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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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ゲーム「NieR Replicant ver.1.22474487139...」感想

 以前プレイしていたNieR:Automata(ニーアオートマタ、以下オートマタ)。オートマタがとても面白く、前作であるNieR Replicant ver.1.22474487139...(ニーアレプリカント、以下レプリカント)も繋がりがあるとのことだったのでプレイしてみました。
前作オートマタの感想はこちらから。

オートマタはかなり好きな作品だったのですが、残念ながら今作は私に合わなかったという感想になります。最終的に好きになれませんでした。そんな感想なのでご注意ください。

ジャンル:アクションRPG
プレイ時間:49時間
媒体:PS5

■ リメイクではなくバージョンアップ

 公式サイトによると、本作はリメイクではなくバージョンアップとのことです。
ゲームシステム等諸々不満を抱いてる私としては、「バージョンアップなんだから面倒くさいあれこれは昔のままだよ、許してね」的なニュアンスを感じてしまって微妙ですが、バージョンアップだから許せる……という優しい方もいるかもしれません。


■ ストーリー

 まずはネタバレしない範囲から語っていきます。
本作のストーリーは公式サイトに書かれているゲーム概要が一番わかりやすいのでそちらから引用します。

主人公は辺境の村に住む心優しい少年。
不治の病「黒文病」にかかってしまった妹「ヨナ」を救うため、人の言葉を話す謎の書物「白の書」とともに、一握の希望である「封印されし言葉」を探す旅に出かけます。

ゲーム概要

妹のためにお兄ちゃんが頑張る話、これに尽きます。


■ ゲームシステム

 では次にゲームシステムについて。
これが、ウーン、結構微妙だったかな!

マップ

 オートマタではオープンワールドな作りでしたが、今作はそうではありませんでした。結構ロードが入ります。ロード中にヨナの日記が見れたり、ストーリーの根幹に関わりそうだけどよくわからない謎の機密文書的なものも表示されていたりしたので、読み物があるおかげでロードに関しては気になりませんでした。
ただマップの作りは結構面倒くさい。

移動・ファストトラベル

 最初はあまり気にならなかったのですが、後半になるにつれて(慣れるにつれて)移動が面倒になります。移動パターンは3種類。

  • 徒歩移動

  • イノシシに乗って移動

  • 船でのファストトラベル

イノシシは制御が難しいですがオートマタと同じ仕様なのでそんなに気にならなかったです。
ファストトラベルが中盤以降からしか使えないので面倒くさいですし、たいして速くない。移動できる場所も限られている。ウーン、面倒!
また、武器の強化をしたいのにクソ面倒くさい行き方をしないと目的地に辿りつけないのがキツかったです。

画面

 オートマタと同じく、縦横無尽に進める箇所と、横スクロール限定箇所と、真上からしか見えない箇所の3パターンがあります。これはオートマタでプレイ済みだったので馴染めましたが、今作から入る方は驚くかもしれません。

  • 縦横無尽に移動できる箇所(よく見るRPGタイプ)

© SQUARE ENIX CO
  • 横スクロールで移動する箇所

© SQUARE ENIX CO
  • 真上からの表示状態で移動する箇所

見辛いかもしれませんが、主人公は画面の真左にいます。

© SQUARE ENIX CO

難易度

 難易度はEASY、NORMAL、HARDの3種類です。
私はNORMALを選択しましたが、結構簡単だと思いました。どれだけ脳筋スタイルで特攻して体力が減ったとしても、回復アイテムで即時回復すればなにも問題ないため、これのおかげで難易度が下がっている気がします。

戦闘

 自身で近接戦闘をする場合と、白の書による魔法攻撃を行えます。雰囲気は公式が出してるバトルトレーラーを見るのが一番良いかも。

主人公が装備できる両手剣、片手剣、槍それぞれでモーションや動かしやすさが異なり、魔法攻撃もかなりの種類があって自分が使いやすいものを選べます。
私は槍装備(素早い機動でガードが崩せるのが良い)、魔法は主力攻撃用の黒の槍(大きい弾丸みたいな攻撃)と黒の旋律(主人公の周りに鎌を出してぐるぐる回す。雑魚を近寄らせず、敵の魔法攻撃も多少防いでくれるので便利)、あとはずっと出し続けられる黒の弾(弱いけど永続的に発射できる弾)を切り替えて使いわけてました。

 また、敵から取得した「言葉」を武器や魔法に「装飾」することができます。言葉が力を持つ……らしいので、ゲットした言葉で強化してしまおう、という感じです。オートマタで言うところのプラグイン・チップだと思うのですが、正直オートマタのシステムの方が楽しかったな~と思いました。

