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ゲーム「Yuppie Psycho」感想

 久々にドットホラーゲームがやりたい。そう思い、面白いと噂のゲームをプレイすることにしました。それがYuppie Psycho(ヤッピーサイコ)!
最後まで駆け抜けた結果、「結局どういうことなんだ……!?」となった作品です。でもゲームシステムがかなり好きなのでホラーとしてはおすすめできます。大抵のホラーってストーリーはよくわからんからね、問題なし!

ジャンル:ホラー
プレイ時間:14時間
媒体:PC(Steam)

※本感想は後半にネタバレがあります。ご注意ください。

■ あらすじ

Steamのあらすじから引用します。

新しい仕事の初日?悪夢の始まりだ!

型破りな新入社員向けのオリエンテーションで、パスターナックは彼に課せられた仕事の本当の意味を知るのだった。それは、当初は会社を成功に導いたものの、今となっては社員を苦しめる存在と化した"魔女"を狩ること。風変わりなキャラクターたちと出会い、恐ろしい生き物たちから逃れ、シントラ社の暗い過去の秘密を解明しよう。

Yuppie Psycho

 ここには書いていませんが、主人公は魔女ハンターとして雇用されたことを入社した際に知らされます。そんな技術など無いと主張する主人公は困惑しますが、それでも業務を遂行することになり、物語が進んでいきます。


■ Yuppieってなに?

 ググったところ、Yuppieとは「若手で都市住民たるエリートサラリーマン」とのこと。本作の世界観はかなり格差のある階級社会になってるため、その象徴としてこの単語を採用したのかもしれません。


■ ゲームシステム

 基本的な操作はオーソドックスな2Dアドベンチャーですが、重要な機能を消費アイテム制にしてることによって世界観を損なわずにホラーらしく危機感を抱かせる仕様になってるのが本当に素晴らしかったです。消費制が!いいんだ!!

2Dアドベンチャー

 操作はホラーにありがちなドット絵の2Dアドベンチャー。若干頭身高めのドットです。可愛いドット絵。

セーブは消費アイテム制

 ここがめちゃくちゃ推したいシステムなのですが、本作は「魔女の紙」と「インクカートリッジ」、特定の場所にある「プリンター」を活用して”主人公の魂を写す”ことでセーブができます。セーブは上書き方式ではなく累積方式のため、数多くのセーブを残すことができますが、問題なのは「魔女の紙」「インクカートリッジ」が消費アイテムという点です。
ゲーム上に配置されてある数しかゲットできないため、どこ地点でどのタイミングでセーブするのか見極めるのがとても重要になってきます。万が一ミスると苦労して倒したボスをもう一度倒す羽目になる、ということもあり得るんですね~!ドキドキだな!

明かりは消費アイテム制

 ここも推したいポイント。ホラーゲームと言えば、大抵は薄暗いエリアの探索が多いですね。明かりが必要になりますよね。大抵のホラーゲームは無制限に明かりを使えるのですが、本作は消費アイテム制です。有限です!なくなったら比較的入手しやすいサイリウムがありますが、これも有限ですしあまり明るくない。これはね~~無くなったらマジで怖いですよ。何も見えないもん。

謎解き要素

 セーブシステムとの兼ね合いで、セーブを渋ると最初から……というのもあって結構苦戦しましたが、めちゃくちゃ良い謎解きでした!面白い!

