力の入れどころ
はじめに
23年に広がったファンの熱。
この勢いがあれば24年に更なるヒットが生まれる、その後押しに貢献できることを感覚的に理解できたファンも多いと思う。
長らくMVやTver!を再生するメリットを説いてきたが、こういった取り組みに協力してくれるFFさんもこの1年でずいぶん増えた印象がある。
24年には、一時の熱狂で終わらせてしまわぬよう、持続可能なファン活動として成立させていく重要性も増していく。より多くのファンが持続的に応援でき、成果にも繋げていくことを理想として、来年注力したいことをまとめておきたい。
前提
ファン発の取り組みにあたって、ファンは人である以上制約は発生する。
①お金 ②時間 ③モチベーションはファンコミュニティとして保有する有限のリソース。
呼びかけをする立場を取ってる人ほど、ファンコミュニティ全体の空気に気を配りながら、成果を出すためのリソース配分を意識しなければならないと思っている。
①お金
CDやライブ代はそのまま売上に直結する。
少数が多量のお金を投じることでも成立するビジネスモデルでありつつも、依存しすぎると倒れる時は早い。
少数が買い支える必要がない、お金を投じたくても完売続出するくらい、ファンの母数が増えることは意識したい。
②時間
これまで①お金に比べて疎かにされてきたように思う。
Tver!やMV、ストリーミング再生など、新規層にコンテンツを届け、グループを拡大していくためには、ファンの持っている有限の時間をいかに使うかが重要な時代になった。
露出を獲得し、新規層が増えることは、その先に新たな購買層を増やすことにも繋がっていく。時間を投じて未来の売上を作っていると捉えて良いと思うし、こういった層が増えることは確実に基盤が強くなる。
③モチベーション
主に呼びかけする人に共有しておきたい。
人の集中力はそんなに長くは持たない。
目標が遠すぎることや、成果に繋がった感覚が得られないことなど、さまざまな要因でモチベーションは低下する。
大原則として、ファンの取り組みは自助努力。
モチベーションも個々人によってばらつきがあるため、無理にモチベーション上げさせる呼びかけは、反発が大きくなることは意識して配慮ある発信をしていきたい。
24年に注力したい取り組み
1.MV再生:Start over!の初速超え
これは23年同様、引き続きやっていかなければならない。
Start over!はMVが既存ファンの嗜好性にハマったのか、初速から伸び続けた印象がある。
対して、承認欲求はカット割が細かいことや、推しメンが出ていないといった要因もあってか、再生し続ける人の割合は減った感覚があり、露出が音楽番組中心となってしまったことは惜しい。
THE FIRST TAKEもファンが初速をつけようという取り組みに火がつききらなかった印象はある。コンテンツとしての好みがあることや完成度に対する評価があることは重々承知した上で、それでも再生して少しでも新規に届け、プロモーションを最大化していく助けをしていきたい。個々人の評価とは切り離してこうした運動をするモチベーションが存在することは多少周知されてほしい気持ちはある。
こうして、コンテンツの好み云々で再生する・しないのしない寄りに傾くことが多くなれば、24年は全く成果がでないことも十二分にありうる。それほど余裕を持てる立場にはないグループだとファンは自覚しておいた方が良い。
MVの解禁〜ストリーミング先行配信、発売日までおよそ1ヶ月程度。
なるべく多くの協力者を増やすこと、同調圧力に感じられないよう配慮しつつ、協力者のモチベーションも維持していく。
そのためには各日の目標管理は必要かもしれない。
2.ストリーミングの強化:Spotifyユーザーの増加
23年はMV再生の重要性が周知されたことで十分な成果だったと思う。
多くのファンが重要性を理解したからこそ、ハレーションを抑えながら次の取り組みも実行できる。
中でも重視したいのがSpotifyのストリーミング再生。
ここ数日、Spotifyの乗り換えを検討してくれているFFさんや重要性を発信してくれるアカウントも増えた印象がある。
少し背景も記載しておくと、23年現在、16年〜19年頃に比べてMVというコンテンツ自体がYouTube上では発見しにくくなっていることが大きな要因の1つ。
というのも、当時はまだYouTuberもそこまで多くなく、ライブ配信の文化も定着していなかった。
