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東京探訪記2日目・3日目~4年越しのリベンジャーズ

今回の宿は,両国の「Theater Zzz」.ベッドではなくテントで寝るタイプのホステルで,なんだか面白そう,と久々の都内宿泊遠征に高ぶったテンションの勢いでブックしてしまった.夜の比較的早い時間であればプロジェクターで映画を観たり,他の宿泊客と交流する機会もあるらしいが,今回は例によって全日程飲んべえ旅であったため,ただ寝るだけ.つくばエクスプレスの終電を気にしなくて良いので大変有り難いのだが,次行くときは早めの時間に宿に居てみようと思う.

チェックイン時間前に荷物を置きに行ったとき以外は基本夜中帰りだったため,テントの中から撮った写真のみ.シーツの被り方がいまいちわからなかった.

チェックイン時に小銭が無かったのでアメニティを借りることができなかった(なんでだよ,という感じだけど).夜帰った時には共用スペースで語り合う女子2人と愛し合う外国人カップル以外に人はいなかったので朝シャワーを浴びることにして寝た.

しかし朝になっても待てど暮せどフロントに誰も来ない.しびれを切らしてコンビニでタオルを調達.武道館を出てからクラプトンTシャツのままだったため,店員のおっちゃんに「武道館行ったんですか!」と話しかけられる.Laylaをやらなかった話で一言二言交わしたのだが,別にそれ以外も楽しかったんだからポジティブな思い出話をすれば良かったのに.相変わらず愚痴以外で他人に共感を求めることが苦手でちょっと嫌になる.

2日目~①4年振り2度目の選挙カー運転

この日は統一地方選挙の大詰めの日.クラプトンLIVEと共に今回の遠征のミッションだったのが,大学の先輩で,地方選に出ている方のボランティア(選挙カー運転)だった.大学4年の頃,卒論の調査で海外に行ったりしていたこともあってお金が無く,よくバイトをさせてもらっていた時以来の縁で,前回の選挙でも運転手をさせていただいた.

帰省するときも圏央道を通って首都高を回避している僕にとって都内を運転した経験は数えるほどしか無いのだが,そのうち2回が選挙カーである.前回は交差点で怒鳴りつけられたり,黄信号を無理に進んで後ろからママチャリで追いかけられてクレームを言われたりしたので,今回の目標はとにかく「怒られたくない」だった.仕方ない部分はあるけれど.

選挙カーの運転スピードの目安は10~20km.後ろの車にクラクションを鳴らされるのが怖くて前回は気付いたら40~50km出してしまい,せっかくの演説がドップラー効果になって注意されたりもしたが,今回は(無意識に片手ハンドルになりそうになるのを必死で堪えながらも)ある程度落ち着いてできたかもしれない.たまに隣の区に飛び出してしまったりはしたけれど.選挙活動最終日の緊張の中にも関わらず,助手席の先生はすごく自然体で色んな話をしてくれた.僕は都民でも区民でも無いので先生とは完全に大学の先輩後輩以外の関係性は無いが,それでも何期も務めている政治家っぽさを(良い意味で)あまり感じさせなかったと思う.もっとも身近な政治家と言えば「勝手につくば大使」なので比較対象がほぼ無いのだけれど,案外そんなもんなのかもしれない.車の中は誰しも,不思議と安心する空間である.

2日目~②今季初野球観戦は神宮球場

今季の現地観戦の言わば「開幕戦」,神宮球場はヤクルト-巨人戦である.クラプトンを一緒に観た友人が神宮に行きたいというので,ライブチケットを取ってもらったお礼ではないが,野球は僕が席を取った.さすが2連覇中のチームの本拠地,1塁側のめぼしいところはほとんど席が無く,3塁側の2階席を取った.売り子のお姉さんが通りがかる頻度がやや少ないことを除けば試合自体は見やすくて良い席だった.巨人のブルペンが真下に見え,2年前まで中日で投手コーチを務めていた「トレンディエース」阿波野秀幸の姿を久しぶりに拝むことができた.頼むから”ほどほど”に育ててくれ.

今年はパリ五輪予選&ワールドカップバレーの年だったので始球式に女子バレーの選手が来ていた.あとバボちゃん.
球場飯.ヘルメットは今回の戦利品.

前日暑かったのと荷物を減らしたかったので,半袖と最低限の上着だけしか持っていかなかったのだが,この日から4月下旬の寒の戻り,屋外観戦はとても寒かった.一旦外に出て何か着られるものは無いかと探したところ,屋外の出張販売でパーカーが売っていたので悩んだ末に購入.

また,ヤクルトの得点時,「東京音頭」に合わせてファンが傘を振る例のパフォーマンスを見た友人が「いや~傘買っちゃおうかな…」と呟いていたのだが,同じ店舗で売っていたのでそれも購入.さらに,レジで『選手名鑑』が売っていたのでそれも購入.今年の巨人のユニフォームは背ネーム無しになり,後ろ姿では誰か分からない.現地観戦で「あの選手誰だ?」となった際に背番号や背ネームから選手名を判断する.今はいくらでもスマホで調べれば良いのだが,お手頃サイズの本の方がなんだかんだ勝手が良かったりする.実家に居た時は毎年近所の新聞屋から供給があったのだけれど,ここ数年は手に取る機会が無かった.やっぱり各球団の新戦力や選手プロフィール,コーチや歴代タイトル獲得者のページなど,読みだしたら無限に時間が溶ける危険書物である.それにしても,わずか1時間のうちに「欲しい」と思ったものが大して探さなくても見つかる辺り,さすが2連覇中の(以下略).

