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読書記録

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小説の読書記録です。 あくまで個人の感想ですが、皆さんの参考になれたら嬉しいです✨
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2023年5月の記事一覧

読了「ふたたびの加奈子」新津きよみ

ー---------------------- 五歳になる一人娘の加奈子を交通事故で亡くした桐原容子は、 夫の信樹と”加奈子の魂”と三人で暮らしていた。 容子が食事の時も、外出する時も、いつも”加奈子の魂”と一緒だった。 だが、そんなある日、”加奈子の魂”は転生の場所を見つけたらしい。 妊娠三ヶ月の主婦<野口正美>の身体だ。 容子は、ひたすら正美の出産を心待ちにするが……。 愛する子を失った深い悲しみと、意外な結末が感動を誘う ホラーサスペンスの書下ろし長編。 ー------

読了「朝が来る」辻村深月

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「子どもを、返してほしいんです」 親子三人で穏やかに暮らす栗原家に、 ある朝かかってきた一本の電話。 電話口の女が口にした「片倉ひかり」は、 確かに息子の産みの母の名だった…。 子を産めなかった者、子を手放さなければならなかった者、 両者の葛藤と人生を丹念に描いた、感動長編。 ー--------------------ー- 以下より、ネタバレ含む場合があります。 最終的には明るく終わってよかった…😢 ひかりの元々の性格か

読了「深夜廻」黒史郎

ー---------------------- あなたをさらいに夜がくるー-。 「二人で花火を見るのも、今年で最後だね」 ー-新学期から別の町で暮らすことになったハルは、夏休み終わりに、 親友のユイと花火を見るため裏山に登った。 花火が終わり、すっかり夜も更け、ユイと手を繋いで山道を下っていた ハルは、暗闇から自分を呼ぶ"声"が聞こえ、足を止める。 怖がるハルを心配したユイが、「ちょっと見てくる」と手を離し、 駆け出すが、二人はそのままはぐれてしまう。 不気味な夜の町でお

読了「私の家では何も起こらない」恩田陸

ー---------------------- 小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。 幽霊屋敷に魅了された人々の記憶が奏でる不穏な物語の数々。 キッチンで殺しあった姉妹、少女の傍らで自殺した殺人鬼の美少年。 そして驚愕のラスト! ー--------------------ー- 以下より、ネタバレ含む場合があります。 日本ホラー的な短編作品でした。 グロい部分もあるので、ホラーは好きだけど グロは…って方は要注意です。 私は個人的にはこういう家や土地に関わるものを 読むとワ

読了「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」町田そのこ

ー---------------------- 思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、 そして、ともには生きられなかったあの人のことー-。 大胆な仕掛けを選考委員に絶賛されたR-18文学賞大賞受賞の デビュー作「カメルーンの青い魚」。 すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する 少年少女を瑞々しく描いた表題作他3編を収録した、 どんな場所でも生きると決めた人々の強さにを しなやかに描き出す5編の連作短編集。 ー--------------------ー- 以

読了「共犯者」三羽省吾

ー---------------------- お前は、誰を守ろうとしてるんだ? 迷走する警察。暴走する世論。壊れゆく家族。 ひとつの殺人事件が、隠された過去の真相を炙り出していく。 その罪は赦されるのか。愛と憎しみの衝撃サスペンスミステリー。 岐阜県の山中で顔面を激しく損壊された男性の遺体が発見された。 取材に赴いた週刊誌記者の宮治は、警察が何かを隠していると疑う。 隣県にはひとつ歳下の弟・夏樹が住んでいた。 久々に弟の部屋に立ち寄った宮治は、その言動に不信感を抱く。

読了「ケモノの城」誉田哲也

ー---------------------- 17歳の少女が自ら警察に保護を求めてきた。 その背景を探る刑事に鑑識から報告が入る。 少女が生活していたマンションの浴室から、 大量の血痕が見つかったのだった。 やがて、同じ部屋で暮らしていた女も警察に保護される。 2人は事情聴取に応じるが、その内容は食い違う。 ー-圧倒的な描写力で描く事件は、小説でしか説明する術を もたない。著者の新しいステージを告げる衝撃作! ー--------------------ー- 以下より、ネタバ