ここ最近芸能人の自殺のニュースを目にすることが多いです。
見るたびに表現し難いやるせない気持ちでいっぱいになります。
人が自ら命を落とす。その報道に考えさせられますよね。

度重なる自殺、これって何か関係があるのでは?と思いませんか。

自殺が連鎖する。

信じられないようなことが起こるんです。

なぜ自殺が連鎖するのか

『ウェルテル効果』
マスメディアの自殺報道に影響されて自殺が増える事象を指し、これを実証した社会学者のディヴィッド・フィリップスにより命名された。特に若年層が影響を受けやすいとされる。

【Wikipedia調べ】

『ウェルテル効果』により自殺が連鎖するのです。
ここでは報道の影響によると書かれていますが、自分の生活圏内で起こった自殺でもウワサや人伝いによって報道と同等の『ウェルテル効果』が起こるとされています。

わたしも精神科で働いていた際に患者の自殺を目にしたことがあります。
その後に同病棟だけでなく他病棟でも、自殺未遂を含め同じような出来事が頻回したことを経験しております。
今思うとそれも『ウェルテル効果』だったのだと思いました。

『ウェルテル効果』が高まる自殺の報道とは

自殺を話題として興味を引きつけるような報道の仕方。
自殺した方法を詳細に説明する。
遺体や遺書の写真、場所や持ち物を掲載する。
自殺を肯定する・否定する
宗教的・文化的な固定観念を当てはめる。
自殺の理由を単純化、憶測で話す。

等があげられます。


上記の報道により自殺リスクを高めてしまうそうです。
これは自殺者の身近な人、似た境遇の人、同じ悩みを抱えている人など、何かしらの共通点・接点がある人は相手に共感してしまう可能性が高いとされています。自殺した行動を肯定する、理解してまうことが要因とされています。

今まで意識しなかった自殺が、報道をもとに記憶され、悩んだ際の選択肢として想起されてしまう。不安が高まったときほど、冷静な判断、正しい判断が出来ず、衝動的な行動をとってしまうものです。
そして自殺したことを肯定と解釈できてしまうな報道は、悩んでいる人の自殺への思いを強めてしまい、行動を誘発してしまいます。落とし込みやすく解析された報道により更なる共感を生んでしまいます。
人の行動や感情は複雑に絡み合っており、一概に言えるものではありません。行動化した瞬間の感情は本人以外説明することが出来ないものです。


更なる連鎖を防ぐには

『ウェルテル効果』は自然に起こる現象ではなく、人に伝える媒介行動により引き起こされるとされています。

ということは防ぐことが出来る現象でもあるということでもあります。

普段何気なく過ごしているわたしたちですが、ふとしたことがキッカケで心は揺れ動いてしまいます。簡単にストレスとして扱ってしまいがちですが、心だって摩耗しています。
苦痛に対して誰もが「戦う」か「逃げる」かを選択しなければいけません。先行きが見えないと不安が高まる一方だからです。
ストレスにより気持ちが落ち込んでいるとき、疲弊しているときに自殺報道を目にすると、自分も苦痛から逃れたい気持ちになるのは当然かもしれません。

『ウェルテル効果』の存在を知ることだけでも、マスメディアの報道に対して見方が変わってくるのではないかと思います。
情報過多となっている現在において、情報の取捨選択をすることが自分の身を守ることの優先事項となるのではないでしょうか。個が確立していれば負の連鎖を止めることも出来るはずです。
報道が負の連鎖を呼ぶ。連鎖を呼ぶ力があるのだから、正の連鎖も呼べるはずです。自殺という悲しい出来事でも、それが発端となり生死に対して見つめなおす機会にもなると思います。

報道のまま取り入れるのではなく、自分なりに解釈する習慣を持ちたいものです。自分という芯を持ち、情報とうまく付き合っていければと思います。


最後までお付き合いいただきありがとうございました(^^♪ このnoteが少しでも貴方の役に立てれば幸いです。