© SQUARE ENIX CO

魚釣り

 オートマタにも存在した魚釣り。何倍にも面倒くさくなってます。そしてゲーム内の説明が足りなすぎる。
本作の釣りは「魚とは真逆に竿を引かなくてはなりません」という説明をされるのですが、真逆にするだけでは足りません。スティックを下に倒しつつ、魚が移動する方向とは逆に入れる必要があります。つまりスティックを下に傾けつつ左右に調整しなければなりません。そんな、そんなの、わかるわけねえだろうがよ……。
私はわからなすぎたので攻略サイトに頼りました。わかったら簡単でした。圧倒的説明不足。

© SQUARE ENIX CO

栽培

 なんでだよと思われるかもしれませんが、本作は栽培ができます。と言うのも、サブクエストの1つに栽培でしか取得できない花の依頼があったり、トロフィー取得にも関連します。
ただし、この栽培はゲーム内時間ではなくリアル経過時間が影響します。それが本当に本当に本っ当に嫌で、諦めました。ゲームしたい時に自由にプレイしたいのに、なんでリアルの経過時間を気にしてやらなきゃいけないんだよ。こちとらゲームをプレイできる日もあればできない日もあるんだよ。

© SQUARE ENIX CO

PS5ボタン問題

PS5版のみに発生する事象かと思いますが、これが結構面倒くさいです。
PS5では決定ボタンを×、キャンセルボタンを◯にしています。
そして本作では

  • 人に話しかける、アイテムを拾う等の初期動作→◯ 

  • それ以降の決定→×

  • 文字送り→◯ or ×

  • 文字入力後の決定→×

  • 選択肢の決定→×

  • ジャンプ→×

となっています。
統一されていないせいでコントローラーさばきはめちゃくちゃになり、人に話しかけたいのにジャンプすることが数知れず。あ、そうだった話しかける時は○だった、という思い直して話しかければ選択肢の決定で○を押しても何も選べず、選択肢は×だった…とまた間違える。これがかなり混乱しました。正直、人に話しかける際は最後まで間違えてジャンプしてしまう時がありました。あまりにもひどい設計すぎる。
 ちなみに文字入力後の決定は×なのですが、○でもキャンセル(何も入力してない状態)として受け付けてしまう場面があり、「間違っている」と怒られ続けて強制終了したこともあります。入力したものが間違ってるんじゃない、押すボタンを間違えていたんだ……。いや本当に最悪だよ。入力必須でキャンセルを受け付けるな。


■ BGMがすごく良い

 文句もありますが全力で称賛できるものもある。オートマタでも思っていましたが、BGMが本当に良い!最高!素敵!


■ マルチエンディング

 本作はマルチエンディングです。
ただマルチエンディングとは言え、描写してる時間軸が違うだけで実際は2つのエンディングなのかなと思ってます。ネタバレになるので詳しくは後述します。


