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音楽劇「金色のコルダ Blue Sky Prelude of 至誠館」感想

 音楽劇「金色のコルダ Blue Sky Prelude of 至誠館」の2016年10月1日(土)18時回を見てきました。場所は シアター1010。前回より広い場所でした。
この舞台は「 金色のコルダBlue♪Sky First Stage 」に関連するお話です。ファーストステージ(以下FS)で競い合った至誠館という学校が、コンクールに参加する前までのお話になります。
上演時間は2時間ちょっとくらいでしたでしょうか。今回も楽しくて時間を見るのを忘れていました。

・音楽劇 金色のコルダ Blue♪Sky Prelude of 至誠館
http://corda-stage.com/shiseikan/
※公式サイトですがリンク切れしてます。

Preludeへと繋がるFSの感想はこちら。

■ 感想を語る前に

 感想を語る大前提として、私は金色のコルダ3はアニメ全話視聴済(だけどうろ覚え)、FSは観劇済み、ゲームは全部買ったけどプレイしてないという状態です。
FSがあまりにも楽しすぎてゲーム買ったはいいけどプレイする本数が多すぎてプレイ出来てません。なので、ゲーム知識が全くありません(コルダ3以前はプレイ済みです)

 そして今回はPreludeとなっております。至誠館の話なのはタイトルからわかるけど、どこから語られるのかさっぱりわからない。というか公式情報全く見れていない。そんな状態で挑んでるので今回はお話に対して語ることが多いと思います。


■ 演出について

 今回もFS同様、4つの移動型台座を使って舞台上を縦横無尽に演出してくれています。演出方法も前回同様、とても面白く演出してくれました。
今回はアンサンブル(バックダンサーのこと)に女性が入ったのでダンスに柔らかさが出たかな~と思えます。前回よりも衣装がヒラヒラしてるので、左右に走り踊り回るアンサンブルがより舞台で映えていました。やはり、吉谷さん(この舞台の演出家)の演出は「舞台全体」を見ることで味わえる楽しさがあって面白いです。
 前回語った「繰り返し」の演出については、FSの方がぴったり合ってた気がします。今回のが悪いのではなく、FSでの響也の立ち位置と「繰り返し」の演出が合いすぎていました。まさにこのシナリオを表現するための演出。みんな黙ってFSを見て欲しい。



■ 「ブラボー」について

 金色のコルダのゲームをプレイしてる人なら誰でも知ってる「ブラボー」。演奏が終わった後、感銘を受けたら「ブラボー」という言葉と共に拍手を送ります。ゲームでは攻略キャラから、他の音楽科学生から、一般学生から、全然知らないモブから受けた「ブラボー」がありました。
私は3より前しかプレイしてないので3がどんな「ブラボー」になっているかは分かりませんが、たぶん一緒でしょう。
 FSでも観客側が舞台終了最後に「ブラボー」と叫ぶことはありました。ですが今回、水島新くんが「ブラボー」と喝采して吹奏楽部に出会い、そして舞台が終了し役者に拍手喝采し、実際生演奏をしてくれた方たちに「ブラボー」という言葉が送られました。同じ言葉をもって想いを伝えることでコルダの世界がここに表現され、それが物語の締めになるのだと、とても感慨深くなりました。今度は私も「ブラボー」と言いたいです(前回も結構感動したので今回言おうとしたら忘れてました。次こそブラボーを送ります)



■ あらすじ

 あらすじを勝手にまとめてしまいます。

 至誠館という学校に伝統的な吹奏楽部が存在し、そこにはとても仲が良くて演奏のうまい二人組がいた。その二人がいることにより、吹奏楽部はコンクールで全国を狙えるのではと期待が高まっていた中、とある部員が暴力事件を起こした。一人はその部員を退部させようし、一人はその部員を庇う。
その結果、部内は分裂してしまい、吹奏楽部を見限った部員たちは新たにブラスバンド部を設立し、吹奏楽部に残ったのは4人となった。部活動は最低5人、活動するためには1人足りない。新入生の部員募集のため、庭で演奏していたところ、一人の青年が仲間に加わることになった――

 ……これ冒頭部分のあらすじなんですけど、あの、FSの感想でも星奏学院と並んで主役張れるよ~とか感じてたんですけど、ものすっごく良いシナリオですね!これで一本作れる!と思ってたら、feat至誠館というゲームがある。なるほど。この辺が語られるんでしょうか?プレイしなきゃ。

