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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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ゲーム「バディミッション BOND」感想

 本作はNintendo Switchで発売されたゲーム、「バディミッション BOND」の感想になります。最初に結論を書きますが、話はすごく面白かったけどゲームシステムが微妙すぎるって感想です。なのでゲームシステムに文句言ってる感想になります。注意してください。

 また、公式Twitterが丁寧に特徴等を解説してくれているので、こちらも引用しようかと思います。

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ジャンル:アドベンチャー
プレイ時間:59時間
媒体:Nintendo Switch

■ シナリオ

 国家警察に属している主人公ルークがとあるきっかけでアーロンと言う怪盗の相棒を得るところからスタートする物語。闇の組織DISCARD(ディスカード)に迫るべく事件を追い、更に二人の仲間を得て四人チームBOND(ボンド)を結成します。



■ 四人のチームが個性的

 まずは良い要素を書いていきましょう。主要キャラクターが良い!

主人公のルーク、国家警察に属しているだけあって正義感で人を救うことを信条としています。

次に宝石専門の怪盗、アーロン。世界的な大怪盗で「怪盗ビースト」という二つ名が付けられており、豪快で野性的なキャラです。

3人目は元忍者現ショーマンのモクマ。酒好きで色々な女性に声をかけているキャラですが人を助けるために色々なことをしています。

4人目は「仮面の詐欺師」という二つ名が付けられている変装と人心操作が得意な世界的犯罪者。狙った獲物を殺すことになんの躊躇を覚えません。

 こんなあべこべな4人がDISCARDを追うという目的のために組むのですが、基本的に本作はバディものです。二人一組なのです。なのでルークとアーロン、モクマとチェズレイというバディがベースになります。



■ 圧倒的ボリューム

 本作、かなり長いです。ほぼフルボイスと言うこともあってボリューミーです。個人的には、お手元のSwichを見るのではなく大きい画面に映して自動再生にし、アニメみたいに楽しむことをオススメします。



■ サブストーリーが良い

 基本は上記でも書いた通りルークとアーロン、モクマとチェズレイですが、様々なバディを組み合わせを見ることが出来ます。本編中でも見ることが出来ますが、特定の条件をクリアすると見ることが出来る「バディエピソード」。同じく特定条件をクリアすると見ることが出来る「サイドエピソード」もあり、本編以外の視点や本編では語られていない物語も見ることが出来ます。本編で疑問に思ったことはほぼ全部これらのエピソードで語ってくれます。

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■ ほぼフルボイスで漫画的演出

 ほぼフルボイスで漫画的なコマ割りを使った演出をしています。その演出は面白かったのですが、後述する微妙なゲームシステムに工数を割くならこちらを充実させて欲しかったなと思ってしまいます。
  ボイスがついてないシーンは捜査時と潜入時(※後述します)でしょうか。何故こちらだけボイスがついてないのかは謎です。

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■ 作画が良い

 画像でお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、アイシールド21やワンパンマン作画で有名な村田雄介先生が作画を担当しています。なので作画が良い!どこまで描いてるのかは不明ですが、モブキャラも村田先生っぽさを感じられて良いです。


■ パロディネタが充実

 意外とパロディネタを仕込んできています。それが面白くて結構好きです。
先程引用した公式Twitterでもパロディネタを仕込んでて好きですね!「ロングヒィットアドベンチャー」とかね!

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■ 話が面白い

 良いところをまとめるとこれなんですけど、話が面白いです。伏線の張り方、キャラの心情の丁寧な描写、関わる事件。どれも面白くて先が気になります。

 これ以上語るとネタバレになりそうなのでそろそろゲームシステムについて語ろうかと思います。

■ ゲームシステム

セーブロード機能が充実してない

  まずはこれ、セーブロード機能が充実してません。
本作は選択肢等によってゲージが上下し、そのゲージによって章(本作ではミッションと呼ぶ)のクリア評価が異なってきます。このクリア評価によって上記で挙げたサブストーリーの解放が関わってくる訳です。つまりクリアする時には評価を最高ランクにしておく必要がある。
 しかし、本作の面白いところなのですが、選択肢等で失敗してもそれに付随する各キャラのコメントに様々な差異があります。なのでキャラクターに少しでも興味を覚えた人は選択肢によっての会話の違いを楽しみたいと思うでしょう。なのですが、セーブ可能データは全部で10個(オートセーブも入れると11個)、直前の選択肢に戻れるような機能は無く、ロードするのも若干時間がかかります。