Vtuberの参入や切り抜き拡散、ゆっくり実況やずんだもんなどのツールも豊富となり、動画作成のコストが低下し動画投稿のハードルが下がっていった。
その結果、16年〜19年頃に比べてYouTube上で扱われるカテゴリが増えた。かつてユーザーは音楽というカテゴリに、関連動画などから無意識にでもたどり着いていたが、今ではゲーム実況や漫画の考察、魚や地理の解説のようなニッチなジャンルまで含め、音楽というカテゴリそのものに触れる頻度が相対的に低くなっている。もちろんコスメやお笑いのような当時から強いコンテンツも在り続けている。
対してストリーミングは当然、音楽に特化しており、かつてよりも文化として定着した。
Spotify発でヒットを飛ばすアーティストもたくさん現れている。
ストリーミングの中でもSpotifyに注力したい理由は大きく2つあり、
1.世界で5億人以上が使用するグローバルプラットフォームであること
2.Spotifyの作成するプレイリスト(〇〇Top 50など)の拡散力が高いこと
常に自分が好きな楽曲を探す音楽ファンは、積極的にSpotifyのプレイリストを聴いており、このプレイリスト入りできるだけでヒットの確度は高まる。
このプレイリストは国ごとに作成されるため、日本のアーティストが海外でヒットしているといった現象もよく起こっているし、必ずしも日本で有名なわけでもない。
近年だと藤井風の「死ぬのがいいわ」は、Spotifyで23の国と地域で1位を獲得し、月間リスナー数は827万人だ。
また、高瀬統也というアーティストも、インドネシアでヒットしており、月間リスナー数は81.6万人。日本に逆輸入で認知されていくのか個人的に気になっている。
ちなみに櫻坂46は17万人前後である。(これでも1年前からすると物凄く伸びている)
apple musicに代表される他のストリーミングサービスとの違いは、この拡散力(アプリ中の拡散アルゴリズムやUX)が圧倒的に新規層にリーチしやすい点だと思っている。
3.Shorts・TikTokに代表される縦型動画の強化
Shotsとtiktokの強化は、MV再生の余剰リソースで24年にはぜひチャレンジしたいテーマの1つだ。
これは賛否あるのは承知で書くが、公開からしばらく経ったMVのキリ番(〇〇万回再生)を目指すのであれば、縦型にリソースを振る方が良い。
公開されて一定期間経つと、急上昇に載りづらく、より多く再生された以上の成果が得られにくいからだ。
そして、近年急激に成長した縦型動画は、実行動にまで影響を与えている。
横型の動画だと、全画面表示にする・戻すといった画面上の操作に加え、フィジカルなスマホを横に持ち替えることも必要になる。
こうした僅かな所作がユーザーにとって無意識な面倒臭さを生んでいる。
縦型だとスマホの持ち替えも画面の操作も不要で、興味があればそれをみ続ければ良いし、興味ないならスワイプするだけで良い。
この僅かとも思えるUXの差に慣れてしまった以上、横型動画はすでに見漁るものではなくり、横型の前に縦型でチャンネルの特徴を掴み、横型動画を見るに値するか評価するという流れが生まれてきている。
言い換えれば、櫻坂46というコンテンツ、チャンネルを見るに値するか評価するのは、MVよりも前にshortsが割り込んできているという構造だ。
今もなおMVが新規層に届くことは重要であることに変わりはないのだが、MVだけに注力していても興味誘引の入り口がShortsやTiktok側(縦型動画)に広がっていることはファン全体にも広く知られて欲しい事実で、ここに対応できるかどうか次第で新規層拡大の成果も変わってきうる。
4.縦型動画の強化の課題
縦型動画再生に関しては、音頭取りが難しいことにも言及しておく。
基本的にメンバー全員が出ないことや、1つのシングルに紐づいて複数の動画が投稿されること、シングル以外の楽曲を利用しているものなど、どの動画に注力するかファンの中での合意が得られにくい。
また、ファンの中で選ばれた動画に対して、多くの人がリアクションを示すかは回してみないとわからない(初速以降のバズ要素があるか?)という2段階の難しさがある。
そのため、実験的に実行してみようという有志を募って知見を貯めていくのが、まずは良いのだろうと思っている。
例えば自分ならば、3〜4個の動画をいくつかの切り口で機械的に選定するかもしれない。
・MV公開後に一番最初に公開される縦型動画(おそらくセンターフォーカス)
・ダンスプラクティス
