CS道と云ふはグルーヴ天国と見つけたり

はじめまして。株式会社カンムのhazamaです。
カスタマーサクセスとして主にバンドルカードの顧客管理(問い合わせやサポートページの管理など)とサポートデスクのオペレーター管理に携わっております。

ほほぉ、なるほど。どれどれ、どんなヤツか見てみようか・・・
むむ!

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経歴が謎過ぎる!?

と思ったそこのあなた!!

大正解!!


いや、そりゃそうですよね?
いきなりレコーディング云々書いてあってCS?!ってなりますよ。

はい、私、音楽制作に携わってました。
高校生時代からバンド活動をやってまして。大学生時代では知り合いのバンドの録音を行ってCD作ってってことをやってまして、その後約11年間それを職にしてまして・・・
なかなか想像付きにくいかと思いますが、レコーディングエンジニア業、スタジオ運営業共に、音を扱う以前に【音を扱う時間と場所を提供する】ということがサービスとなります。
そのため、限られたブース(空間)を時間で押さえていただくため、完全予約制のサービスとなり、時代的にもまだまだweb予約なんて導入されていない時代だったので、電話対応中心で営業される世界で仕事をしていました。
また、エンジニアとして音響と機材のオペレーションはもちろん、機材メンテ、プロジェクトに合わせた機材コーディネートも行っていたので、自ずとアーティストの機材や音作りの相談窓口になってました。

はい!繋がったー!気持ちよく繋がったー!

11年も続けていると、生活環境も変化するもので、生活に合わせて転職。
電話対応+相談窓口のプロセスからコールセンター、CSと今に至ります。

Intro

長々と経歴を説明してしまいましたが、音楽どっぷりな人生のヤツが、いきなりコールセンターやCSで務まるの?音響関係ないよね?興味持てるの?という疑問はお持ちのはず・・・
いやいや、問い合わせも音楽も人から発せられるもの。
大いに共通点がありまして、今や問い合わせ対応どっぷりな人生を満喫しております。
本ブログはせっかくのアドベントカレンダー企画なので、普段、業務ではなかなか出来ない、問い合わせ対応の音声解析を音楽理論を用いて紐解いてみようと思います!

問い合わせに垣間見る音楽的要素

まずCSの存在意義、それは顧客満足度の底上げにあります。
そもそも【CS】とは【Customer Satisfaction】の略称でもあり、問い合わせ対応の対策はもちろん、そもそもユーザーが問い合わせしないで済むプロダクトを構築することも大切です。
ですがサービスを運営する以上、問い合わせは無くなりません。
またユーザーが疑問を持って問い合わせしてきた時点で、問題が解決しない限り、そのユーザーはサービスの利用を停止してしまうでしょう。

CSは利益を指標として立て難いチームだからこそ、ユーザーに対して素早くコンタクトすることで、少しでもサービスの利用時間を増やすことが利益に繋がるかと。

1.問い合わせ対応速度(聞きたいことに直ぐ回答くれる)
2.確実なトラブルシューティング(調べればわかる&調べなくてもわかる)
3.真摯な対応( 声が反映される、やるべきことちゃんとやってる、知らないこと教えてくれる)

カンムCSチームはこの3点を強化することで顧客満足度の底上げを目指し、利益の貢献に勤しんでおります。

上記3点を数値に置き換え、KPIとして指標を置いています。
主にこちら。

TEL応答率(MAIL対応率)
   - 問い合わせに対する応答数

CPH(Call Per Hour)
   - 1時間あたりの問い合わせ対応数

ACD時間
   - Automatic Call Distributorから割り出した1件あたりの対応時間

問い合わせ率
   - 既存ユーザーから割り出した問い合わせ数

つまり、問い合わせを少なくしつつ、来たる問い合わせに対し、より多く対応するべく、適切な応対で対応時間をテンポよく・・・

テンポ!!!

そうです!時間軸と回数が関係する以上、問い合わせはリズム理論で紐解くことが可能なのです!
力技ではないことを証明していきます。

問い合わせ対応のKPIとグルーヴの構成要素の類似性

問い合わせやサポートデスクの管理において、最重要指標は【応答率】と考えております。
電話問い合わせでは、入電タイミングや同時入電本数の影響で少なからず放棄呼が発生します。つまり、そのユーザーに対しては何も対応していない状態 となります。
これでは運営側が自らサイレントクレームを発現させているようなものです。
では放棄呼を生まないよう、十分な回線とオペレータ人員を配置すれば・・・いやいやコストは無限ではございません。
平均入電数に対してコストが似合う様、適切なオペレータ着台数を予測しなければなりません。
また、各問い合わせ内容に合わせた適切なフローや言葉使いなどの応対品質を管理し、1件あたりの対応時間を短くすることで対応本数を増やす施策も必要です。
つまり、問い合わせに対して一貫した流れを構成する必要があります。

そう、ユーザーとサポートデスク間のグルーヴ が必要なのです!

