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読了「ひと」小野寺史宜

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母の故郷の鳥取で店を開くも失敗、交通事故死した
調理師だった父。
女手ひとつ、学食で働きながら一人っ子の僕を
東京の私大に進ませてくれた母。
ーーその母が急死した。
柏木聖輔は二十歳の秋、たった一人になった。
全財産は百五十万円、奨学金を返せる自信はなく、
大学は中退。
仕事を探さなければと思いつつ、動き出せない日々が
続いた。
そんなある日の午後、空腹に負けて吸い寄せられた
商店街の総菜屋で、買おうとしていた最後に残った
五十円のコロッケを見知らぬお婆さんに譲った。
それが運命を変えるとも知らずに……。
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以下より、ネタバレが含む場合があります。

大きな盛り上がりはなくて、比較的 淡々と
物語は進んでいく。

だけど心の奥まで温かさが沁みてきて
その温かさが心から体の外にまで
広がるような作品でした。

もちろん、聖輔の真っ直ぐなところも
よかったんだろうけど町の人の良さも
あったからだと思う。

あれぐらい真っ直ぐだと、何かに巻き込まれると
何色にも染まってしまうだろうから。
だけど崩れないうちに、落ちきる前に
コロッケに出会えたことで救われただろうし
世界はいい方向に変わった。

出会いと別れ、そして運命の分かれ道は
いつ来るか、どこにあるか分からない。
そんなことを教えてもらった気がする。

きっと聖輔はこれからも真っ直ぐ、
そして淡々と過ごしていくんだろうな。
私もあんな風になりたいな。

ホラーやミステリーを読むのが多いのですが
たまにはこういう作品も心が温まっていいですね☺

「最近、疲れたな~…」
「いやなことばっかり…」
お疲れなところに、どうぞこの一冊を✨
きっとあなたの心を温めてくれると思います。


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