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後々語る「潜入」も同じように会話の差分があるのですが、こちらはそもそもセーブ不可。
 会話の差分を至るところに仕込んでいるのに、システムが操作し辛いせいでストレス無く楽しめないのが残念です。どんな時でも見やすく、プレイしやすくして欲しかった。

既読スキップが使いづらい

 まず、設定しないと既読スキップが有効になりません。プレイを始めたら環境設定から設定を変更することをオススメします。

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既読スキップ出来るようになったからと言って操作しやすくなりません。何故なら、何らかの要素を挟むと必ず既読スキップが解除されてしまうのです。これが本当に面倒で!何度も何度も既読スキップのボタンを押すのが地味にキツかったです。

 公式のTwitterでは「遊びやすくする仕組み」と謳っていますが、私は遊びやすいと全く思えなかったので公式との乖離が激しいなと思ってしまいました。

選択肢系システム

 選択肢系は大まかに分けて2つ存在し、間違えるとヒーローゲージが減ってそのまま話が進む選択肢と、間違えてもヒーローゲージが減らずにまたやり直せる選択肢があります。

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この選択肢によってキャラの反応が変わるので、セーブロード機能を充実させてほしい。
 ちなみに間違えた選択肢を見てからそのままロードし直してもう一度、と思っても、直前で見た回答は既読にはなりません。自分でセーブしないと既読にならないので、私はそこが不便だと思ってしまいました。読んだものはスキップしたいんだ。だからこそ既読スキップを使いたいんだ……。

サーチモード

 1つの画像に対して気になるポイントを探していくアクションです。こちらは色々なゲームでよく見かけるゲームシステムですね。

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シンギングタイム

 前述した「失敗しても何度でもやり直せる選択肢」です。ヒーローゲージも減らないので安心して色々な回答を見ることが出来ます。

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捜査パート

 バディを組んで聞き込みをするパートです。このパートでは聞き込み可能なキャラが設定されており、その人とプラスもう一人で聞くことで欲しい情報を得られます。

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聞き込み可能キャラと一緒に行動している時に限り、もう一人に聞き込みさせようと(つまり間違った人に聞き込みさせようと)すると、聞き込み可能キャラが割り込んでくれるのが面白いポイントです。
特定の組み合わせでのみ聞き込み出来る場所もあったり、特定の組み合わせで捜査すると解放されるエピソードがあったりします。
 間違った組み合わせで行なっても会話が面白いのですが、こちらもセーブロード機能の非充実っぷりに段々面倒になってきます。
さらにバディセレクト画面の時にセーブは出来ません。面倒くさい。

潜入パート

 聞き込み完了後、潜入します。どれも2つのルートがあり、どちらで行くかは自由です。
一部の潜入先以外は最後の部屋に入るまでは戻ることが可能なので、一度の潜入でどちらのルートも体験することが可能です。

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この捜査パートでもバディそれぞれの会話の差異がありますが、バディセレクト画面でセーブは出来ないですし、潜入中はセーブロード出来ないので(潜入リトライなら出来ます)これまた面倒くさい。

 そして潜入パートで活躍するポリゴンがひどい!このご時世でこのポリゴンかあ……って思ってしまいました。村田先生のイラストを3D化するのは難しいとは思うのですが、もうちょっとなんとかならなかったのか……?