ちょっとグロい

 本作は可愛いドット絵ですが描写がちょっとグロいです。血は普通に出る。私はそこまで感じなかったのですが、血も見るのも嫌!って人は避けたほうが無難かも。



~~~~ネタバレするよ~~~~





■ ストーリー

 大筋はあらすじで語った通りで、その後、化け物退治を依頼されたパスターナックは困惑しつつもとりあえず会社の様子を見ることにします。しかし会社もヤバい。化け物がうろうろしてるし死体も散乱してるしその中で普通に仕事してるヤバいやつらが大量にいるし、とりあえずなんとか指示をこなそうと頑張るパスターナックくん。君の明日はどちらだ!?というストーリーです。

■ 各エンディング

 

「家に帰ったほうがいい」エンド

 「ハンターとして雇いました!」と言われて無視してそのまま会社を出て平和に戻るエンド。あっさり初期終了エンド、いいですね。

ノーマルルート

 各階層を進めていき、新規追加分岐の条件をクリアせずに進めるルート。シントラー社が魔女に呪われ続けているのは、誰も顔を知らない社長が協力しているせいだった。社長を変えるためにはシントラーの親類が必要になり、パスターナックに協力していたAIロボットに封印されていたシントラーの娘の記憶と、魔女が守っている氷漬けにされていたシントラーの娘の体を合わせる。

「解雇」エンド

 敵対してた社長から「今ならハンター解雇ってことで穏便に済まそうぜ」と言われて受け入れるエンド。やばい会社だというのはわかってるので、主人公は知り合い全員置き去りにして後味の悪さを味わえます。うーん、好き!
荷物を手放す描写があるのですが、死のメタファーかと思ったらその後のエンディングを見る限りそうでもなかったのでちょっと残念。進むも死、戻るも死、という感じでも良かった。

「ただいま」エンド

 シントラー社の娘(レイ)を社長にして主人公は無事帰宅するエンド。化け物にされた知り合いたちを一人でも助けられなかったらこのノーマルエンド。
レイの挙動が不審というか怖すぎるのでレイになにかあるんだろうな……仲間と思ってたキャラが敵キャラだったってこと?ってなりながら混乱してたエンド。

「一緒にいて」エンド

  すべての仲間たちを助けると本グッドエンドになるけど中身は対して変わらない。友好的だった女性と一緒に歓談してエンディング。レイの不気味さはなに?

追加ルート

 条件を満たすと、シントラー家の住宅探索が始まり、なぜか主人公がシントラー本人の父親役を与えられ、家庭崩壊してるような様が見せられ、化け物化してるレイに追い回され、魔女と呼ばれていた存在が幸運を呼ぶ人外の少女(ドモリという名)だということがわかりったけど闇深すぎる。元々悪魔と契約していたシントラーがいて、子供を授からなかったシントラー夫妻が幸運の少女を購入し、会社の業績は右肩上がり。その後子供を授かりレイが生まれ、ドモリが迫害され、ドモリとレイの精神交換が発生し、その後魔女の呪いが出来上がる……ってコトだと思うけど訳がわからん。

「さようなら」エンド

 レイの中にいるドモリを殺すことで魔女の呪いが解除されたのか、AIロボット(シントラ)はアンインストールされたのか、謎が謎を呼ぶエンド。

「全てを支配する者」エンド

 レイの中にいるドモリを殺した後、社長を変えるシステムで自分のIDを差し込み、社長に成り変わるエンド。そしてパスターナックは前社長のシントラーと同じく、幸運を呼ぶ少女(魔女)を購入し、業績を上げ、会社は安泰になるのでした……という流れだったのが衝撃だった。純粋なパスターナックはどこに行っちゃったんだよ。

「成功の秘訣」エンド

 社長を変えるシステムでチャップマンと言ういけすかない奴のIDを差し込むとチャップマンが社長になるエンド。チャップマンは自分の才能だけでやっていけると信じ、その結果業績が右肩下がりになり続け、会社が破綻するエンドなので完全なるギャグです。これは面白かったな~!こういうの好き。

■ 考察

 マージで何もわからん!ってなったので一応考察載せておきます。

入れ替わり

 魔女(ドモリ)の火あぶりシーンから推察するに入れ替わりの本当のきっかけはレイだったと思われる。手段自体は魔女についていた蛇が与えたけれど、レイは何かのきっかけから手段を知り、そして実行したってことだと思う。たぶん。
ドモリが持っていた幸運の力は恐らく精神に直結するので、入れ替わりに戸惑った結果、業績不振になった気はするけど、精神に由来するならドモリの体を火あぶりにしたことで業績不振は止まるはずもない、つまりこの時ほぼ同時期にレイの体は氷漬けにされたってことだろうけど、それをやったのは恐らく蛇なんだよな。そしてレイも本体はドモリの体の中で消えた。別媒体の記憶と言う名の精神は封印されていた。じゃあ魔女の呪いって何?誰がどうやったの?ってなると……蛇くらいしかいなくない!?大事なドモリの精神は氷で確保して、ドモリを攻撃されて恨んだから末代まで祟ってやるの精神ってことか!?

悪魔・魔女とは

 作中で語られたことを引用すると「悪魔と契約した女性が魔女となり、魔女は転生することができる」なので、順当に考えるなら蛇=悪魔なんですが、悪魔と契約した男性はどうなるんでしょうね。
 パスターナック本人に何度も「パパ」と呼びかけられたことや父親役を与えられたことから、シントラー前社長の悪魔はおそらくパスターナックになぜか憑いていた悪魔ってことだと思うんですけど、つまり主人公は転生したシントラーってことですかね……?
あとレイも明らかに悪魔と契約してる雰囲気あったけど(レイの化け物化のあたり)、あれはなんだったの……??

海外サイトも頑張って読んだけどわからんって言ってた

 あまりにわからないので人の感想も見よう!と思った結果、求めてみたらユーザー数が少なくて考察も全く無くて、英語で書かれている海外サイトも頼ったけど「語られてない」「わからん」って言ってる人が多かったから安心しました。みんなわからない!よかった!



■ まとめ(ネタバレなし)

 プレイ時間は13.5時間。めちゃくちゃやり直したのでスマートに進めばもっと短いと思います。ストーリー面白い、システム面白い、謎解きも面白い。面白かったけど終わってから「つまりどういうこと?」ってなってしまったのが残念。難易度は高めだけど特定の性癖向けにぶっ刺さること間違いなし。ホラーゲームとしてはかなり良いと思います!おすすめ!

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