■ 周回について

 こちらもネタバレになってしまうので詳細は後述しますが、本作は周回前提のゲームです。周回するだけならオートマタでもやったので特に問題なかったのですが、今作は面倒くさすぎる。
また、周回前提のゲームのくせにゲーム内で周回するように誘導しません。オートマタではちゃんと誘導してくれたのに……。そのため、周回ゲームと知らない人は1周でやめてしまいそうです。(と言うか私も情報得てなかったらそうしてたと思う)




~~~~ネタバレするよ~~~~





■ 妹を助けるストーリー

 妹のヨナが不治の病にかかり、道中出会った白の書を使えばもしかしたら妹を助ける方法があるかもしれない。そして各地を巡って白の書の力を取り戻すための旅をし、突如マモノを使役する人型マモノ(なぜかみんな魔王と呼ぶ)に妹を攫われるところまでの話です。青年期は妹を取り戻すために魔王のもとへたどり着き、決着をつける話。

 なので少年期と青年期は目的が全く違うんですよ。その状態でエンディングを迎えます。


■ エンディング

 私がプレイした順に記載します。

Aエンド

 主人公が魔王を打ち倒し、妹を取り戻すエンディング。ただし表示されるムービーは少年期のものだし、青年期でのその後の描写は一切ないので、妹の病は結局直せない、ただの幸せっぽいなエンドです。

Bエンド

 Aエンド終了後、青年期から始めることができるエンド。仲間であるカイネ、エミールの過去や、カイネの追加エピソード、マモノの声を一部聞くことができるようになっています。そのため、全く同じストーリーでも苦ではありませんでした。
さらに追加で「15 NIGHTMARES」をプレイできるようになります。母親の日記から選択できるものなのに、いきなり主人公が成年になって連続バトルが始まったので意味がわかりませんでしたが……。
 エンディングは主人公が魔王を打ち倒し、死後魔王は悔恨の中、妹と一緒に成仏(?)するエンド。道中エミールの生存が危ぶまれてましたが、本エンドで無事生きていることが確認されました。

Dエンド

 Bエンド終了後、Bエンドと同じく青年期から始めることができるエンド。追加エピソードは2~3くらいと、途中の人魚姫シナリオのマモノに声がついたくらい。ここでかなり辛かったです。新鮮味もない、同じことの繰り返し。
 エンディングはカイネに憑いてるマモノの力が暴走してしまい、マモノ化したカイネを殺すか、自分を差し出して救うかの選択で後者を選ぶ選択です。私はこの3周目の周回があまりに苦痛だったので、正規エンドと思われる後者の選択肢を選びました。そして自分の存在とカイネを等価として救うため、すべてのセーブデータが削除されました。
そして主人公の存在は忘れられ、妹も兄の存在は忘れてカイネに感謝し、エンディングです。

Eエンド

 Dエンド終了後、NEWGAMEでカイネを正式な仲間にするところまで進め、そこからカイネ視点で始まるルート。引き継ぎもなにもないので本当に最初からです。すでにやったことのある内容を、追加される要素も全くない状態で約2時間プレイしなければいけないのが本当に苦行でした。
カイネ視点が始まると全く新しい話なのでそこから苦ではなかったですが、たどり着くまでが体感的にとても長い。
 カイネは神話の森に導かれ、エミールと合流し、失われていた存在の主人公を取り戻して終了です。カイネは主人公を取り戻せて幸せそうですが、結局は幸せ「っぽい」エンド。


妹について

 すべてに共通してるのが、結局妹は助けられないこと(不治の病は治ってないので)、魔王を倒したことによって理由はわからないけど人の衰退が確定してしまったことです。そして本作のキャッチコピーは「一人のために、すべてを滅ぼす」。たしかにその通り。ただしその一人は救えない。結局メリーバッドエンドじゃねえか~!とりあえずカイネは確定で幸せ!おめでとう!

結局は2エンドだという印象を受ける

 妹を救えないことは確定、人類も救えないことは確定、そのため、カイネを殺して解放するか(Cエンド)、カイネを救って(Dエンド)その後カイネから救われるか(Eエンド)しか違いがない気がします。AやBはエンディングじゃなくて、少しの会話のあとにキャラクターの回想が入ったとしか思えない。


あまりにも語られていないことが多すぎる

 謎は魅力です。さらに知りたくなります。
けれど本作はあまりにも語らなさすぎる。

 カイネは謎に下着姿ですが、公式サイトいわく「日光に弱いマモノの侵食を防ぐため、露出が多い服装を選ぶようになった」とのことですが、作中でそういう描写は皆無。
魔王はなんで主人公の妹をさらうという強硬手段を取ったのかも謎。
なぜマモノ(元々は人。体と魂をわけ、その魂のみの状態)たちは本来の体に戻らなかったのかも謎。
そもそも本来の体というのはコールドスリープされてない限り存在しないはずだけど、管理のされ方から見て何かしらのデータから複製体を作成してるはずなので「本来の体」というものはすでに存在しないのではという謎。
マモノが複製体を食らうと強化されるという謎。
体が存在しないマモノ(魂)がいる謎。
その他諸々のたくさんの語られない謎がありすぎて、理解させる気はないんだろうなと思ってしまいました。
もしこれが設定資料集や他媒体で真実が語られてるなら、まずはゲームの中で語れよと思ってしまいます。でも、他媒体でものすごく語られてるんだろうな。クリア後に色々調べたらネタバレ的なものが散見されたので。
 そもそも主題が「妹の病を治すこと」で、白の書を使って病を治そうとしていたので、当然「黒文病」について深掘りされると思っていたのに、なぜかゲーム本編で語られないんですよ。なんで?

心に残るものはあった

 心に残る話サブクエストは結構ありました。
灯台の老婆の話とか善意のもとの搾取の話だったし、ロボット山の兄弟の話は関係者の相関図が最悪すぎるし、喧嘩夫婦の話はマジで何も救いがないし、人魚姫の話も最悪だけど結構好きだったし、仮面の町の王の婚礼も救いがなかったけど好きなキャラたちだったし……。




■ まとめ(ネタバレなし)

 プレイ時間は49時間。サブクエストは1つ残してこのプレイ時間です。
主人公と妹の話自体は好きですし、キャラクターも結構良いと思いますし、BGMもとても良かったです。
ただ、色々なシステム面での面倒臭さが勝った状態での、あまりに真実が語られないことが、「このゲームはプレイヤーに理解させる気がない」と思えてしまってダメでした。
好きなところもあったけど、私には合わなかった!オススメはできない!


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