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潜入パートの面白要素、クソデカシリーズ

 何故その大きさで作ったのかよく分からないクソデカオブジェクトがいくつかあって、それが愉快です。
なんで!?って気持ちになりつつも爆笑していました。

  • デカすぎるダイス、横のルーレット版と同じサイズのチップ

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  • デカすぎるトランプ

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  • 布団レベルの座布団

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  • デカすぎる楽譜と音符

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  • やっぱりデカイトランプ

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  • デカすぎるトロッコ

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3Dモデラーはどんな気持ちで作ってたの?

QTE

 QTEって言葉を本作で初めて知りました。ボタンポチポチアクションはQTEって言うんだ!
そんなボタンポチポチアクション、QTEですが、本作は至る所に使われています。ボタン連打タイプとリズムゲームみたいなやつ。
後者は当初の印象ではリズムゲームみたいな、特定の枠に指定の線が合わさったタイミングでボタンを押すイメージだったのですが、終盤になってようやく気づきました。違います。指定の枠が光ったらボタンを押すゲームです。

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こいつが本当に嫌でした。本作ではQTEがゲームとして面白くない。
そしてこいつはミスをするたびにヒーローゲージが減っていきます。回復手段はミス無しの場合のみ。ミスすればQTEでの回復は無し。
一番引っかかったのが最終章(最終ミッション)での怒涛のQTEです。私が下手くそなせいもあるのですが、最終章のみ何度も繰り返す羽目になりました。セーブロード出来ないので途中のオートセーブを活用してなんとか繰り返すという地道な作業。本当に面倒くさかった。





~~~~ネタバレするよ~~~~






■ ルークとアーロンの関係性がとても良い

 警察官だったルークと怪盗のアーロン、この二人がちゃんと「相棒」に至るまでの描写が丁寧でとても良いです。本格的にネタバレしたくないのであえてぼかしますが、アーロンは昔からの知り合いとしてルークを見て、ルークに何があったかを悟ってそこから関係を築いて相棒になるのが良いし、ルークは今のアーロンを見て「一緒にヒーローをやろう」という発言に至ったのがとても良い。そして二人が体現している「ヒーロー」が本当にカッコいい!


■ ほぼ全部語られる

 例えばこの時この瞬間この人達は何をしていたか?とか、各キャラの過去とか、モブ同士の親交だとか、そういうのがほぼ全部語られます。
私が知りたくて語られなかったことは、ルークは一体どうしてあの施設に住むことを許可されたのか?くらいですね。さらに深堀りすると本格的にネタバレになるので黙しておきます。


■ 予測が外れたところ

 本格的なネタバレをしないために諸々伏せると、ルークはXXだと思ってたのにミスリード食らったりだとか(最後の最後までこのミスリードに乗せられてました)、ファントムはそうだとは思ったけどまさか最初からそうだとは思わなかったりだとか、結構予測が外れて楽しかったです。予測が外れて、という意味ではエンディング後のそれぞれの展開がもう予想外でしたが。主にモクマさん。
プレイする際はぜひ色々推測を立ててプレイしてみると面白いかもしれません。

ネタバレゾーンであっても根幹部分をネタバレをしないように語るのが難しいので、面白系ネタバレを語っておこうと思います。


■ たまに作画が藤田和日郎画

 イケメン枠がまさかの顔芸キャラです。たまに藤田和日郎画になります。

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■ たまに妖しい

 たまに「え!?この表現大丈夫ですか!?」ってなりました。
これとか。

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これとか。

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■ まとめ

 クリアまで合計59時間。潜入も色々なバディで組んでいたので普通より時間かかってるかと思います。
ゲームシステムは中途半端に他ゲームのパロディと言うか、良いところを取り入れようとした結果全部中途半端になってしまったように見受けられてめちゃくちゃ不満でした。だけど話は本当に面白かった!キャラも良かった!
ゲームシステムが気にならない方か、アクションやアドベンチャーゲームを初めてプレイされる方なら大丈夫……かもしれません。

 話は本当に面白いのですが、ゲームシステムが面白くないので「"ゲームが"面白い!おすすめ!」とは言えないのが辛いところです。


備忘録用メモ。Twitterでの実況スレッドです。


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