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涙を調べる

いつかの平日、たしか先月末、鼻声のまま喋り続けていたら、夕方には嗄れ声にレベルアップしていた。いくら声が出にくいと言ったって、小さい人間たちは構わずいつも通りに遊び、言い合い、声も大きくて、こちらが声を発さずに関わるのはむつかしかった。朝から目も霞んでいて、もしや結膜炎かなという違和感があったので仕事終わりに眼科へゆき、涙を調べますね、といってなにやら目をさわられ、結果ウイルス性ではありませんでしたよと言われながら、目薬を処方してもらった。慣れない眼科で、先生は独特の目の触り方をするものなのね、とびっくりしてしまった。
同週、注射がとにかく嫌で、伸ばし伸ばしにしていた会社の健康診断の日、血液検査の担当者になんと「3本取りますね~」と言われたものだからサァと血の気が引いた。目をつぶっていたらすぐに終わったけれども、血を抜かれたあとになぜか咳が止まらなくなって苦しかった。身体測定の結果は去年より背が縮み、体重が減っていて、存在感が薄くなったかもしれないと思った。
声枯れと鼻詰まりはしっかり風邪へと化けて、そのせいで後日歯にもにぶい痛みが出てきて(鼻風邪のときそうなるんだって)、夜には持病の喘息も出てきて数日間は寝苦しかった。そんなある日、咳のしすぎで、というよりはおそらく咳き込んだときの姿勢がわるくて、ぴきっと腰に痛みが走って、これがぎっくり腰かもしれないと思った。腰の痛みはしばらく続いて、昼も夜も、楽な姿勢を模索してた。想像でなく、腰を痛めると大変なんだなぁ​…という実感がしっかりと残った。そういえば、喘息が原因で亡くなった人が最近もいたように思うけど、私も喘息で死ぬのかなぁ。それはとても苦しい。

久しぶりに熱も出したし、たぶんどこかのタイミングで友人にも風邪を移してしまった。つまり心も痛めた。。人との約束をキャンセルしたことも本当に久しぶりだった。そしてそれと同時期に自転車のタイヤもパンクして、エアコンも力尽きるように1台壊れた(2台あるので平気だった)。つまり一時、私だけじゃなく全部だめだめだったのだった。どうしちゃったんだろう、漫画みたいだった。
こんなに色々重なって、ただでさえ酷暑なのに、なんだか本当に元気なくなってしまって、そんなままでもただただ8月の日々を乗り越えてきて、よく頑張ったと思う。でもそれももうすぐおしまい。ようやくおしまい。長いような短いような、夏休み。大人のわれわれは別に休みではないけれども、多分もう10年近く、小学生の夏休みに関わって労働している。

10日ほどのお盆休みの途中で体調はほとんど回復して、痛めてしまった腰も、すっかりなんともなくなった。
気候も仕事も私にとって1年で1番難関である8月。体調は良くならないんじゃないかとも思ったけど、そんなこともなくて、今年も生き抜けそうでほっとしている。感情に関係あるところでもないところでも、いっぱい涙を流した最近だけど、止まらない涙も終わらない夏休みもないことは、ひとつの安心かな。

どんな南国へ行った人も、こっちへ帰ってきて「日本暑い」と言っていたよ。来年はどうなっちゃうんだろう、かわいそうな8月、さようなら8月。こんな私にできる事があったら言ってね8月。

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