・他グループ音源のダンス動画(の中でも広く知られている楽曲)
・かわいいやつ(ここは選定で揉めそう)
これらをMVと同様に再生し続けて縦型動画内での新規層リーチを取りにいけるか実験できると貴重な知見になると思う。
5.Tver!再生番組の狙いを定める
23年はくりぃむナンタラきっかけでテレビ朝日、THE TIMEやラヴィット!きっかけでTBSから呼ばれることは多い。とてもありがたく、このTver!の指標は引き続き伸ばしていく必要がある。
そして全国にメンバーを認知させるタッチポイントは多ければ多いほど良い。まだまだ露出が弱い日テレとフジの番組は、意識的に回しに行くくらいの姿勢で良いと思っている。
櫻坂は起用すれば番組の指標が高く出る。
この噂がまだ届ききってない局を狙い撃ちに行くのも一つの手段だろう
ただ、局ごとに懇意にしているグループは存在するため、注力するといっても引き際を見誤らないようにしたい。実行するなら何か1番組に絞って2~3回やってみるといったところからだろうか。
また、新規の方にも、メンバーの個性を知ってもらうためにも積極的にTver!で視聴できることは伝えたい。また、視聴した場合、とにかくTLにシェアすることは推奨。
人間、いつか見ようと思って放置してしまうものだ。Tver!のアプリを立ち上げ、番組を検索して、放送回を選択するという手間を省き、リンクを踏むだけで観られるようにする。これを徹底するだけでも見る人は増えるはず。
注力したい取り組みのまとめ
やった方が良いこと、やりたいこと、これらは挙げていけばキリがない。
前提に立ち返ると、ファン1人1人の①お金②時間の総和がファンダムのポテンシャルになる。③モチベーションを維持しながら、それらをいかに効率的に配分して成果に繋げるかが重要だ。
これまで実行してきて成果につながったもの、例えばMV再生の急上昇入りや、投票施策での上位獲得、Tver!再生による番組起用などは、引き続き出力を維持・増加させる勢いでやっていく必要がある。ここは変えてはいけないこと。
と同時に、社会的に新規流入につながる接点として無視できない「ストリーミング配信」や「縦型動画」のなどに、実験的にでも余剰リソースは割いていく挑戦も必要になる。
着実に取り組むものと、おそらく成果が望めるだろうという新たな取り組み、これらのバランスを上手く取っていきたい。
シングル発売前後の時系列で並べるならば
・表題MV解禁 → 急上昇入り&日数増加の結果、Start over!を超える
・カップリング MV公開 → 楽しみながら表題は意識的に再生を続ける
・ストリーミング解禁 → ストリーミング再生にシフト(Spotify注力)
・CD発売 → 開封全力で楽しむ
・Tiktok公開 → 注力するものを定め、本気で再生。
ストリーミング+縦型動画に意識的にリソースを割く
こういった順序だろうか。
序盤にも書いたようにMV公開直後〜CD発売から1~2週間くらいまでは、最新シングルに関連したものにリソースを寄せることは特に重要だと思っている。
過去作品のキリ番を目指して呼びかけることで終わりのないマラソンになってしまうなら私はあまり推奨できない。注力すべきはその年に発売されたシングルだよと、誘導はさせてもらうと思う。
もちろんイベントと合わせた記念として取り組むことを否定するつもりはないし自分も取り組むことは注記しておく。
その他にも、成果が望めるもので、取り組みたいものはたくさんあるが、リソース的に優先度が低かったり、表立って推奨できないものもある。この類のものは、興味がある人と仕込みレベルでも進められれば良いのかもしれない。
最後に
自助努力だと言い続けているが、人間である以上、報われたいという気持ちが芽生えるのは自然なこと。
仕事があったり学校があったり、お金があったり時間があったり。
人それぞれ置かれている環境は異なることをよくよく理解しながら、呼びかけする人たちが各々の匙加減で健全に成長できるよう調整していきたい。
また呼びかけをする人は多いに越したことはなく、下手に1つのアカウントに権限を集中させる必要もない。
AAAでは緩く繋がり合っている今のコミュニティ形態だからこそレバレッジが効いた実感もある。
各々が繋がっている人たちと目的意識を共有しながら、来年もグループの飛躍につながるよう行動していければと思う。
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