込まれ)、最愛の人であるコルネリウスは全く会いに来てくれなくなったという、ベルベット視点ではかなり悲惨なストーリー。母が亡くなった原因でもある憎き父、オーダイン王からはかなり愛されてることがはっきりわかってしまう回でもあります。
 ベルベット独自の話というより、この世界の予言と終焉を迎えないよう奔走していたので、世界観がさらにわかって面白かったな!
まあここから終焉が始まるんだけど……。


■ エンディング

 5ボスをそれぞれのキャラクターで打ち倒すと迎えることができるエンディング。やはり世界は終焉を迎えてしまうのだなぁ。

バッドエンド

 予言を無視し、5つの終焉ボスに対して一人でも対応する人を間違えると迎えるバッドエンド。ちなみにバッドエンドを迎えなくても、たとえ間違ったキャラで相手をして勝利したとしても、ムービーでは負けてることになっている。どうあがいても死。いくつかストーリーのパターンがあるので、キャラクターごとに途中の会話が変わって面白かったです。
プーカは止まった時の中で生きるらしいのでもしかしたらプーカのみは生き残るのか?

ノーマルエンド

 予言通りに正しい相手ですべての終焉ボスを打ち倒すと、視点が屋根裏部屋に戻り、読み手である少女アリスがどんどん死んでいく登場人物たちに嘆き、本についてる飾りが魔法のコインに酷似してることからプーカにコインを捧げます。
何も起きなかったため少女はその場を去りましたが、コルネリウスたちが屋根裏部屋に登場し、コインと引き換えに新たなる本が与えられました。そして新世界を迎えられるエンド。
予言の通り、新世界の祖となる男女二人が選ばれ、大地は再生し、めでたしめでたし……めでたいのか!?

カーテンコール

 バッドエンド以外をクリアすると迎えられるミニイベント。
商人からプレイヤーに話しかけられ、終焉を迎える前と思われる時に全キャラが出現し、プレイヤーは作家である、このあたり(オーディンスフィアの世界)の話を書こうとしている、バレンタインの硬貨をもらった、そして本の名前は「Odin Sphere」である……と語られます。

コンプリートエンド

 このエンディングを迎える条件が面倒くさくてかなり時間を食った気がします。条件はすべてのストーリーアーカイブを埋めるだけ!たぶん3時間半くらいかかったかな?「だけ」が長いんだ……。
 コンプリートエンドとはノーマルエンドと別視点のお話の追加です。ノーマルエンド後、ベルベットもプーカとなってしまい、数千年経て魔法のコインを集め終わり、最後に人に戻してもらうエンディング。
 結局は人としてオズワルドとグウェンドリンが、人じゃないものとして(予言には書かれてない存在として)コルネリウスとベルベットが生き残ったというハッピーエンド?になったのでしょう。しかしそれなら妖精も生き残らせてくれよぉ~!と思ったけどスタッフロール後のイラストで再会?を果たしていたので、あれはあれで幸せなのかなと思い直すことにしました。
 終焉は防げなかったが新世界という希望は無くさず、プーカは願いを遂げられたというわけです。エンディングで一番神話要素感じました。
まさに北欧神話のラグナロクだ~!

その他

 なぜアリスのもとにコインと引き換えに本を置いていったか、が自分の中で納得できる理由が全然見つからない……!!
誰か考察してないかと探し回りましたが考察の絶対数が少なすぎることと、納得できるものが見つからなかったので断念しました。そこだけが残念だなぁ。悔しい。




■ まとめ(ネタバレなし)

 プレイ時間は34時間半。大体5〜7時間くらいでクリアできて、終焉のみバトルを繰り返す羽目になるので3時間半もかかってしまいました。
 ストーリーはまるで絵本を読んでるような感じで、様々な童話のパロディもあり、違和感なくうまく落とし込んでいるのが見事です。
システムも馴染んでしまえばプレイしやすく、難易度もちょうど良いものでした。使いづらいキャラもいたけど、キャラの個性なので文句ありません。
わからないところもあったけど、それを上回る面白さがありました。おすすめ!

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