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(s)he

あなたは先に眠っていて

なにも語ろうとしないから

わたしばかり話している

いつか光をまぶたの裏に閉じこめた

光は生きるように泳ぐ

同じところに仕舞ってある思い出と仲よくいて

こころに浮かべる度にきらきら光る

映し合ってきれいだねと笑い合うみたい

こころはあたまの中にあって

あたまはわたしが持っている

わたしは世界の中にいて

重ねてきた数十年がここにある

決してゆけない場所を夢に浮かべながら

もどれない日の中に浮かびながら

だれかとじぶんの悲しみに暮れながら

それでも日日を暮らしながら

生きていることは まぐれだといつも思う

わたしはただ偶然生きてるだけだなぁって思う

ここまで同じように時間を繋いでこられなかった彼のことを、彼女のことを、わすれないで思い出す

ここまで偶然生きてこられた自分のことを、これからも精いっぱい大事にする

よく眠ったり ときどき頑張ったりして

音楽を知って、人と出会って、素晴らしい色を重ねる

自分の体にも入っている心臓が

まだ止まらないでいるなぞに手を当てて、少し祈る

わたしを含めただれかの明日が叶わなくなるこわさをいつも胸に抱えている

忘れずに相変わらず毎日

また会いたいな

ちょっと祈りながらお別れをする


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