スポニチ版は裏方のリストまで事細かに載っていて,特に巨人は原政権で(一時期)チームを支えた選手たちがコーチ・裏方に勢ぞろいしていて懐かしかった.みんな嫌いだったな.

試合は2-4で巨人の勝利.小川vsグリフィンのマッチアップだったので投手戦も覚悟したが,好調オスナや期待の若手秋広,WBC選手大城のタイムリーなど案外点は入り,ただそれでもホームランが出なかったのは少し残念だった.今のヤクルトも主軸以外はあまり当たっているわけではない.それでも要所で勝ちきっているのはさすがである.選手の差なのか?監督の差なのか?球団の差なのか?とこの日も本拠地で完封負けを喫していた贔屓を案じて考え込んでしまった.
友人とは両国の居酒屋でタンドリーチキン風味の焼き鳥を食べながら反省会をして解散.次はゴールデンウィークに地元で会おうぜマイフレンド.

3日目~江口寿史「東京彼女展」

チェックアウト時間ギリギリまでゼミの準備などをしながら滞在し,「Theater Zzz」を後にした.

2日間ありがとう.次はもっと暖かくなってから会おうぜ.

時間が中途半端だったので両国駅前でちょっと重めのブランチ.王様のブランチならぬ「横綱のブランチ」.ごっつぁんです.

同郷の関取,御嶽海の手形を探してしまった.いつか飾られる日が来るんだろうか.

さて,この日の最大のミッションは東京ミッドタウン日比谷で開催されている漫画家江口寿史の「東京彼女展」である.4年前の夏,しもだて美術館で開催された「彼女展」を見に行って以来ファンになってしまい,江口先生がキャラ原画を担当したアニメ「Sunny Boy」も,アニメをなかなか観ない僕には珍しく全話観ていた.この日が最終日で,江口先生のサイン会もあるらしく,「この日のために神様が行けと全ての予定を合わせてくれたに違いない」と運命らしきものを感じていた.下館で「彼女」に出会って以来,あなたのファンなんです,というややこしい愛情表現を自分の言葉で伝えられることを考えれば,この時だけは「Swallows」のパーカーでミッドタウン日比谷を歩くことも全然気にならなかった.

ただし,昼過ぎに会場に着いた僕は大きな間違いに気付くことになる.入り口の案内板には「抽選券当たりの方はこちら」「外れの方は…」「一般入場の方は…」という文字が書かれていた.なんじゃこれ,確かサイン会参加の条件は3000円以上グッズを買うことだと事前にサイトで見ていたので「よっしゃTシャツ買っちゃろみゃあ」(唐突なエセ名古屋弁)と息巻いていたのだが…ともう一度サイトを見直してみた.

当日、時間指定サイン券を取得の上、6階特設ショップにて江口展グッズ3,000円(税込)以上を購入の方、各日限定120人。

https://www.hibiya.tokyo-midtown.com/anniversary/tokyo-kanojo/

どうやら太字の部分を完全にすっ飛ばして読んでいたらしく,抽選会はちょうど僕が「横綱のブランチ」に舌鼓を打っている時間くらいに終わっていたらしい.本当にこの辺りのリテラシーの低さには辟易とする.大学に申請をしなければならないことを知らずに母校教育実習に行けなかった頃と何も変わっちゃいない.江口先生にはいつか実力で会いに行こうと固く決心した.

全館写真撮影OKでした.展示会にしては珍しいのかな.そうでもないのかな.

4年振りに作品を見て,改めて圧倒された.今回は「君のいた街,君といた街」というサブタイトルの基,東京という街と「彼女」にフォーカスした作品群.様々な表情の「彼女」たちが描かれていて,記憶の中のどこかで,この人に憧れた過去が絶対あったな,と不思議と思ってしまい泣きそうになった(僕は都民でも区民でも無いのだけれど(2回目)).順路逆走おばさんにイラッとした瞬間も気にならないくらい,夢のような時間だった.

絶妙に「あ~いかにもここのファン女子って感じ」を覚える作品.作家の力って凄い.
Sunny Boyのキャラ原画も.

サイン会には参加できないと分かっていても,本人が現れた時に一目見られるかもしれないというはた迷惑なミーハー心に駆られてしばらくグッズショップに居座ってしまった.Tシャツとポストカードを1枚買うことにした.いくつか並んでいた中で一番タイプのものを買いたい!と思ったのだが,一番タイプだったイラストは唯一売り切れていた.(売れ残り彼女…)という言葉が脳裏に浮かんで複雑な心境になった.オレの中では一番だよ….

これでも値段的にはクラプトンTシャツにそんなに劣るものではなかった…うーん

さて,こういうグッズは大抵部屋着になってしまい,外で着る機会はあまり無いのかもしれないが,せっかくなので初日に買ったエリック・クラプトンTシャツと共に,「安全圏」ではちょっと着てみようと思う.「恥ずかしい気持ちもゼロじゃない」けれど….

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