 話を戻します。青年を部活に引き入れ、なんとか5人になった吹奏楽部は色々な紆余曲折があります。そしてコンクールに出るために至誠館の壮行会に出て、ブラスバンド部と対決し、ブラスバンド部に勝たなければ廃部に。勝てたならばコンクール出場を認められるというものでした。ちなみに、このコンクールというのがFSで対決したコンクールです。




~~~~ネタバレするよ~~~~




■ 男と男のこじれた関係性が良い

 吹奏楽部は八木沢先輩、ブラスバンド部は長嶺先輩というトップが対決するのですが、この二人が元々仲が良くて演奏がうまい二人組です。八木沢先輩はみんなと仲良く楽しく演奏したい、長嶺先輩は全国を目指すために事件を起こした部員を切り捨てるべきだという主張のもと袂を分かった訳ですが、実際に長嶺先輩の心情を吐露されると、なんというか、もう、色々こじれてるな~~~!!!!
 八木沢先輩は全国という夢を掲げてはいたけれど、「みんなで仲良く」出来なければ意味がないし、暴力事件も何かしらの原因があるのだろうから部から切り捨てるべきではない。
 長嶺先輩は八木沢先輩が掲げた全国という夢を諦めたくないし、八木沢先輩が「一緒に夢を追って努力してた俺たち」じゃなくて「事件を起こした部員」を取ったことが許せないし(というより親友が夢を掲げてそれに共感し共に見てた夢を努力を、言い出した親友が切り捨て、ただの一部員を取ったことが許せないと感じた)、自分で言い出した夢を否定する言葉を言ったのが許せない(全国と言い出したのは八木沢なのに「みんなで仲良くしたい、音楽はどこでだって出来る」と言った)。
 たぶん八木沢先輩は自分の影響力とか全く分かってなかったのかな~と思いました。長嶺先輩以外にも、八木沢先輩に憧れてたのに裏切られたと感じた後輩が一人います。この人もこじれちゃってるけど。吹奏楽部に残った4人も八木沢先輩に影響されてるわけです。問題がある部活に残ってるわけだし。

 吹奏楽部とブラスバンド部の対決では、吹奏楽部の伊織くんがとある事情で遅刻してしまいます。吹奏楽部が吹けなくなる、というところで長嶺先輩が代理で演奏することになりました。
正直、この流れがすごく嫌でした。まさかこんなあやふやなまま仲良くなれて元に戻れて大団円、とかやらないよね?今まで努力してきたのは遅刻してきた伊織くんを含めた5人で、今長嶺先輩を受け入れたら八木沢先輩の「みんな」は誰でもいいことになっちゃうけどそんなことないよね?と内心で戦々恐々してました。演奏し終わったら似たようなことを長嶺先輩が指摘していました。そして徹底的に吹奏楽部を潰すから逃げることはさせないと。夢見がちなシナリオにならなくて良かったけど、え、えげつね~!!!

 そして二曲目、伊織くんが合流し、再度吹奏楽部が演奏することになります。しかしブラスバンド部の演奏が凄すぎて戦意喪失。八木沢先輩含め、ほぼ全員がやる気をなくしてきたところ、火積くんがみんなに発破をかけます!これが!とても!良かった!!
事件が起き、部が分裂し、吹奏楽部がひどい目に遭い、ブラスバンド部と対決することになってるのも全部自分のせいだと責めていた火積くんが、物語が進むにつれて仲間を信頼し、発破をかけるまで成長してくれている!そしてその火積くんの信頼を吹奏楽部みんなが受け止めることが出来る!とても良い友情でした…!
 結果は結局引き分けだったのですが決着がついたわけではないので、吹奏楽部のコンクールとブラスバンド部のコンクール、どちらか先に負けたほうが勝負の負け、つまり吹奏楽部はコンクールに優勝しなければ廃部ということになります。でも吹奏楽部の全員、特に八木沢先輩は何か吹っ切れたような、そんな感じがしました。
 この出来事を経たからこそみんなが信頼し合い、FSでコンクールに強敵として参加してきたことに繋がるんだな~!と思いました。
 今作では八木沢先輩は精神的に結構弱めですが、FSでは部長としての貫禄がついてる感じがして、成長を感じられるのがとても良いです。FSでは結局負けてしまっても廃部になることを「まだ諦めてない」と言える八木沢先輩超カッコイイです。もし見れるのでしたら今作を見終わった後にFSを見てみてください。泣くよ?




■ まとめ(ネタバレなし)

 FSを見たことがある人は見て損はないです。もちろんコルダを知ってる人も同様。今回一緒に行った人がコルダを知らなかったのにすごく楽しめてたっぽいので知らない人にもオススメです。
 これ見たらその後にFS見てください!!!八木沢先輩の成長を、吹奏楽部の絆のまとまりを感じられます!!!FSは今ならDMM、今作はニコ生でチェックチェックー!!!

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