グルーヴですよグルーヴ!
『音楽聞いてて気持ちいいな』とか、『なんか俺、今音楽と一体化した時間を過ごした!』みたいな、上手く説明できないけどなんだこの気持ち!って体感した経験がみなさんにもあるはず!
このグルーヴを構成要素で説明します。

【グルーヴの構成要素】

・リズム
時間軸の中で信号(音)の強弱などの、周期的な繰り返しによって表される秩序
人間に知覚される信号の繰り返し(パルス)を「拍」と置き、拍に感じる時間の長さ(テンポ)をいくつか順次並べたもの

・テンポ
拍の時間(長さ)と速度のこと

・シンコペーション
テンポ内の拍に対し強弱を付け、パターンを変えて独特の効果をもたらすこと

・アーティキュレーション
信号の形を整え、信号と信号のつながりに様々な表情をつけることで旋律などを区分すること
強弱法、スラー、スタッカートがそれ

波形で説明するとこんな感じ

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おわかりいただけたでしょうか?
つまり、一定のリズムにテンポよく色や表情を体感した時、人は一体感と心地良さを感じる訳です。
音楽で言えば、楽曲内の様々な楽器が織りなすリズムの一体感がグルーヴとなります。

これを問い合わせ対応のKPIに置き換えるとこうなります。

- リズム = CPH
- テンポ = ACD時間、または対応時の拍の取り方

リズムとテンポは対応時の拍の取り方にも影響します。
ユーザーが気持ちよく話せる相槌やユーザーの話に食わない様リズムを取るなど工夫が必要です。
さらにさらに、ユーザーに心地よくご理解いただく要素として、

- シンコペーション = 適切な言葉使いと場面に合わせた使い分け
- アーティキュレーション = 各問い合わせに対する適切なフローの構築

この4つの要素で構築されたグルーヴが応答率を左右するのです。

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音声データから読み取る問い合わせ対応の実例

いや、もうサッパリわからんですよねw
クリック音の波形で説明しようとした私が間違いでした。

では実際の電話問い合わせの音声データで見てみましょう。

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ほら!Track nameを問い合わせ内容に変更するだけでそれっぽく見える不思議w
ちゃんと説明していきます!さらにズームイン!!

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この音声はオペレーターの案内により、気持ちよく解決された内容です。

- 上の波形がオペレーターの音声、下の波形がユーザーの音声です。
- 左⇨右に会話が進みます。
- 波形の高さが声の大きさです。
- 安定した声量の名乗りから始まり、ユーザーの質問事項に合わせてテンポよく相槌を打っていることがわかります。
この間オペレーターは該当マニュアルの確認やデータベース表示の準備を行っていたりします。
- ユーザーはすぐにでも解決したい一心のため、大き目の声量、且つ早いテンポで相談します。
- 状況を把握したオペレーターが、FAQにある回答で解決できると判断。
基本対応を行います。
- しかしユーザーは解決に至らない模様。
- オペレーターがそれに気付き、利用履歴から詳細を確認し、案内することを説明し、登録情報をヒアリング。
- 詳細確認のため保留
(保留ちょっと長いかな・・・オペの修正が必要。頑張り!!)
- 詳細を確認し、解決できると確信したオペレーターも少し声が大きくなり、ハキハキとしたテンポで案内します。
【心配ご無用アーティキュレーション】を拡大して見るとわかりますが、伝わり易い様、等間隔の拍子でテンポ良く案内を進めていきます。
- 納得したユーザーの声量が少し落ち着いているのが波形でわかります。
- 最後はユーザーから「バンドル最高!これからもよろしくお願いします」
とこれ以上ないお褒めの言葉をいただき落着。
(嬉しすぎる!ありがとうございます!)

いかがでしょう?!保留が少し長いところ以外は、オペレーターがリズムの主導権を握り、テンポ良く案内していることがなんとなくわかります。
リズムの主導権を握り、ユーザーのテンポを定めていく案内が、ACD時間の短縮に繋がり、CPHの向上となります。
仮にユーザーの困りごとを間違えて解釈したり、プロダクトやフローをしっかり把握していないとテンポが悪くなり、焦ったオペレーターがユーザーの会話のリズムに食う形で案内してしまうと・・・申し訳ありません。しか言えなくなります・・・つまり

話を良く聞く

これが問い合わせグルーヴの極意です!
基礎です基礎!

ユーザーの声に耳を傾け、リズム良く受電することによって応答率というグルーヴに繋がるのです。

電話問い合わせを例に書きましたが、MAIL問い合わせなどの文面による問い合わせに対しても同じことが言えます。
良く読めってことです。
おそらくVOCALOIDなどで文章を音声化すると同じ様な結果が波形で見えてくると思います。(VOCALOID買おうかな)

Outro


いかがでしょうか?
人はそもそも、生理的な一定のリズムを持っています。
心臓の鼓動や呼吸です。
これはストレスや不安など精神的な状況が強く影響します。
サービスの利用に対してもそう、疑問やトラブルが発生すればテンポが狂い、リズムを刻むことを止めてしまいます。

バンドルカードは生活の一部となるべきサービスです。
ユーザーの生活リズムに心地良いグルーヴを齎す様、ユーザーの声に真摯に耳を傾けて参ります。


あ、そうそう!約1年働いてですね、一つ夢が叶ったんですよ!
今年、2019年11月より、前々職の職場であるスタジオがついにカード決済対応しまして!!しかもVISA!!
つまり・・・

ポチっとチャージしたバンドルカードでリハしてレコーディング!

そしてLIVEや音源販売で得た収益でポチっとチャージをPayする!なんていう、アーティストにとってこの上ない循環ができまして!!
必要経費のためにバイトに勤しむ時間を制作時間に当てることができる、夢の世界の第一歩!
若き才能の持ち主よ!目一杯作品を作りまくれーーー!!

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